2018年01月18日

Voigtländer Superb 顛末記 - その18



Voigtländer Superb(1933年製前期型)とZeiss Ikon (VEB) Tenax 1を持って、羽田空港に面した城南島海浜公園に出かけた(2018年1月13日)。SuperbにはKodak Tri-X 400、Tenax 1にはFujicolor 100を詰めた。城南島海浜公園はRolleiflex SL66で2016年5月6日に撮影している(「Rolleiflex SL66・Kodak TRI-X 400・Carl Zeiss S-Planar (1:5.6 f=120mm)」)。

CIMG4399.JPG


今回はSuperbでの撮影結果の報告。純正のフードとYフィルターにセコニックの露出計を使った。

城南島界隈(京浜運河)も2020年東京五輪に向けて再開発中なのかあちこちで槌音が響いていた。

Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Jonan-jima (Jonan-island) park (near Haneda International Airport), Tokyo, Japan, January 13, 2018


リサイクルセンターやらコンクリート工場もある。

Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Jonan-jima (Jonan-island) park (near Haneda International Airport), Tokyo, Japan, January 13, 2018


Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Jonan-jima (Jonan-island) park (near Haneda International Airport), Tokyo, Japan, January 13, 2018


真冬でも海風はなぜか心地よい。頭上すれすれに羽田から離陸した飛行機が通過するが、二眼レフで追うのは無理があった。

Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Jonan-jima (Jonan-island) park (near Haneda International Airport), Tokyo, Japan, January 13, 2018


飛行場を正面にみる場所にはカメラを抱えた人々が離陸の瞬間をうかがっていた。アナログカメラは私だけ。

Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Jonan-jima (Jonan-island) park (near Haneda International Airport), Tokyo, Japan, January 13, 2018


波打ち際に犬を散歩させる人も多い。

Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Jonan-jima (Jonan-island) park (near Haneda International Airport), Tokyo, Japan, January 13, 2018


Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Jonan-jima (Jonan-island) park (near Haneda International Airport), Tokyo, Japan, January 13, 2018


クローズアップレンズ(Voigtländer W/w FOCAR 30)で朽木を撮影してみた。

Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Jonan-jima (Jonan-island) park (near Haneda International Airport), Tokyo, Japan, January 13, 2018


SuperbのSkopar レンズ(75mm F/3.5)は逆光でも破綻しない。 フレクサレットIV(Flexaret IV)の80mmのBelarレンズではこうはいかない(拙稿「フレクサレットIV(Flexaret IV)・ 吉祥寺」)。

Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Jonan-jima (Jonan-island) park (near Haneda International Airport), Tokyo, Japan, January 13, 2018


Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Jonan-jima (Jonan-island) park (near Haneda International Airport), Tokyo, Japan, January 13, 2018


人口の砂浜とはいえどもコンクリートで埋め尽くされた東京にとってはオアシス。空も海も地平線まで広がって気持ちが晴れ晴れする。

Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Jonan-jima (Jonan-island) park (near Haneda International Airport), Tokyo, Japan, January 13, 2018


夕陽が波間を煌めかせて12枚目を撮り終えた。

Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Jonan-jima (Jonan-island) park (near Haneda International Airport), Tokyo, Japan, January 13, 2018


----

次回はZeiss Ikon (VEB) Tenax 1でのスナップを掲載したい。

(おわり)



posted by ihagee at 21:24| Voigtländer Superb

2018年01月13日

Voigtländer Superb 顛末記 - その17



1933年製(前期型)Voigtländer Superb (Skopar 75mm F/3.5)を携えモノクローム(フィルム:Kodak Kodak TRI-X 400 & Y-filter)で二泊の撮影旅行(2018年1月6, 7日撮影)。

rolleiflex-sl66-with-homemade-lens-using-a-x2-magnifier-lens-lomography-redscale-xr-50-200--location-nikko-tochigi-pref-january-7-2017_31558198084_o.jpg


