2019年08月30日

サイアノタイプ - その87(引き伸ばし機)



Lucky II-C(引き伸ばしレンズ:Fujinar-E75mmF4.5)で半世紀前の東京をプリントする(ウィンザー&ニュートン コットマン パッド 細目B5)。使った35mmはeBayから購入したもので、1969年頃、技術視察に台湾から来日した大同之店考察団(東芝招聘?)の誰かが撮影したものらしい。前回の記事で掲載の丸ノ内線の一景もこの一枚。

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丸ノ内線・線路の壁際に点々と注意書きがあったことを思い出した。確か、「たんやつばを線路に吐かないように」だったと思う。当時は公共空間での喫煙が大目に見られていたのでいがらっぽい人が多かったのかもしれない。たんやつばを飲み込む為にニッキやクールの浅田飴も流行った時代である。

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窓外に四谷の駅表示が見える。中央線の車内か?楚々とした女性、本や新聞を読む乗客の姿が懐かしい。フェルトの座面の沈み具合が尻に心地よかったことまで思い出す。

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有楽町日劇(現:マリオン)。劇場の看板から1969年の景色であることが判る。

(おわり)



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2019年08月22日

サイアノタイプ - その86(引き伸ばし機)



前回記事「フィルム・レコーダ(デジタル⇒アナログ変換)再発見」で紹介したポラロイド CI-5000S(デジタル・フィルム・レコーダ)を弄っているうちに短い盆休みが終わった。

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ヤフオクで三千円程で落札した四半世紀前の代物だが外観は汚れも傷もない。おそらく大学か病院の備品として保管されてきたものだろう。シャーシの内部も点検したが埃一つなく良い状態だった。

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PowerBook G3 やドライバーソフトなど、周辺の動作環境を一切整え、あとはこの本体が動作するかだけ。電源投入しSCSIで無事PowerBook G3と通信することを確認。PowerBook G3 は仮想メモリー環境だったが(RAM Doubler駆動)、押入れに不動の状態で転がっていたボンダイブルーのiBookから256MBメモリーを移植し320MB環境にすることができた。

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CI-5000Sの本来の用途はプレゼンテーション用のカラースライド(35mm カラーリバーサル)の作成にある。私の用途は本稿の通り、引き伸ばし機によるサイアノタイプのアナログネガ(モノクローム)作成なので、プレゼンテーション用ソフト(当時の定番、Adobe Persuationなど)を使う必要はない。PowerBook G3 に元からインストールしてあったAdobe Photoshop (ver.5)でCI-5000Sの解像度(4K)に合わせてRGBのグレースケール画像を用意する。

別稿「ガブリエル・レイ(Gabrielle Ray)」の百年前のポストカードをスキャンしたデジタルデータを使った。4535x3024pixels の大きさで3200dpi(16bit grayscale)のデータをPhotoshop上で35mmフィルムにリサイズした。試行錯誤の結果、以下が適正値と判る。

画像解像度
ピクセル寸法:24.1 M
幅 3552 pixels
高さ 2369 pixels
幅 27.52 cm
高さ 18.35cm
解像度 327.862 pixels/inch

用紙設定 A4 781 x 521

CI 5000Sの4K解像度は、最大4096 x 2370 pixelsで、35mm フィルムは3:2のプロポーションなので、3552 x 2369 pixelsが妥当なところだろう。

ここまで用意して、さて35mmフィルムバックにKodak T-MAX 100フィルム(モノクロ36枚撮)を装填し、いざデータを送信しようとして不具合発生。

35mmフィルムバックでは一旦全ロールを暗室に繰り出し、撮影毎にパトローネに巻き取って(リワインド)収める方式だが、繰り出されたままパトローネに収まらない。フィルム送りに不具合があった。

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CI 5000S本体側に問題があればお手上げだが、本体側の動作チェック(プログラム)では正常なので、このフィルムバックに問題があると睨んで分解。問題の所在はすぐに判明した。リワインドで転位し働く歯車がグリスの固着で動かなくなっていた。状態からしてかなり長い期間本体ごと使われていなかったのだろう。

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(金属のプレートに覆われた部分に問題の歯車があった)

清掃しグリスアップ。正常に動作するようになったが、この過程でフィルムは露光してしまい無駄になった。これも学習代というところか。

Kodak T-MAX 100に代えて、Fuji Acros100をフィルムバックに装填し36枚全て無事に露光を済ませて現像した。現像前にCI 5000SのアパーチャでのRGB毎の露光状態をデジタルカメラでバルブ撮影で確認していたが、RGBを重ねた像があまりに不鮮明なので不安を覚えたが、アナログフィルム上では問題なく露光していた。モノクロームなら色ズレやら色味のおかしさは関係ないが、カラーフィルムであればキャリブレーションが必要。

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(18bitとあるのは16bitの誤り)

CI 5000Sのドライバーソフトのフィルムテーブルはいずれもポジスライドフィルムが登録されていて、ネガのモノクロフィルムは見当たらないが(上位機種のHR-6000のテーブルにはFuji Neopan 100やKodak TMAX 100が登録されているようだ)、KonicaDyna Ex100のテーブルがこの露光で使えることも判明。R, G, Bの配分やガウス補正等のパラメータは初期値のまま。モノクロームなりの特性に応じて変えるべきだろうが、この辺りは未だ機序を理解していないので手をつけなかった。

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Lucky II-C(引き伸ばしレンズ:Fujinar-E75mmF4.5)に30WのSMD UV光源を組み合わせてのプリント(vif Art (B5 H.P. surface) paper):

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(ジャスミン茶でトーニング)

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伝説の女優が35mmフィルムで蘇った。今回のフィルム出力では別の嬉しい発見があった。それは次回。

(おわり)

posted by ihagee at 03:35| サイアノタイプ

2019年07月27日

サイアノタイプ - その85(引き伸ばし機)



Lucky II-C(引き伸ばしレンズ:Fujinar-E75mmF4.5)に30WのSMD UV光源を組み合わせてのプリントの続き。

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光源の位置が今ひとつ悪く、UV光が均一にイーゼルに当たらない。乾板用ハンザ特許引き伸ばし機 で施したように百均の紙筒(パーティボックス)から光源を吊るす形式に変更し問題は解消。

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ネイティブ・アメリカンを撮影した35mmフィルム (eBayで購入)を使ってプリントを行う。

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(露光中・室内灯下で確認可能)

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ウィンザー&ニュートン コットマン パッド 細目(B5・豆乳で下引した上に感光剤を塗布したもの)で3枚プリントを行った(各々露光時間は五時間)。

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1枚目はジャスミン茶でトーニング、2枚目は緑茶、3枚目はトーニング無(オキシドール浴のみ)。被写体の皺まで細かに表すことができた。

気を良くして同じく35mmフィルム(これもeBayで購入 )でプリント。

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1970年代の丸ノ内線駅構内のスナップ。フィルム のパーフォレーションごとプリント(トーニング無)。

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ちなみに、最初の3枚の作例は「ネイティブ・アメリカン」で「インディアン」ではない。「インディアン」とは支配者の原住民に対する呼び方だからだ。「インディアン」は一義にインド人の意味だが、そのインド人という民族も実は存在しない。ヒンディやタミルなどインド大陸にはじつに多くの民族・宗教が存在する。

(おわり)


posted by ihagee at 13:32| サイアノタイプ