2017年02月08日

サイアノタイプ - その7(サイアノタイプ・ムービー)


以下、すでに掲載した記事の再掲(デジタル・ネガから大きめのプリントを作成し直して、再度動画を作成)。

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サイアノタイプの続き。

去年ミラーレスカメラ(SONY NEX-3 & Carl Zeiss Tesser 35mm)で撮影したデジタルムービーを任意のフレームレートにて静止画に変換、フレームをデジタル・ネガにしサイアノタイププリントを作成した(50Wのユニットで露光時間約3分)。つまり、映画のフレームをサイアノタイププリントで作ったことになる。

CIMG4230.jpg

焼き付けには中華製のUV露光ユニットを用いた。

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フレーム毎にスキャンしiMovieを用いて合成すると、サイアノタイプ・ムービーの出来上がり。結果をYouTubeにアップした。vif Art画用紙(F2)を4枚使ったサイアノタイププリントで32フレーム分。つなげて動画にすると数秒にも満たないので数回ループして動画を作成した。


(動画中の制作過程を説明する写真は前回のまま)

Kine Exactaに付いていたCarl Zeiss Tesser 35mmはF3.5と暗いレンズなので元の動画もコントラスが低め。従って、サイアノタイプ・ムービーも粗いテクスチャーとなっている。

8mmフィルム映画もどきは案外楽しい。明暗のはっきりした動画(できれば8mm フィルム)を素材にすればもっと解像度が上がるだろう。またチャレンジしてみたい。

(おわり)

posted by ihagee at 01:32| サイアノタイプ

2017年02月05日

サイアノタイプ - その6


サイアノタイプの続き。本日(2月4日)も好天だったので、お日様相手に朝からサイアノタイプのトライアル。
世界堂で購入したvif Art画用紙(F2)を用いた(一冊千円程度)。水彩画用で表面の肌が細かく厚みがある。

CIMG4221.jpg

細目のこの画用紙は強めにサイジングされているので、サイアノ感光液を少し弾く。丁寧に塗布する必要がある。

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デジタル・ネガ作成に用いるインクジェットプリンタ対応のフィルムは前回まで量販店で売られているプラスのインクジェット用OHPフィルムを用いていた。A410枚で1300円と安くない。トレーから用紙を折り返して印刷する形式の我が家のブラザーのプリンタ(複合機)と相性が悪いらしく、フィルムが薄い為か滑ってローディングされない(普通紙をある程度トレーに入れた上にフィルムを載せるとロードされるが、普通紙まで一緒にローディングされるなど不安定)。

PICTORICOのデジタル・ネガフィルムが至極評判が良いのだが値段がものすごく高い。同等品はないものかと探したところ、米国eBayで米国FIXXONS社のデジタル・ネガフィルムが売られていた。PICTORICO同等品との宣伝。8.5" x 11" (約22cm x 28cm)の大きさ・100枚で3000円程度。フィードバックされた評価・評判もまずまずなので購入した。

到着したフィルムは印刷面が薄い乳白色で前述のプラスのOHPフィルムと比較して厚みがある。ブラザーのプリンタとの相性も良く、トレーに一枚だけ入れても問題なくロードされる。印刷結果も良いようだ。

CIMG4216.jpg

デジタル・ネガ作成に当たって、画像編集ソフト上でオレンジ色のレイヤー(透明度40%)を反転した画像に重ねて印刷すると、細かなディテールを印画紙上に再現することができるとネット上に情報があった。ここで使われているソフトはAdobeのPhotoshopのようだが、私は持ち合わせていないので無料のオンラインで画像編集が可能なPIXLAR EDITORを用いて、一枚だけ試しにその通りのデジタル・ネガを作成してみた。

CIMG4218.jpg

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露光時間は太陽光の下4分で最適だった。3分の砂時計を一回ひっくり返してちょっとの時間。水洗を十分行った後、オキシドールをスプレーし再び水洗。新聞紙の上に載せて半乾きの状態で水性ニスを薄く塗布した。

CIMG4217.jpg
(オレンジのレイヤーを重ねたデジタル・ネガを密着焼したサイアノタイプ)

結果は以下の通り。

Cyanotype_station.jpg

比較(元写真:フレクサレットIV(Flexaret IV)):
meopta-flexaret-iv-belar-f80mm-kodak-tri-x-400-location-asaka-shi-saitama-japan-january-2-2017_32352773612_o.jpg