昨年も同じ時期に撮影旅行を行っている(Rolleiflex SL66 - 日光の旅(その1))。昨年は雪一つない暖冬だったが、今年は厳冬。夏タイヤの車で出かけたので降雪と路面凍結が心配だったが幸い杞憂で済んだ(そうは言っても南ヶ丘牧場に向かう道は日陰の寝雪がアイスバーン状で何度もタイヤを滑らせてヒヤリとした)。

両日とも好天で日光と那須(南ヶ丘牧場)で撮影を試みた。南ヶ丘牧場は昨年の5月に撮影に訪れている(Rolleiflex SL66 - 風薫る那須高原)。

先ずは日光での撮影結果。

東照宮に比べるとやや地味な二荒山神社にも外国人観光客が大勢訪れていた。

Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Nikko, Tochigi, Japan, January 6, 2018


Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Nikko, Tochigi, Japan, January 6, 2018


Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Nikko, Tochigi, Japan, January 6, 2018


金谷ホテルを裏手から撮影。

Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Nikko, Tochigi, Japan, January 6, 2018


参道沿いの商店街。あまり活気がない。

Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Nikko, Tochigi, Japan, January 6, 2018


Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Nikko, Tochigi, Japan, January 6, 2018


----

那須(南ヶ丘牧場)での撮影結果。昨年閉園間際の赤城高原クローネンベルクを訪れ、客足が絶え鞍を外したまま物憂げに草を喰む馬を見ただけに(招き猫の誘惑(Tenax 1)その7)、南ヶ丘牧場の活気にはホットした。

Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Nasu, Tochigi, Japan, January 7, 2018


Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Nasu, Tochigi, Japan, January 7, 2018


Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Nasu, Tochigi, Japan, January 7, 2018


----

陽が傾き始めた頃、那須森のビール園の入り口の花壇にクリスマスローズを見つけて撮影。クローズアップレンズ(Voigtländer W/w FOCAR 30)を使ってみた。ここはその昔、銀河高原ビール園として大変賑わっていた頃(20年ほど前)を知っているが今はその賑わいはない。なぜだろうか?

Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Nasu, Tochigi, Japan, January 7, 2018


逆光で同じ花を撮ってみた。

Voigtländer Superb (1933),  Skopar 75mm F/3.5 with Y filter,  Kodak TRI-X 400, Location: Nasu, Tochigi, Japan, January 7, 2018


----

今年で85歳となるVoigtländer Superb。新年早々初仕事。ご苦労さまでした。

(おわり)


posted by ihagee at 21:26| Voigtländer Superb

2017年10月23日

Voigtländer Superb 顛末記 - その16



Voigtländer Superb (Skopar 75mm F/3.5)で撮影したフィルムを再度スキャンし直し(Scanner: Epson GT-X980)、トリミングとトーニングを施してみた。

CIMG4399.JPG


----

superb - 1.jpg


superb - 2.jpg


superb - 3.jpg


superb - 4.jpg


----

上掲のようにトーニングはデジタル処理のエフェクトで簡単に付加できるがやはり不自然感は拭えない。本来フィルムでのトーニングはフィルムを現像する際、またはパライダ紙に焼き付ける際の物理的色付けでありその程度の幅は一律でない。フィルムと感光紙を要素とする化学反応という複雑且つ一回性のプロセスで生まれる色合いに勝るものはない。フィルム自体に演出を行うのなら、カラーフィルターを装着するか、レッドスケールフィルムを露出オーバーで撮影するとノスタルジックな色合いになる。

以下、レッドスケールでの作例(フィルム:Lomography Redscale XR 50 - 200 カメラ:Bencini Koroll 24 S、Scanner: Epson GT-X980 エフェクトなどデジタル処理は一切加えていない):

koroll3.jpeg


bencini-koroll-24s--lomography-redscale-xr-50-200-location-karuizawa-prince-shopping-plaza-in-nagano-january-9-2016_24300571212_o.jpg


bencini-koroll-24s--lomography-redscale-xr-50-200-location-karuizawa-prince-shopping-plaza-in-nagano-january-9-2016_24326353041_o.jpg


bencini-koroll-24s--lomography-redscale-xr-50-200-location-karuizawa-prince-shopping-plaza-in-nagano-january-9-2016_24113150250_o.jpg


