2019年03月07日

サイアノタイプ - その67(引き伸ばし機)



サイアノタイプ - その18(引き伸ばし機)で、スライドプロジェクター(Minolta Mini 35)を利用したホームメイドの引き伸ばし機について触れた。

UV光源は中華製懐中電灯タイプのブラックライト(FOCUSPET 100 LED)から取り外したユニットであるが、さて前回ブログで紹介したパーティ演出用UVブラックライトに代えてみた。

驚くべきことに、これが使えそうである。P-Rokkor 2.5/75mmレンズ(Chiyoko P-Rokkor 2.5/75と同じ)にBushnellテレスコープ(日本製)から頂戴した単玉レンズ(前玉)の組み合わせだと、レンズ枚数が少ないためか引き伸ばした距離でも紫外線が印画紙まで届く。

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スライドプロジェクター(Minolta Mini 35)の底にはカメラ用の三脚穴があるので、このホームメイドの引き伸ばし機は三脚に固定できる。スライドプロジェクター用のP-Rokkor 2.5/75mmレンズは繰り出してピント合わせが簡単にでき、Bushnellテレスコープ(日本製)から頂戴した単玉レンズ(前玉)と組み合わせることでレンズから約50cmの距離内に印画紙(B5サイズなら)をセットできる。さらに大きな印画紙でも距離を開ければ紫外線が届きそうである。

ここでもう一工夫。アナログカメラのアクセサリーとしてカメラの横を撮影できるスパイレンズというものがある。これでプロジェクションを90度屈折させて真下に落とせば使い勝手が良いのではないかと気づいた。

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(スパイレンズ)

スライドプロジェクター(Minolta Mini 35)はヤフオクで格安で売られている上、Signstek紫外線UVブラックライト LED投光器はアマゾンで3千円程で手に入る。Bushnellテレスコープ(日本製)などはハードオフで転がっていそうだ(私はeBayで買い求めたが)。UV光源は中華製懐中電灯タイプのブラックライト(FOCUSPET 100 LED)から取り外したユニットよりも、このSignstek紫外線UVブラックライト LED投光器の方が強力且つ寿命がありそうだ。銀塩写真用の引き伸ばし機にある巨大なコンデンサーレンズとは全く相性が悪いが、スライドプロジェクターの小さなコンデンサーレンズとは良さそうである。

さっそく、アナログフィルムを使ってこの新たな引き伸ばし機でサイアノタイププリントを試みたい。

(おわり)



posted by ihagee at 04:14| サイアノタイプ

2019年03月06日

サイアノタイプ - その66(UV コンタクトプリンタ)



UV光源についてチップオンボード(COB)LEDはどうも相性が悪いと、前回記事で書いた。

引き伸ばし機の光源として用いるにしては、という意味であって、コンタクトプリントの光源としては有効である。例えば、パーティ演出用UVブラックライトはこのCOBであるが、ハガキ大のプリントを密着焼きするには丁度手頃。引き伸ばし機用光源にと試しに買ってその目的では失敗したSignstek紫外線UVブラックライト LED投光器で(中華製で3千円程の安物)、コンタクトプリントを試みた。開口部はガラスでシールドされており凹凸のない平面なので、印画紙とネガに上乗せするだけでコンタクトプリントができる(密着させられるだけの自重もある)。ジェルネイルやUV樹脂加工用として市販されているような御釜型のLEDライトよりもコンタクトプリントに向いている。

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(Signstek紫外線UVブラックライト LED投光器)

ネガはおよそ百年前の大名刺判 (6.5×9cm)のガラス乾板で乳剤面を印画紙に密着させ、光源を少し浮かせて焼いてみた。上述の通り、パーティ演出用UVブラックライトは引き伸ばし機の光源としては役に立たない。ライトハウスから印画紙までの十数センチの距離だと紫外線が全く届かないからだ。しかし、コンタクトプリントの距離ならばあっという間に感光させるだけの紫外線(395nm辺り)を放つ。

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(十分焼き付け・水洗オキシドール漬・乾燥中)

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光源を浮かせるために使ったクリップの影まで映り込んでいるが、しっかりとガラス乾板の像が浮かび上がった。コンタクトプリンタとしてパーティ演出用UVブラックライト投光器を用いるのは最適かもしれない。

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中華製懐中電灯タイプのブラックライト(FOCUSPET 100 LED)から取り外したユニットが寿命を迎えたようだ。最後の一枚と、引き伸ばし機(Lucky II-C )でサイアノタイプを試みる。レンズはNikon EK-Nikkor 1:2.8 f=50mm。ネガは同じくおよそ百年前の大名刺判 のガラス乾板(6.5×9cm)を用いた。

