2018年03月16日

安倍首相が頻繁に会っていた「もうひとりの理財局長」





平成26年7月〜平成27年7月
迫田英典総括審議官(当時)、この間安倍首相と3回会談。
迫田氏は安倍首相と同じく山口出身。
平成27年7月
迫田英典氏、財務省理財局長に就任
平成27年9月3日
迫田理財局長(当時)、財務省の岡本薫明官房長とともに官邸入り。10分間、安倍首相と会談。
平成27年9月4日
近畿財務局は森友学園との間で、国有地のゴミ撤去費用の支払いや売却の直接交渉。
同日、安保法制で緊迫する国会会期中だったにも拘わらず、安倍首相は日帰りで大阪入り、近畿財務局と目と鼻の先の読売テレビの『情報ライブ ミヤネ屋』に生出演後、冬柴大氏(前職:りそな銀行高槻支店次長・冬柴元国交相次男)の料理店「かき鐵」で食事。国土交通省「平成27年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)の採択プロジェクトの決定について」にて、森友学園の瑞穂の國記念小學院の校舎及び体育館が選出され6200万円の補助金交付が決定。
この直後、りそなから森友学園に21億円の融資が決定(小学校建設がこの時点で決まっていた)。冬柴大氏が代表取締役を務める冬柴パートナーズ株式会社は業務内容にコンサルティング、助成金申請援助を含んでいる。問題のゴミ撤去額の算定をまず国土交通省の出先機関、大阪航空局が行ったことも「冬柴人脈(冬柴元国交相から始まる)」を考慮に入れれば納得がいく。大阪航空局にゴミの撤去額を計算させ(問題の土地は大阪航空局所管であるが、ゴミの撤去額の見積もりなど元々門外漢の航空局であれば、最初に本省から引く額を知らされていた可能性がある)、その後民間の不動産鑑定に出して土地の不動産価格を見積もったが、この不動産鑑定士は近畿財務局と随意契約の顔見知りの関係にあるとされている。

平成27年9月5日
安倍昭恵夫人が森友学園の経営する塚本幼稚園で講演。籠池理事長(当時)から小学校の名誉校長就任を請われ快諾。

なお、首相官邸HPでは平成27年9月4日〜9月6日の首相動静がなぜか欠落。

平成27年10月14日
平成27年12月15日
迫田理財局長(当時)、安倍首相と会合。
平成28年6月17日
迫田英典氏、第47代国税庁長官就任。

財務省主計局長や主税局長ではなく、傍流の国有地管理に関わる理財局長(迫田氏)と安倍首相は頻繁に会合していた。安倍政権では(第二次〜現在)、その傍流たる理財局長から直近にかけて四代続けて国税庁長官が生まれているのも理財局長としての一連の論功行賞なのか?財務省理財局の管理業務、国債、財政投融資、国有財産のうち、国有財産(の払い下げ)について安倍首相は個人的に異常な関心を示しその通り首相夫妻のお友だちに便宜を諮る「特例」が働いている。

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「森友疑惑の核心は谷査恵子と迫田英典の両氏、佐川は疑似餌に過ぎず」との記事も有り(世相を斬る あいば達也)。

佐川理財局長(当時)と決済原本改竄のみに目を向けていると、来週の国会証言で佐川氏が一人罪を被れば改竄がらみの官邸(安倍首相)の直接的関与は否定されてしまう。官邸はそういうシナリオを描き佐川氏もおそらくその通りの証言しかしないと思われる(自民西田議員の提唱する「佐川事件」化、または義家元文科副大臣の提唱する「麻生財務大臣冒涜事件」化で、佐川氏と財務省が主犯で官邸・首相・財務大臣は無関係化または被害者化)。間接的な「忖度」での道義的責任などは安倍首相がいつもの通り「責任を痛感する」と口先だけで言い逃れ、首相本人の進退問題には発展しにくい(世論は許さないが)。なお、公文書改竄は公文書全体への国民の信頼を失墜させ「国民の知る権利」を侵すばかりか民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源を毀損する国家の危機であるが、それは森友問題の核心ではない

森友問題の核心は国有地払い下げ問題にある。すなわち、9億5600万円と当初評価された国有地を財務省が8億1900万円値引きし、さらに1億3200円を補助、実質200万円というタダ同然で学校法人「森友学園」に売り渡した不当な払い下げであり、その過程に安倍首相が関与している疑惑である。この疑惑については平成27年の時系列を外してはならない。この時系列では佐川氏の前任の理財局長・迫田英典氏がキーパースンだろう。安倍首相が同氏と密接にコンタクトを取っていたのも平成27年の時系列で明白