31899461593_f2283c0f3d_k.jpg

比較(元写真:Rolleiflex SL66にCarl Zeiss S-Planar (1:5.6 f=120mm)):
rolleiflex-sl66-with-ttl-meter-finder--filmed-by-carl-zeiss-s-planar-156-f120mm--kodak-tri-x-400-partly-transfer-processed--tokyo-bayside-park-tsubasa-koen-near-haneda-airport-may-6-2016_26953442906_o.jpg

32712337355_3cc49a3ffe_k.jpg

比較(前回の結果: どこでも売られている画用紙)
cyanotype-printing-using-a-digital-negative-of-my-mother--original-photo-taken-in-1950s--jacquard-sensitizer-kit_32303272152_o.jpg

おまけ(元写真:ブロンズ像のデジタル画像)
img004_cyano.jpg

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最初の例がオレンジレイヤーを重ねたデジタル・ネガからの結果だが、元がコントラストの低い写真だったので違いが判りづらい。別の写真を用いて再度トライアルしてみたいと思う。
細目の水彩画用紙に替えたのは私にとっては正解だった。紙の表面のテクスチャー(凹凸)によるサイアノ感光剤の定着ムラがなくほぼ均一に焼付けることができる。ただし、サイジングされた紙なので感光液を塗る際に執拗に筆を動かすと紙の細かな繊維が浮き出すようだ。紙によって発色が異なることが確認できた(vif Artは発色を調整する加工がされているようだ)。

(おわり)
posted by ihagee at 10:59| サイアノタイプ

2017年01月22日

サイアノタイプ - その5


本日も好天だったので、お日様相手に朝からサイアノタイプのトライアル。
今度はゼラチンを加えず印画紙を作成。露光時間は4分で最適だった。3分の砂時計を一回ひっくり返してちょっとの時間。

CIMG4195.jpg

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CIMG4199.jpg
(新聞紙の上で半乾きの状態で水性ニスを平筆で塗る・乾燥させてから塗ると反るので半乾きが良いようだ)

以下、結果。

cyanotype-printing-using-a-digital-negative-of-my-mother--original-photo-taken-in-1950s--jacquard-sensitizer-kit_32303272152_o.jpg
(1950年代の母の若いころの写真が元・ビニルのレインコートと傘で影になった顔の階調を共に表現することは難しい)

cyanotype-printing-using-a-digital-negative-of-my-motherleft--original-photo-taken-in-1950s--jacquard-sensitizer-kit_32303236972_o.jpg
(同じ頃の母=左側、の写真が元)

cyanotype-printing-using-a-digital-negative-of-my-father-in-his-childhood-original-photo-taken-in-1920s--jacquard-sensitizer-kit_31611113604_o.jpg
(1920年代・幼少の頃の父の写真が元)

cyanotype-printing-using-a-digital-negative-of-my-great-grandfather-original-photo-taken-in-1920s--jacquard-sensitizer-kit_31642712733_o.jpg
(1920年代・3代前の曽祖父の写真が元・明暗を強調してデジタル・ネガを作成した)

cyanotype-printing-jacquard-sensitizer-kit_31642734183_o.jpg
(そして、昨年撮影したフィルム写真(「フレクサレットIV(Flexaret IV )の試し撮り」)を元に作成・昨日の結果よりも良いように思える)

cyanotype-printing-using-a-digital-negative-of-my-grandmother-original-picture-taken-in-2002--jacquard-sensitizer-kit_31642720053_o.jpg
(祖母の写真(2003年)が元。こちらも昨日のリベンジ)

ディテールが欲しい顔の部分で紙の目の粗さが気になった。元々、階調の幅が狭く緻密な表現を求めるには限界があるサイアノタイプだが、紙の選択によって改善される余地がある。ファブリアーノ水彩紙(Fabriano aquarell paper)の坪量200gのものが良いと聞いたので画材店で探してみようと思う。トーニングはその次の課題。

(おわり)

追記:先にゼラチンを液剤に混ぜて画用紙に塗布した場合の難点を述べたが、ゼラチンが液剤と紙の繊維とのバインダーとなって、上手く乾燥させれば(そうすれば、水洗中に粒状に浮き上がるゼラチンも乾燥と共に紙に再び馴染むようである)却ってゼラチンを加えない場合よりもディテールは良いことが判った。紙の目の粗さやサイジングの程度によってゼラチンの定着の改善は図れるかもしれない。再度トライしてみたい。
posted by ihagee at 15:50| サイアノタイプ