2017年11月11日

招き猫の誘惑(Tenax 1)その6



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好天に恵まれた昨日(11/10)、群馬県赤城高原にある赤城クローネンベルク(クローネンベルクドイツ村)を訪れた。前回訪れてから16年ぶりだった。

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"ドイツの農村をイメージした群馬県のテーマパーク「赤城クローネンベルク」(前橋市苗ケ島町)を運営する赤城高原開発(同所、諸田稔社長)は31日、11月末で同園を閉園すると発表した。個人消費の低迷などを背景に入園者数の減少が続き、運営継続は困難と判断した。跡地は養豚業の林牧場(桐生市新里町赤城山)に売却する。林牧場は本社事務機能を移転するほか、社員の研修施設として活用する方針。

同園は1994年開園。動物との触れ合い体験に加え、自家製ソーセージや地ビールなどの飲食が楽しめる施設として人気を集め、2008年には約19万人が入園したが、近年は客足が伸び悩んでいた。運営する赤城高原と親会社のファーム(愛媛県西条市)は昨年6月、東京地裁から民事再生手続きの開始決定を受け、同12月には人材・教育ビジネスなどを展開するワールドホールディングス(福岡市)をスポンサーに迎えるなど、早期の事業再生を目指していた。赤城高原は社員26人とアルバイトについて意思確認しながら、グループ会社での再雇用を図るという。前橋商工会議所の曽我孝之会頭は「特色ある観光施設で人気があっただけに非常に残念」と話した。"
(上毛新聞電子版・2017/11/1報)

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16年前(2001年10月27日)に訪れた際、大勢の観光客で賑わう様子がビデオ動画に残っていた。容量730MBの光磁気ディスクiD PHOTOを搭載したサンヨーのデジタルカメラiDshotで撮影。



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体験型のアグリパークと広々とした敷地に羊や馬が草を食む姿は牧歌的で、その上にロマンティックなドイツのイメージを掛け合わせ華やいだ雰囲気の16年前を思い出した。バブル経済崩壊後の失われた10年の只中にあった時代だったが、個人の景況感は当時の方が今よりも断然良かったと思う。

そして、昨日。閉園の報を知ってか私を含め来園者はそれなりにいたがやはり寂しい(以下、Casio Exilim EX-ZR10で撮影)。

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(多くの親子連れに背を貸したであろう老馬・物憂げな目。)


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(人影に寄ってくる動物たちのけなげさが心を打った。)


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(ヤギのジジョが橋を渡って餌をねだりに来た。)


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(明るく対応するスタッフに「今までありがとう」と声をかける人も多かった)


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Tenax 1にKodak T-MAX 400フィルム(モノクローム)を詰めて園内を撮影した。ユニバーサルファインダーとクローズアップレンズで接写も試みた。ドイツ村の最後を記録するにZeiss Ikonは相応しい絵を作ってくれるものと期待したい。作例は追って掲載予定。

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"残すところ僅かな期間の営業となりますが、スタッフ一同皆様のご来園を心よりお待ち申し上げております。
当園の動物たちは、閉園後、関連施設に移動することになりました。いままで大切に可愛がっていただき、本当にありがとうございました。関連施設で新しい仲間たちと大切に育てます。
赤城クローネンベルク スタッフ一同"

(おわり)


posted by ihagee at 08:02| VEB Zeiss Ikon Tenax 1

2017年11月04日

招き猫の誘惑(Tenax 1)その5



Tenax 1と同じく35mmフィルムでスクエアフォーマット(24x24)が撮影可能なロボット(Robot)用のユニバーサルファインダー(ドイツTewe社製)を入手した。当然ながら中古品だがレンズに曇りや黴はなく良い状態だった。

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(Tenax 1は37.5mmテッサーなので35と40の中間点にセットする)