「特例」たるは「忖度(決済原本改竄)」である以前に、安倍首相=迫田理財局長(当時)の指示連絡系統にあったと疑い、迫田氏の国会への証人喚問が必要だ。「忖度」では安倍首相の(間接)関与はせいぜい道義的責任しか問えないが、「指示」であれば直接関与=法的責任(財政法第9条違反など)となり次元が全く異なるからだ。森友学園に便宜供与を諮るために行った国有地払い下げの不当な値引きこそ、安倍首相が直接関与した結果の「特例」である可能性が高いからだ(それこそ「安倍晋三事件」)。


財政法第9条 国の財産は、法律に基く場合を除く外、これを交換しその他支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。
第2項 国の財産は、常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に応じて、最も効率的に、これを運用しなければならない。

もう一つの指示系統は、(安倍首相=今井尚哉・総理首席秘書官=)谷査恵子氏・安倍昭恵夫人=田村嘉啓・財務省国有財産審理室長(谷氏が官邸からファクスで田村室長に問い合わせた件)で、これはコンタクトを裏付けるメモなどの物証が財務省側から出れば裏付けられるが、それは期待薄だろう。昭恵夫人と谷氏の国会への証人喚問が必要である(こちらのルートは「アッキード事件」)。

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なお、迫田英典氏は平成29年7月財務省退職後、TMI総合法律事務所顧問。同事務所は2020東京オリンピック・パラリンピックの公式エンブレムに関して商標登録調査・出願手続を概ね担っている。旧エンブレム(佐野研二郎氏デザイン)では商標調査、登録費用約3100万円(実費も含む?)が大会組織委員会から手続を代理した事務所に支払われていることから、新エンブレム(野老朝雄氏デザイン)でもほぼ同額の支払いがあったと想定される。いかなる経緯で同事務所が手続代理人として選ばれ、またその費用は妥当な額であるのか(全区分全商品で登録する必要があるのか等)・・使う予定のない旧エンブレム(佐野研二郎氏デザイン)は出願取り消しもされず、そのまま登録となり登録料など費用が払われている・・

(おわり)

posted by ihagee at 22:24| 政治

2018年03月15日

菅官房長の発言が改竄の教唆となったのか



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朝日新聞(2018年3月14日朝刊)は森友文書問題を時系列に詳報。その中でも以下の経緯(下線部)は重要である。

平成29年2月9日:
朝日新聞が学園側への不透明な国有地売却を報じた。国会で野党の追及が始まった。安倍首相は関与を否定する。
平成29年2月17日:
「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と安倍首相は国会答弁で言い切った。
平成29年2月24日:
 佐川宣寿理財局長(当時)、国会で「不当な働きかけは一切なかった」とし、学園との交渉記録は「速やかに廃棄した」と答弁。同じ日の記者会見で、記録の廃棄を疑問視する質問に、菅義偉官房長官はこう返した。「決裁文書に、(交渉の経緯の)ほとんどの部分は書かれているんじゃないでしょうか

国会での佐川氏の強気の発言とは裏腹に、理財局内は混乱していた。菅長官の言うとおり、決裁文書に多くのことが書かれていたからだ

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決済文書の内容を見ていない筈の菅官房長ならば、「決裁文書に、(交渉の経緯の)ほとんどの部分は書かれているんじゃないでしょうか」などと、本来言える筈はない。ところが佐川氏の「廃棄した」に慢心して(二度と表に決済文書は出てこない筈だと)、知っていることを言外に明かしてしまった。菅官房長の発言の後で理財局内部で「多くのことが書かれていた」と気づく、あたかも菅官房長が予言したかのようだが、予言ではなく知っていたからだろう。

すなわち、官邸は元(改竄前)の決済文書原本の内容を知っていた、または、決算文書原本に不都合な記載が存在すると意識するに十分な事情を知っていた。だから佐川理財局長(当時)には「廃棄した」と言わせた。これで留めておけば良いのに、菅官房長は「決裁文書に、(交渉の経緯の)ほとんどの部分は書かれているんじゃないでしょうか」と発言し、内容を知っていた・その内容が不都合であることが判っていたゆえに、表向き廃棄としながら財務省に原本の改竄を教唆した、ということを示しているからだ。

