大晦日となった。
本ブログについて、今年は新年の挨拶以降、記事を更新をしなかった。
公私共々慌ただしいことばかりで落ち着いて記事を書く時間がなかったこと、本ブログのテーマたるアナログフィルム撮影をついに断念したことがその言い訳である。
後者については私の懐事情が影響している。
生フィルム(ネガ)の高騰が甚だしく、たとえば富士フィルムのネオパン100 ACROSII 35mmサイズ(36枚撮り)は数年前まではオープンプライスで1,000円/本であったのが今は軽く2,000円を超え、高どまりの気配さえない。近頃の新車価格と同じく内需ではなく外需要因によってプライスが設定されるからだろう。これではよほどの道楽者でない限り気軽に手を出すことはできない。私にとって未だ「実用品」であったフィルムがあっという間に贅沢品となってしまい、フィルムを以て本ブログの物種を撒くことができないとあれば、Film photographyなる看板を降ろさざるを得ないと、何とも忸怩たる思いのまま一年が経ってしまったわけである。
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他方、別項のバーチャルネガはこの一年で機材を改良し経験値を積み上げたこともあってかなりの進展をみた。
モノクローム専用設計の6.08" LCD(Duobond)上のネガ像をUV光源で印画紙に投影・感光させるバーチャルネガでは、従来、15cm口径・二枚構成のコンデンサレンズで UV光を集光しネガを透過させていたが、光源から引伸レンズまでの光路長に比してコンデンサレンズの口径が小さく、光路上、LCD上のネガ像の四隅がケラれる問題があった。そこでSimon Omega D2 用の16.5cm口径コンデンサレンズをEbayから入手し、昭和11年(1936)製乾板用ハンザ特許引き伸ばし機をベースにバーチャルネガ用の引き伸ばし機を一台作製した。LPL Model 7451に続く2番機となる。通常、大判フィルムの引き伸ばし機では変倍機構に巨大な傾斜支柱を採用するが、それでは設置場所が制約されてしまうので、中判フィルム以下の引き伸ばし機の変倍機構に採用されているパンタグラフを120フィルム用引き伸ばし機(Lucky Model II-c)から転用した。この2番機で上述の問題は解消した。
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引き伸ばし機を使ったサイアノタイプ(またはヴァンダイク)プリントではバーチャルネガを採用する前は、フィルム レコーダ(デジ→アナ)で作製したアナログフィルムまたはアナログカメラで撮影したアナログフィルム(さらに写真乾板)がネガ元だったが、バーチャルネガとなってからは、デジタルイメージをポジネガ反転したものであれば良く、自分のiPhoneで撮影した写真かまたはPexels上の著作権フリーの画像を使うようになった。レンズはFujinon ES 105mm f/4.5)を用いている。
(Cotman B5サイズ中目、サイアノタイプ:トーニング有、露光時間8時間、画像:Chris F on Pexels)
(Cotman B5サイズ中目、サイアノタイプ:トーニング有、露光時間8時間、画像: Skyler Ewing on Pexels)
印画紙となる水彩画紙も従来のCotmanではなく、より上質で坪量が高い英国製AVALON water colour (AVB-SM, 300g/m2) に変えてみた。サイアノタイプの発色およびコントラストがCotmanと比して良くなった。
(AVB-SM、サイアノタイプ:トーニング無、露光時間8時間、Skyler Ewing on Pexels)
(AVB-SM、サイアノタイプ:トーニング無、露光時間8時間、Chiara S on Pexels)
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今年のベストショット:
(Cotman B5サイズ中目、サイアノタイプ:トーニング有、露光時間8時間)
iPhone 14で撮影した愛機 Voigtländer Superb(1933年製前期型・Skopar 75mm F/3.5)のバーチャルネガでのプリントとなる。入出力共にアナログに拘ることが遂に今年はできず、引き伸ばし機とサイアノタイプからなるプリント過程でどうにかアナログであると、これまた言い訳がましく、被写体にまで睨まれているような自選である。
(おわり)