モノクローム専用設計のLCD(Duobond)について、複製モードでなく拡張モードとすることで(ディスプレイ設定)全面表示ができなかった問題が解決した。
バックライトがなく引き伸ばし機にマウントされたLCDだから、PC側のモニター上で画面操作を行うことばかりを考えて複製モードに拘り拡張モードを試していなかった。複製モードでは画面の解像度は、低いモニターに合わされる。つまり低いのはPC側のポータブルモニター=解像度(1024*600)だから、複製されるLCD(2560*1620)では全面表示にならないのは考えてみれば当たり前のことである。
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拡張モードにすると、ウィンドウズのデスクトップが拡張側のLCD(アスペクト比=16:10)でも全画面表示となった。一見これで良さそうだが(PC側のアスペクト比=16:9に固定されない全画面表示なので、若干縦長に見える)、この拡張モードには以下注意点および課題(解決策)がある。
注意点:
写真など画像データを拡張画面上で展開する場合は、RGBで3つのサブピクセル(通常のLCD)はモノクローム専用設計のLCD(Duobond)では統合されて1ピクセルであるから、元の画像をサブピクセル方向にピクセルを3倍に拡大した(リサイズした)データでなければ正しく表示されない(アスペクトではなく、ピクセル対応)。LCD(Duobond)のアクティブ信号は2560*540、LCD上の解像度は2560*540
課題:
拡張モードでは、PC側のモニターをメインに設定すると、拡張画面上に画像を展開させるには画像を拡張画面までドラッグするなど操作が必要となる。PC側のモニターでは見えない拡張画面上の操作だから、引き伸ばし機から一々LCDを外し手元で光に翳さない限りできない。拡張画面をメインに設定すれば尚更のこと苦労することになる。バックライトがなく引き伸ばし機にマウントされたLCDだから(PC側の)ポータブルモニター上で画面操作を行えるようにすることは課題だった。
解決策:
そこで、
ちなみにディスプレイエミュレーター(仮想コネクタ)は、在宅勤務で職場のPCを遠隔操作する際、PCにディスプレイを接続しておく必要がなくなるギミックでもある。最大解像度は4096 x 2160ドット、リフレッシュレート60Hzに対応するエミュレーターだから、あたかもそのクラスのディスプレイがPCに接続しているかに偽装し、結果として高解像度のリモート環境(自宅PCのディスプレイがそうであれば)を提供するという優れものである。
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斯くしてモノクローム専用設計の6.08" LCD(Duobond)は晴れて全面表示可能となり、擬似的複製モード下、ポータブルモニター上で操作可能となった。
ネガ領域が以前の小名刺判相当大(5.7×8.3cm)から一挙に8.1x12.8cm(アクティブ領域)に拡大したのは喜ばしい。LPL Model 7451引き伸ばし機は 4x5(10.16x12.7cm)の大判フィルム(または乾板)まで扱えるので、実質、最大のネガ領域を得たことになる(但し短辺は若干短い)。小名刺判相当大(5.7×8.3cm)は69フィルム(5.6x8.4cm)に相当するとして、大きさの比較は以下の通りである。

(Darkroom Door記事から画像引用)
引き伸ばしてもセルの影が印画紙に現れにくくなる上、ネガが大きくなればネガに当たる(透過する)紫外線量も多くなるわけだから印画紙の露光にも寄与することになる。
(B5サイズのサイアノタイプ印画紙に露光中・引き伸ばし機ヘッドを以前よりも下げることが可能となった。)
作例比較・いずれもB5版サイアノタイプ印画紙)
ネガ領域=以前・小名刺判相当大(5.7×8.3cm):
部分:
輪郭にディザが現れ、セルの影も視認できる。
ネガ領域=現行(8.1x12.8cm):
部分:
明らかに改善されている。
(おわり)
PS. 解決策の説明を訂正(取消線部分)。分波によってLCDの画像にノイズが乗る・画面が乱れるなど不具合が発生。解決策に提示の方法はやめた(エミュレータも取り外した)。
元通り、PC側のモニター(メイン画面)とLCD(拡張画面)とし、メイン画面に展開した画像を、Shift+windowsマーク+→ or ← で拡張画面との間で行き来させる方法にした。このショートカットは便利だ。視認しづらい拡張画面を光に翳しながらマウスで画像をドラッグし適切に配置する必要がなくなった。
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