その通り、平成29年2月末から財務省内で決済原本の改竄が始まる。

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朝日新聞が学園側への不透明な国有地売却を報じた平成29年2月9日の前後に、決済原本に政権に不都合な記載が存在することを佐川理財局長(当時)が官邸に事前に通知していたとすれば(または官邸が佐川氏に報告させたとすれば)、この一連の時系列の経緯に整合が生まれる。官邸が知った時点で「(表向き)廃棄」が決まり、廃棄ゆえに記載は存在しないことを前提で安倍首相は強弁し、それに呼応するかの如く佐川氏は「棄てた」と表向きを繕う。本来ならば財務省が「棄てた(とする)」文書にそれ以上官邸はコメントする必要がない筈なのに、菅官房長は慢心したのだろうかその棄てた文書に「経緯が書かれている」と言った。ところが、保管規定のある公文書を棄てる立場にない財務省にすれば「有るなら削除せよ」と教唆されたことに他ならない。官邸主導であるからこそ、強弁もし、棄てたと言わせ、有るなら削除せよと暗に改竄を教唆したということだ。

旧大蔵省時代から財務省に至る佐川氏の官僚としての人物評はあまり芳しくない。今回の騒動では世論は彼も犠牲者だと思いがちだが、そんな弱者ではないようだ。彼を間近で知る人の多くが、彼を出世欲・名誉心が強く、強者に媚びる傾向の人物と評する。理財局長として安倍政権の政策ではなく政局(官僚が本来関わってはならない領域)に積極的に関わったとしても不思議ではない。その過程で決済原本の内容を官邸に情報を提供し見返りとして国税庁長官の椅子が与えられたと・・。

(おわり)

追記:
佐川理財局長(当時)が学園との交渉記録は「速やかに廃棄した」と答弁したことについて、本当に廃棄すれば公文書の管理規定に違反する。だから、廃棄したことにしておいて、後で見つかったとすれば良い、それなら佐川氏は事実誤認し答弁をしただけでそれ以上責任は追求されずに済むし、改竄が完了した時点で廃棄した文書が見つかったと言えば良いと、官邸が判断したとも考えられる。つまり、改竄の時間稼ぎの為に理財局と官邸が共謀して「速やかに廃棄した」と口裏を合わせた可能性である。安倍首相の強弁も菅官房長の慢心もその工作を前提にすれば至極整合がつく。

経済評論家の植草一秀氏が刑事コロンボで描かれる犯人像を引き合いにして面白い考察をされていた。

"訊かれてもいないのに、
「繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」というのは明らかに饒舌過多である。
「及ばざるは過ぎたるに勝れり」の言葉がある。安倍首相の発言には明らかに不自然さが表出している。
刑事コロンボでは、犯人が、まだ関与について問いただされてもいない段階で、饒舌過多になり、自分の疑いを晴らす発言に突き進む。コロンボはこの行動を見て疑いを強めるのである。安倍首相の平成29年2月17日の国会答弁は、まさに刑事コロンボに登場する犯人の言動とピタリと重なるのである。"

然りだ。我々国民は安倍首相の饒舌過多・異常・不自然な発言に逆に疑いを深めている。欺こうとする人間の心理とは万国共通なのだろう、不安心理が裏返って自ら表出しようとする。何も疑われていない段階で、相手に先に自分の立場(無実)を主張せずにはいられない。安倍首相の平成29年2月17日の国会答弁がまさにそれである。至極わかりやすい。すなわち、森友学園問題の核心に安倍首相夫妻(日本会議を背景にした)は大いに関わっていることを示している。

いや、安倍首相が饒舌過多・異常・不自然な発言をする場合は大抵国民を欺こうとする意志がある。「世界経済はリーマン・ショック前に似ている」と過剰な景気認識を平成28年の伊勢志摩サミットで振りまいた時もそうだった。安倍首相の饒舌過多・異常・不自然な発言と各国首脳・海外メディアは取り上げた。その発言の裏には消費増税延期の口実が隠されていたわけである。公約通り消費増税を行えば政権支持率が下がり政権維持が不可能になるという不安心理が、安倍首相の饒舌過多・異常・不自然な発言となって表出したということだ。

posted by ihagee at 03:41| 政治

2018年03月14日

改竄前の決済原本に彼の叫びがあった


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『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日・3月14日放送分)で、安倍昭恵夫人の名前が削除されていた「特例承認の決裁文書」のなかの「これまでの経緯」について興味深い指摘がなされた。