----

スキャンの時点でデジタル処理じゃないかと言われればその通りだが、少なくともフィルムになるまでのプロセスはアナログである。つまり人間の意識が働かなくてはならないプロセスがそこにはある。デジタル撮影よりも高揚感・達成感があるのも意識が働くからだろう。

----

人間の意識が働くことを省略化・単純化するのがデジタル社会。それにどっぷり浸かるということは、その人の思考も行動様式も割り切り・単純化されていくということである。あるかないか・白か黒かの二元論はとても判りやすい。右か左かという政治イデオロギーと同じで勝ち馬の側に乗れば他者を意識する必要がなくなる。「こんな人たち(には負けない)」とか<排除の論理>はこの割り切り・単純化の際たるものだ。しかし、人間社会そんな簡単に割り切れるものではないし、生身の体は正直にアナログのままである。遺伝も細胞分裂も排泄も老化も生死も全てありのままでしかない。二元論など通用する筈がない。「トロッコ問題」に代表されるようにAI技術を入れたところで同じだ(拙稿『「AI本格稼動社会」への大いなる懸念』)。脊髄反射的なわかりやすさにかまけて、論理的思考を停止する危険性がある。ありのままを素直に語るよりもバラ色のスローガンや五輪といったプロパガンダの花火に無意識に惹かれる人々が増える。ありのままとは、この国が抱え込んできた様々な社会問題である。それを素直に語るということは本来地味な政治を志向することになる。複雑且つ難しい論考をしなければならない。負(マイナス)は負として国民に正直に語る政治・議論や論理を尽くす政治を安倍政権は否定する。福島の事故原発、国の財政問題や国民年金など、サラッと虚飾・粉飾をすべきことではない。

このように、ありのままを素直に語れる社会がどんどん遠のいていくような気がしてならない。その反対に大政翼賛的な大義のためなら全員右を向かなくてはならない<いつか来た道>の社会に戻っている。歴史はその先に何が到来するかはっきり示している。歴史に学ぼうとしない愚民になってはならない(拙稿「私たちはどこまで階段を登っていますか?」)。安倍政権支持層のコアは生まれた時からデジタル社会・バーチャリティに囲まれて育った若い世代(10〜20才台)だとも言われている。安倍政権がデジタル媒体を積極的に用いるのも当然だろう。都合が悪くなるとリセットボタンを押しまくる。「未来志向」なる言葉で過去から積み上げてきた議論や認識をバッサリと切り捨てて構わないとする論考のない政治。バーチャルで思いつき的ゲーム感覚の政治。その政治にデジタル社会・バーチャリティは格好の培地なのだろう。その培地で育つ世代はある意味で時代の申し子だろうが、その結果が近い将来身に降りかかるのは自分たちだと彼らは認識していない。安倍首相は「全ての子供達の幼稚園や保育園の費用を無償化」を消費税引き上げの使途とする選挙公約をしている。子供達のためだといいながら、子供達を含む将来世代の財布からカネを無心するに過ぎない。財政問題の将来へのツケ送りの為の方便として将来世代が使われているだけのことだと、若者たちは気づかないところに悲劇がある。気づかせない政権の狡猾さがある。欧米の先進国なら世代間でしっかり話し合うべきことを、我が国では何も行っていない。廃炉に向けた脱原発は本来、将来世代が現世代に強硬に要求すべきことである。現世代が経済的恩恵を原発に受けたのであれば、現世代でその片付けを始めるのは当然の責任論だ。将来世代は現世代の責任を指摘しなければダメだろう。五輪を開催するカネがあるのならその責任に費やすべきだ。首都圏の経済的繁栄のために福島に置かれた原発の事故である。なのに、福島を踏み台にして(「アンダーコントロール」)尚も五輪で首都圏の経済再生を図るその傲岸不遜に呆れるばかりである。ドイツでは社会倫理として現世代の果たすべき責任論から脱原発に政策を転換した。責任なき現世代を象徴するのが安倍政権と言っても決して過言ではない。

(おわり)







posted by ihagee at 19:29| Voigtländer Superb