2022年03月23日

ゼレンスキーの「盾」は高くつく



「ロシア軍は我々を殲滅させ、殺害するためにやって来た。そして我々は国民と軍の威厳を見せつけることができている。我々は大きな打撃を与えることができ、反撃することができるのだと。だが残念ながら、我々の威厳で命を守ることはできない。従って我々はどんな形であれ、いかなる機会をも利用して交渉の可能性をつかみ、プーチン(大統領)との対話の可能性をつかまなければならない。だがもしその試みが失敗すれば、それは第3次世界大戦を意味する」(ゼレンスキー大統領・2022年3月20日CNNの単独インタビュー

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「もしその試みが失敗すれば、それは第3次世界大戦を意味する」なる発言。2国間の戦闘は「第3次世界大戦」に繋がるとゼレンスキーは警告している(CNN記事に拠ると)。

ウクライナ戦争がなぜ第3次世界大戦に発展するのか、その因果関係に十分な証拠はない(非因果的誤謬 Non Causa Pro Causa)。昨年あたりからNATO加盟を目論見「ウクライナはヨーロッパの盾」と言っていたその主張者(ゼレンスキー大統領)がNATO加盟の見込みがなくなるや、今度は世界をウクライナ戦争の「盾」にしている点にこの誤謬のドミノ倒し的な怖さ(すべり坂論法 Slippery slope)がある。

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ゼレンスキー大統領は21日、ロシアとの停戦交渉で、すでに占領された地域の帰属など重要な項目の決定については、国民投票を実施する必要があるとの考えを明らかにした。「殲滅(させられる)」と表現するような戦争の下であたかも平時の如く国民投票が実施可能と言うのはいささか腑に落ちないが、ゼレンスキー大統領は対露交渉の内容は国民に問う(国民投票)と言いながら、交渉失敗の責は戦争当事国(ウクライナ・ロシア)ばかりではなく、世界に帰す(戦火が及ぶ)と言うに等しい(「第3次世界大戦」がその結果と言うのであれば)。

ウクライナ国民の総意は世界市民の総意と同じだと考え(偽の合意効果False consensus effect)、自分の考え方を世界に投影し、失敗と否定的な行動の重荷を世界全体に負わせることである(自己中心性バイアス Egocentric bias)。ゆえに「第3次世界大戦」と言って世界を「盾」に取る。

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歴史上初めて、日本は軍隊を支援した(コルスンスキー・ウクライナ駐日大使)

”本日、ウクライナ政府に防弾チョッキ、ヘルメット、テント、防寒着、医薬品、発電機、カメラなどの軍用の無料の保護兵器を提供することについて、ウクライナと日本の間の意見交換の形で政府間協定が調印されました。防衛省はまた、保護兵器を組み立ててウクライナに送る方法を示しました。” 「このような行為が行われたのは、日本史上初めてのことです」とコルサンスキー大使は語った。

(Ukranews.com/ ウクライナ 2022年3月9日付記事

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コルサンスキー大使に言わせれば、保護兵器の提供を以って「日本は軍隊を支援した」ことにいつの間にかなっている。軍隊を支援しているのだからと、ウクライナは軍事目的での人工衛星データの提供を日本に求めている。

”ウクライナが日本に人工衛星データの提供を求めていることが分かった。高精度の画像を集め、ロシア軍の動向の把握に活用する狙いがあるとみられる。日本は悪天候でも地表の鮮明な情報を取得できる「合成開口レーダー(SAR)」を搭載した衛星を官民それぞれで運用している。提供の可否はウクライナの情勢を見極めた上で政治判断する。”(日本経済新聞2022年3月17日記事

「衛星データの提供というものは、単に情報を提供するだけではなく、所要の分析力及び他情報との融合、すなわち軍事能力の一部提供を含むものであることは世界の常識である。紛争に関与する覚悟を持って実施すべきものなのである。アメリカが衛星情報を含め、情報支援を行っていることを表沙汰にしない理由はそこにある。」

しかし、ウクライナ政府も日本政府もそれをすでに表沙汰にしている。もし日本がデータ提供に応じれば、日本は紛争に関与することとなり、「戦争への明らかな加担と捉えられ、ロシアから何らかの報復を受ける可能性もゼロではない。」(サンタフェ総研上席研究員 末次 富美雄氏 / 2022年3月22日付フィスコ記事

ゼレンスキー大統領と同じく、コルサンスキー大使も、ウクライナ国民の総意は日本国民の総意と同じだと考え(偽の合意効果 False consensus effect)、自分の考え方を日本国民に投影し、失敗と否定的な行動の重荷を日本に負わせるようとしている(自己中心性バイアス Egocentric bias)。それが「絶えず戦争をする国」の常套なのか?