すなわち、改竄前の原本の「これまでの経緯」の中で登場する昭恵夫人に関する記述について、ゲストコメンテーターの元財務官僚・山口真由氏は、「もともとの文章の異常な詳細さ」に驚いたと言い、「経験上なかなかない文書」と指摘し、青木理氏は、その背景に何があったのか、このように感想を述べた。

「逆に言うと、それが本件の特殊性を非常に表している感じがしててね。つまり、官僚の人たちって基本的に保身の気持ちもあるから、『こんなにいろいろあったから今回こういう特別なことをしたんですよ』というような。(中略)ある種、叫びが聞こえてくるような文書なんですよ。その叫びの部分を『まずい、まずい』と消しているっていう」

さらに、玉川氏も青木氏の意見に呼応するように、こう語った。

「なんでこんな特例的な文書を残したのかっていうことになると、さっき『叫び』というような言葉がありましたけど、自殺されたノンキャリのこれを担当していた方が『汚い仕事(をやらされた)』と言っているわけですよ。その『叫び』ということと『汚い仕事』というようなことが、どうにもぼくには結びついて感じられるんですよね。じゃなかったら、書きませんでしょ? こんなこと。何のために書くんですか。『私はこんなことをやらされました』と、通常あり得ないこと、常識的じゃないことを、というような叫びなのかなとぼくが見ます」

(以上、リテラ「決裁文書の削除部分は近畿財務局職員のひそかな告発だった?「特例の原因は安倍昭恵夫人」の隠されたメッセージ」記事より)

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責任感が強く曲がったことが嫌いと周囲から評された、近畿財務局で改竄を担わされたとされる職員(自殺)は「自分の常識が壊された」と親族に語っていたという。

私はこんなことをやらされました』と異常な詳細さで昭恵夫人の関与部分を記述していたという指摘は核心を得ている(その記述は改竄を行ったとされる自殺した担当職員が行ったのか、別の担当職員が行ったのかはわからないが)。その叫びを怖れた者が記述の削除を促し、結果、担当職員も消されたのだろう(自殺に追い込んだ)。

「私や妻が関係していたということになれば、まさにこれはもう私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい(平成29年2月17日の衆議院予算委員会・安倍首相答弁)」なる行政府の長の最大限の牽制(関係させるな)が、佐川理財局長(当時)をして叫びを消さしめた(教唆)。

安倍首相は昨年2月の時点で改竄前原本の「叫び」を知っていたのではないか?諜報員を三権の枢要な部門に送り込んでいる安倍首相ならば、原本の記述について諜報を得ていたとしても不思議ではない。麻生財務大臣が一声発すれば、佐川理財局長は大臣室で昭恵夫人に関する記述を説明することも可能だ。そして、改竄が始まるとされている平成29年2月末にかけて安倍首相は会計検査院の河戸院長と密会し(会計検査院が森友文書の調査に入る前である!)、3月に入ると佐川氏の答弁が原本を意識した虚偽の答弁を繰り返すようになった。この過程で改竄が行われる。

安倍首相は「(財務省が開示するまで)原本の内容を一切知り得なかった」という前提で責任を回避しているが、その前提自体疑える程、安倍首相は人を騙すために作り事を仕組み過ぎた。担当職員の人間としての心の叫びを抹殺し、その命まで奪った。直接でなくとも、少なくともそういう伏線(仕組み)を安倍首相は作ったということだけは言える。安倍首相の責任は重大である。人間性すら問われる。

(おわり)

追記:
自殺したとされる担当職員の妻の所在が不明だという。遺族が連絡できないらしい。3月13日、野党合同ヒアリングで柚木道義議員(希望)が指摘し、「遺書までが改竄されたなんてことはあり得ませんよね。奥様が遺書と共にどこかに匿われているのではないかと。近畿財務局との関連も含めてそんな見方が出ていますけど、そんなことあり得ませんよね」と、財務省と警察庁を追及した。
担当職員が住んでいたとされるマンションは現在異常な警備体制が敷かれているそうだ。諜報員を警察や司法の枢要な部門に送り込んでいる安倍首相ならば、遺書ごとその妻の叫びまで抹殺しかねない。

自殺した職員の妻は『どうしてこんなことになってしまったのか』『ひとりで抱え込んでしまって、ずっと休んでいた』『あんな担当になり、巻き込まれてしまった』と泣いていたという。その妻の行方が知れないという。どこまで、この国は非道が罷り通るのだろうか。それもこれも安倍首相に淵源がある。

posted by ihagee at 03:34| 政治