このユニバーサルファインダーは30mmから75mmまでのレンズに対応し、撮影距離に応じてファインダーが前傾することによってパララックスを補正する機能がある。

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220 II (50cm - 33cm)ではおおよそ34cmが被写体までの最短距離なので、ファインダー下部のレバーは1mの指点よりもさらに左側に寄せて前傾を最大にしてファインダーとカメラのフィルム面でパララックスが解消されているか確認してみた。手持ちのアクサセリーシューに薄い金属板を接着しファインダーに履かせ、磁力によってTenax 1にマウントした。前回ネオジム磁石に交換した甲斐があって大きくそれなりに重量があるRobot用のファインダーだが逆さにしても落ちることはない。

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さて、220 II (50cm - 33cm)のクローズアップレンズを使ってパララックス補正機能の確認をした。前回と同じくPC上にパターンを映してカメラのフィルム面にリアプロジェクション用のフィルムを貼って、パターンとフィルム面の距離を34cmにする。

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パターンは正方形でファインダー内にぴったり収まる大きさになるようPC画面上で縮尺する。

ファインダー内の見え方は以下の通り。四隅のトンボ(距離に応じて可変)の内側にパターンが見えている。

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(ファインダー内の見え方)


その状態でシャッターをバルブにしフィルム面での見え方を確認(天地左右が逆に映っている)。

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(フィルム面での見え方)


フィルム面上の像が下側に寄っているところからパララックス補正が利き過ぎているのだろう。ファインダーが前傾し過ぎているのかもしれないが、パターン全体はフィルム面で捉えている。実際に撮影して確かめたい。

被写体までの最短距離が52cmであることを先に確認した220 I (100 - 50cm)クローズアップレンズについては試していないが220 II の上述の結果からして大丈夫だろう。

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接写にはギョロ目のユニバーサルファインダー、それ以外は気分に応じてオリジナルのファインダーなりオリンパスSix用の正方ファインダーを用いて撮影できそうだ。さっそくモノクロームのフィルムを詰めてトライしてみたい。

(おわり)



posted by ihagee at 22:03| VEB Zeiss Ikon Tenax 1

2017年11月03日

招き猫の誘惑(Tenax 1)その4



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前々回報告のように、ファインダーを磁力で着脱可能にしているが、入手予定の大きく重いユニバーサルファインダー(Robot用)を搭載するには少し磁力が弱いと気になった。

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あり合わせの1.5mm厚のネジウム(ネオジウム)磁石では、艦橋内部の構造物と部分的に干渉する為、ペンチで小片に割って貼りこんでみたものの磁力が均一ではない。もっと広い面積を貼りこむことができる磁石はないものかと探したところ、模型用の磁石が見つかった。 HIQ PARTSの厚さ1mmで4mm角形のネジウム磁石である。塗装面を傷つけたくない箇所のアイテムの着脱に用いるらしい。最寄りの模型店で手に入れることができた。磁石はあまり薄いと磁力線が磁石の内側で干渉し合って磁気が弱くなるらしい。厚さ1mmが実用上は最も薄い磁石なんだろう。昔からあるフェライト磁石などと比べれば厚さ1mmであってもトンデモなく磁力は強い。

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(ネオジム磁石角形10個入 / 4mm x 4mm x 1mm)


さっそく艦橋部覆い(アルミ製)の裏側に並べてみた。4mm辺なのでタイル状に並べることができる。あまりに小さいのでしっかり指を添え極性が向き合わないようにしないとあっと言う間に裏返って上下にスタックしてしまう。

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覆いの外側(つまりファインダーが載る面)に鉄片を添えて磁石が吸着した状態で覆いを戻し、シャッターチャージなどの操作での干渉の有無を確認。1mm厚が幸いして内部構造物との干渉はない。瞬間接着剤で留めた。

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結果は以前よりも磁力が増し作用する面積も増えた。

なお、ネオジム(ネオジウム)磁石は非常に強力ゆえに、携帯電話や磁気カードに近づけないよう気をつける必要がある。カメラの絞りリング周縁部の指点(・)に用いた1mm角のネオジムはヤフオクで購入したものだが、1mm角の磁石が30cm角の箱に包まれて届いた。

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配送中に封筒越しに磁気カードにでも触れ合えば大変なことになるからだろう。

(おわり)


posted by ihagee at 16:53| VEB Zeiss Ikon Tenax 1