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(四時間焼き付け・水洗・オキシドール浴後、ジャスミン茶でトーニング)

焼きが浅くなった。このユニットでのプリントはこれが最後。今週末にはスペクトロライトSPL-100-CCが届く予定。実装可能なφ5mm砲弾型LEDも手配した。引き伸ばし機でのプリントもこの光源なら安定するのではないかと期待している。


(おわり)


posted by ihagee at 04:19| サイアノタイプ

2019年03月02日

サイアノタイプ - その65(引き伸ばし機)



「TECKEPIC ブラックライト」をUV光源としてプリントに成功したのは以下の一回のみ。その後、色々工夫を施しプリントを繰り返したものの焼き目が付かず、光源として使うのを断念した。

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(四時間焼き付け・水洗・オキシドール浴後、ジャスミン茶でトーニング)

この手のチップオンボード(COB)LEDはどうも相性が悪い。その一つ、電球型ハイパワー(COB)LEDはその形状から引き伸ばし機に用いるには便利だったが、熱に弱く数枚プリントした時点でLEDが劣化し使い物にならなくなってしまった(以下、同LEDでのプリント例・動画)。




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再び、砲弾型UV LEDに戻る。中華製懐中電灯タイプのブラックライト(FOCUSPET 100 LED)から取り外したユニットを電池の代わりにAC/DC adaptor (9V/350mA)で駆動したUV光源であるが、熱対策としてユニットを基板側にPC用のクーラーを載せて空冷。十枚程度プリントを行い紫外線域が初期光量から減衰し時間をかけても焼き目が浅くなった。

この中華製のブラックライト、本稿のプリントの用途として相性は良いものの、やはり安物ゆえにLEDが頼りない。

そろそろ、しっかりと設計工作されたLEDを使うべきだろうと探したところ、以下製品を見つけた。


スペクトロライト スタンドタイプ LEDFLEX-100SD

科学実験器具で砲弾型LEDの抜き差しが自在(ソケットに脚を刺すだけ)、且つ順電圧の違う各波長(紫外/可視/赤外)の5φLEDを混在させて、5個から最大100個まで点灯できるようだ。電気工作が得意な人であれば秋葉原で部品を調達してあっと言う間に組み上げられるだろうが、私は不器用なので完成品に頼るしかない。しかし、このスタンド型の器具は高価。そこでユニット部分だけの以下の製品に着目した。


スペクトロライトSPL-100-CC

アダプター(24V1A)、ケーブルがセットされており、あとは5φLED球を別途購入し差し込めばすぐに使えそうだ。5φLED球も各種購入可能(LED-ONネットショップ)。サイアノタイプ用途であれば、375nm 砲弾型LEDが辺りが使えそうだ。ピントを合わせるために可視光域(490nm)のLEDを混ぜれば尚良いだろう。

念のため、販売先(レボックス株式会社)にメールで製品の情報を求めた。以下がその回答。

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375nmのLEDにつきまして、弊社通販サイトLED-ONで取扱いのものは、ナイトライド・セミコンダクター社のNS375L-5RLOでございます(データシートを添付します)。LEDの最大定格電流が25mAですので、こちらのLEDと組み合わせてお使いになる場合はSPL-100-CCは18mAをお選びください(出力電流が18mAと47mAの二つの製品が存在)。また紫外線LEDの想定寿命はおおよそ1万時間程度です(保証値ではありません)。一般的には初期光量の70%まで減衰する時間で示されます。1日6時間点灯された場合、1,666日使用頂けるという計算になります。また寿命は電流値や温度を低くするほど長くなります。空気循環のあるような環境であれば、18mA程度はさほど熱くならないと思いますが、密閉された装置や容器の中でお使いになる場合は、空冷ファン等で冷やされた方がよろしいかと存じます。

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想定寿命を考慮すれば、安物のブラックライトを買い増すよりも、費用効果はこちらの方が高そうだ。ゴミを増やさなくても済む。今使っているユニットの後継候補として考えてみたい。以下は現状のユニットでのサイアノタイプ(引き伸ばし機はLucky II-C (Fujinar-E75mm F4.5))。

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いずれもおよそ百年前の大名刺判 (6.5×9cm)のガラス乾板の乳剤面を別にガラスで覆って保護した上、35mmフィルム用のLucky II-C に装填し拡大プリント。vif Art (B5 H.P. surface) に四時間焼き付け。LED劣化による光量減衰で焼きが浅くなっている。一枚だけジャスミン茶でトーニングを施した。通常のコンタクトプリントでの濃紺・高コントラストのサイアノタイプとは異なるが、これが本来オリジナルのネガが持つ情報の素直な再現であると勝手に納得している。

(おわり)


posted by ihagee at 05:41| サイアノタイプ