2017年04月05日

Voigtländer Superb 顛末記 - その7



90471_Voigtlander.jpg

ビューレンズをドナーとして提供した後期型のVoigtländer Superbも復活させようということで、スプリット入りのブライトスクリーン販売を手がけているRick Olesonに注文していたスクリーンが届いた。送料込みUS80$。
イラスト入りの懇切丁寧な説明書と寸分違わずカットアウトされたスクリーンが同梱されている。

CIMG4310.JPG

CIMG4312.JPG

ミラー(表面鏡)はカットアウトされた新品が一枚手元にあるので、あとはeBayドイツ(出品者はスロヴァキア在住)からジャンクのVoigtländer Superb(前期型)の到着を待つのみ。

superb3.png
(到着予定のジャンクのVoigtländer Superb(前期型))

ビューレンズが揃えば復元作業に取り掛かるつもりである。

CIMG4297.JPG

(おわり)

posted by ihagee at 18:11| Voigtländer Superb

2017年03月31日

Voigtländer Superb 顛末記 - その6


Superb.jpeg

Voigtländer Superbが復活し、Kodak Tri-X 400を詰めて今日仕事帰りに四谷付近を撮影してみた(3月24日)。
その撮影結果は以下の通り(Scanner: Epson GT-X980)。

voigtlnder-superb-1933--skopar-75mm-f35-with-y-filter--kodak-tri-x-400-location-yotsuya-tokyo-japan-march-24-2017_32911131424_o.jpg

voigtlnder-superb-1933--skopar-75mm-f35-with-y-filter--kodak-tri-x-400-location-yotsuya-tokyo-japan-march-24-2017_32911140804_o.jpg

voigtlnder-superb-1933--skopar-75mm-f35-with-y-filter--kodak-tri-x-400-location-yotsuya-tokyo-japan-march-24-2017_32911156174_o.jpg

voigtlnder-superb-1933--skopar-75mm-f35-with-y-filter--kodak-tri-x-400-location-yotsuya-tokyo-japan-march-24-2017_32941053543_o.jpg

voigtlnder-superb-1933--skopar-75mm-f35-with-y-filter--kodak-tri-x-400-location-yotsuya-tokyo-japan-march-24-2017_32941143263_o.jpg

voigtlnder-superb-1933--skopar-75mm-f35-with-y-filter--kodak-tri-x-400-location-yotsuya-tokyo-japan-march-24-2017_33369499280_o.jpg

voigtlnder-superb-1933--skopar-75mm-f35-with-y-filter--kodak-tri-x-400-location-yotsuya-tokyo-japan-march-24-2017_33625023801_o.jpg

voigtlnder-superb-1933--skopar-75mm-f35-with-y-filter--kodak-tri-x-400-location-yotsuya-tokyo-japan-march-24-2017_33713302736_o.jpg

voigtlnder-superb-1933--skopar-75mm-f35-with-y-filter--kodak-tri-x-400-location-yotsuya-tokyo-japan-march-24-2017_33713311936_o.jpg

----

Skopar 75mm F/3.5 は驚くべき描写力を示してくれた(当日は純正のレンズフードとYフィルターをカメラに装着、f8の1/100で概ね撮影した)。このカメラの前のオーナーが色々と手を入れていた意味がわかったような気がする。特に効果的だと思われるのは、特別あつらえのプレッシャープレートだろう。

superb4.jpg

Voigtländer Superbの泣き所はプレッシャープレートでフィルムの全面を押さえた両端で直角に曲げて搬送する機構にある。フィルム(撮像)に傷がつきやすい。ところが、このカメラのプレッシャープレートはフィルムの両端だけに当接しそれぞれ外側に引っ張りながら抑え込むので傷がつかないのである。またフィルム面がピンと張った状態を保つので平坦性にも優れている。フィルムを送り出す側のローラがわざと外してあったがこれも前のオーナーが最適を見出しての工夫なのだろう。

逆光でかなり無理な設定で撮影したが、さすがはローライフレックスと一時は覇権を争ったライバルだけあって破綻がない。Flexaret IVと比較してもその差は明瞭だった。84年前のカメラの目はしっかりと今を捉えてくれた。

(おわり)

追記:
『カメラにも「オーラ」というものがある。いつかこのカメラのオーラに襲われてみたいと思う。』(拙稿「功芳さん」)
その喩えの元となったクナッパーツブッシュの「英雄」からオーラを再確認。


(Hans Knappertsbusch conducts Beethoven's "Eroica" finale (1944))


posted by ihagee at 22:07| Voigtländer Superb

2017年03月28日

Voigtländer Superb 顛末記 - その5


ビューレンズをドナーとして提供した後期型のVoigtländer Superb。

CIMG4284.JPG
(左:復活した前期型、右:後期型)

おかげで前期型が復活したのは前回まで記事に掲載した通り。

その後期型を分解清掃してみた。汚れ、スクリーン割れ、ミラー腐食など内部は経年相応の状態になっていた。やはり開けてみなければわからない。カウンタは歯車が油切れを起こし戻りが悪くなっていたので、清掃の上注油し復活。パララックスのメカ部分も清掃し同様に注油したら動きがスムーズになった。腐食したミラーを取り除く。幸いミラー(表面鏡)は新品が一枚手元にあるので交換できそうだ。

CIMG4297.JPG

CIMG4298.JPG

80年前のスクリーンは単なる磨りガラスなので、スプリット入りのブライトスクリーン販売を手がけているRick Olesonにメールで寸法(「Voigtländer Superb 顛末記 - その2」記事参照)などを知らせたらカット可能と返事。送料込みUS80$である。さっそくオーダーしようと思う。

ビューレンズをさらに調達しなければならないと思っていたところ、ジャンクの前期型Voigtländer SuperbがeBayドイツで売りに出されていた。

superb3.png

部品取り用で凄まじい状態だが、ビューレンズはバレルごとなんとか使えそうなのでこれもオーダーした。ミイラ取りが次々ミイラになっていく感があるが、さすがにこのミイラは蘇りそうもない。こういうミイラ探しにのめり込む自分が少し怖くなる。

(おわり)

posted by ihagee at 02:40| Voigtländer Superb