2016年09月18日

フレクサレットIV(Flexaret IV )不具合

フレクサレットIV(Flexaret IV)。前回はモノクロームフィルムで試写したが、今回はカラーフィルムを詰めて試写に出かけた。

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さて、いざ1枚目を撮影しようとシャッターをチャージしたものの、シャッターレバーが下りない。
フィルムは巻き上がっているので不具合が発生したと判断して帰宅。

フィルムは暗室で取り出し巻き直して再び使用できる状態にした。

カメラは早速、巻き上げノブのある側面を開けて内部を点検した。巻き上げノブを取り外し、化粧革の周囲をめくって隠れネジを数カ所外せば内部にアクセスできる。フレクサレットIV(Flexaret IV)の機械部分は単純(合理的)な構造なので、不具合の箇所は簡単に特定できた。巻き上げノブと連動するシャッターレバー側の細いワイヤー状のバネ先が所定のかかり位置から外れていた。バネの押圧が弱くなっていたので少し調整した上で位置を直して元通り。不具合は解消した。巻き上げノブカウンター周りについては、写真で丁寧に説明したブログ記事があり大変参考になった。

これがRolleiflex SL66だったら青い顔になっていただろう。

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(フレクサレットIV(Flexaret IV): Kodak TRI-X400で撮影)

SL66で撮影中、突然フィルム巻き上げができなくなったら、巻き上げクランクの多重露出用のノッチを押してシャッターチャージをした上で遮光板を挿入しフィルムマガジンを外すことだ。経験上、この手の不具合の多くはフィルムマガジン側に起きる。マガジンを外してカメラ本体でシャッターチャージとフォーカルプレーンが動作することさえ確認できれば、一安心である。eBayでマガジン(中古)を入手することは可能だが手を出さない方が良い。少し高くても店舗で対応可能な国内のカメラ店から購入した方が良い。マガジンのちょっとした不具合がカメラの連通機構を壊してしまったら元も子もないからである。

Voigtländer Superbについては、別の意味で青い顔になったままである(これについてはいずれ記事にするつもり)。

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(今のところオブジェと化しているVoigtländer Superb)

(おわり)



posted by ihagee at 16:51| Flexaret IV

2016年09月13日

フレクサレットIV(Flexaret IV )の試し撮り

フレクサレットIV(Flexaret IV )の試し撮りをした結果。
場所:和光樹林公園、Kodak TRI-X400、Yフィルターとレンズフード使用(露出計携行)

反射防止のモルト施工をしたが、案の定モルトに毛足が有りすぎたのかフレームの周囲が多少ケラれてしまった。フィルムスキャン(EPSON GT-X980)の際にその部分はトリミングをした。反射防止の効果の程を確かめるにはもう少し試し撮りをする必要がありそうだ。開口部のモルトが干渉してケラれているので、その部分のモルトは除去しようと思う。

また、一コマだけ多重露光があった。シャッターチャージは手動でフィルムはノブ巻き上げだが(巻き止め有)、シャッターを切ればフィルムを巻き上げない限りシャッターレバーは降りない二重露光防止機構の筈だが、なぜか多重露光となっていた。フィルム巻き上げ→シャッターチャージ→シャッターレバーの順番を意識して行うしかない。このカメラの欠点としてはシャッターレバーが軽く、レバーに指をかけていると意図せずシャッターをきってしまう可能性がある。

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(多重露光の例・トリミングしていないので周囲のケラれも残っている)

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同日撮影に用いたRolleiflex SL66を被写体とした)

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SL66のPlanarと比較すれば(比較例)撮像は軟調だが雰囲気はある。もう少し絞っても良かったかもしれない。

(おわり)
posted by ihagee at 04:04| Flexaret IV

2016年09月04日

フレクサレットIV(Flexaret IV )の手入れ

フレクサレットIV(Flexaret IV )。

旧チェコスロヴァキア時代、東欧(正しくは中欧)共産圏の工業における優等生とされていた頃のフラッグシップには今もある人々にとっては郷愁に近い思い入れがあるようだ。



現存するフレクサレットのBelarレンズの殆どは表面に多少なりともスクラッチがあると言われている。コーティングの剥がれなのか、それともレンズ素材自体の問題なのかわからないが、幸い写りには影響しないらしい。わがフレクサレットIV(Flexaret IV )についても僅かにそれらしきスクラッチがあるが問題ないだろう。シアンブルーのコーティングは健在のようだ。

VI以降のモデルではフィルム室には内部反射防止のバッフル措置が施してあるが、IVにはない。ただでさえ逆光に弱くフレアを起こしやすいとされているBelarレンズなので、せめて内部反射は防ぎたい。そこで、後玉周辺のフィルム室内壁にモルトを貼ることにした。

モルトは厚さ1mmで接着テープ付のシート(250mmx125mm)をamazonから購入した。この市販のモルトシートは厚さ(毛足)が1mmから3mmまで幾つか種類があるが、遮光でなく反射防止が目的なので毛足が最も短いシートにした。届いたシートは光にかざすと表面がテカる。遮光目的のモルトだから反射防止には不向きなのかと思いつつも、フレクサレットIVに適用することにした。

モルトプレーン.jpg

フィルム室の内壁(4面)は開口部にむかって裾広がりの台形なので、コンパスで寸法をシートに写し取って、デザインナイフでカットして貼り込んだ。内壁は微妙に途中から角度がついている上、蓋の開け閉めと連動する金具の頭が開口部近くにあって、その辺りではシートが壁に追随しない。木工ボンドを使って固定した。後玉の周囲は細工が面倒なので今回は措置をしていない。

flexaretIV.jpg

フィルム面に接するレールは経年の僅かな汚れ(腐食?)、フィルム面と当接する壁の端部にも僅かに塗装の剥がれが見受けられた。いずれもフィルム面に何らか作用するものではないと思われたが、ここは速乾性の潤滑スプレー(ドライファストルブ)を綿棒の先に含ませてそれら箇所に適用してみた。速乾性でフィルムに液剤が及ぶことがない。

ドライファストルブ.jpg

ここまで措置して、Kodak TRI-X 400 フィルムを詰めて台風一過の晴れ間を狙って和光市の樹林公園に撮影に出かけた。Yフィルターとレンズフードに露出計が必携である。ExaktaやRolleiflex SL66といったSLRと勝手が違って二眼(TLR)はフレーミングが難しい。スクリーンもオリジナルのままで薄暗いのでかなり撮影には手こずった。

Flexaret_IV.jpg

撮影結果はいずれ報告。モルトの効果も確認できる(モルトのテカリが気になる。逆効果ならば剥がすことにする)。
(おわり)
posted by ihagee at 09:35| Flexaret IV