「ウクライナ人は、サムライみたいに自分の国を守る意識が強い(コルサンスキー大使・ハフポスト日本版 2022年2月15日付記事

侍が守るのは国などではない。徳であり忠義であるが(それにしても「侍」?いつの時代なのか?!フジヤマゲイシャと同じこの欧米人の陳腐化した日本人観には辟易する)、甲冑を纏った「サムライ」なる薄っぺらなアイコンを以って「絶えず戦争をする国」と同じ価値観で日本人を観ている。駐日大使でありながら日本人を観ず、ウクライナ人を都合良く重ねて観てもらっては困る。

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”ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナはロシア国民と戦争をしておらず、ウクライナの領土に侵入したロシア軍とのみ戦争をしていると述べている。”(GORDON/ウクライナ 2022年3月22日付記事

しかし、ゼレンスキー大統領はそのロシア国民を標的とした対露経済・金融制裁など、あらゆる制裁をロシア国民に下すよう国際社会に呼びかけている。国際社会でのロシア人全般に向けたヘイトスクラム(スポーツ・芸能文化でのロシア人排斥)となることも構わないとするのなら、ウクライナも「正義」(戦争での正義)を捨て(拙稿「ほぼ全ての戦争がメディアの嘘の結果である(続き)」)、実質はロシア国民と戦争をしていると変わりがない。事実、ウクライナの生命や財産の防衛の意味=戦争での正義、をすでに超えて「盾」を世界中に売りまくっている。

ゼレンスキー大統領の日本向けビデオ演説では「北方領土返還で共闘」などと言って日本をロシアとの戦争の「盾」に取るかもしれない=ロシアへの言いがかりの材料にするかもしれない。ゼレンスキー大統領の売り込む「盾」は、私たちのポケットから支払う「盾」である...。すでに領土交渉も平和条約締結もその「盾」の代償として泡と消えた。国益と引き換えのゼレンスキーの「盾」はすでに酷く高くついているが、我々の血をもって支払う「盾」であってはならない。

「戦争をしない国と、絶えず戦争をする国の価値観が同じはずがない(日本経団連の元専務理事・品川正治氏:故人)」。ゆえに、後者の価値観をその世界に売り込んで止まない「盾」と共にゼレンスキー大統領に我が国に持ち込ませてはならないのである。

ゼレンスキー大統領は典型的なポピュリスト(=多数派論証者)に私の目には映る。多くの人々が信じている、支持している、属している等の理由だけで、事実(事象)がなくとも多くの「真実なるもの」が人々の心の中で形成されていく誤謬を彼は意図して利用している。針小棒大=話半分に聞く・眉に唾をつけるが、この誤謬では全く通用しない。

この誤謬に於いてメディアの利用の仕方(メディア・バイアスの用法)をゼレンスキー大統領(おそらくそのブレーン)は恐ろしいほど心得ている。旧ソ連時代からのある意味古めかしいイデオロギー主義政治の系譜にあるプーチンにとって、感情や個人的な信条によって表されたものの方が重視されて影響力を持つ(誤った等価関係 False equivalence)ポスト・トゥルース(post-truth)の寵児たるゼレンスキーは嘗てない強敵に違いない。大統領演説(2022年2月24日)の静的な論理、かたや、ゼレンスキー大統領のビデオ演説での動的な感情の違いでもある。

多数派論証誤謬は容易に「集団思考」を招き 「満場一致の幻影」という現象が現れて、「コンセンサスによる真実 Truth_by_consensus」となり、論点をすり替え、無関係な結論を導く危険性がある(燻製ニシンの虚偽 Red herring)。何の因果関係を立証することなく、ウクライナ戦争が第3次世界大戦に飛躍する(「第3次世界大戦」を軽々しく口にする)、その「祖国ばかりか、世界を戦争に巻き込む破壊的なポピュリスト」の側面である(「ゼレンスキーは英雄か、世界を大戦に巻き込むポピュリストか」Newsweek 2022年2月27日付記事)。

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参照:認知バイアスマップMindMeister

認知バイアスマップ Cognitive bias map(Re nomor 2022 コピーライトマーク️ ver.1.0):


(Re nomor 2022 コピーライトマーク️)


(おわり)








posted by ihagee at 03:27| 政治

2022年03月22日

ほぼ全ての戦争がメディアの嘘の結果である(続き)



ほぼ全ての戦争がメディアの嘘の結果である」の続き

認知バイアスから戦争は始まる。認知バイアスとは、人が行う意思決定や判断に影響を与える思考の誤りを指す。認知バイアスとは、人間が「こうした方がうまくいく」という経験知を行動傾向にして獲得したもの(ヒューリスティクス)が、裏目にでたもの。または、認知バイアスを利用し人間の意思決定・行動に影響を与えること。この影響力を最大行使し得るのがマスメディアである。以下、認知バイアスをメディアの報道に照らしてみると良い。「戦争の報道(事実を伝える)」が「戦争への報道(正義を語る)」となっていないか

正義と正義のぶつかり合いが言葉ではなく武力(軍事侵攻・経済)に拠る場合、戦争への正義(ロシア)戦争での正義(ウクライナ)を区別して考える必要がある。

国連憲章のルールを無視し現状変更のためにウクライナに軍事侵攻したロシアに、ロシアなりのいかなる正当理由があろうと「正義」(戦争への正義)を語ることはできない。

他方、ウクライナの「正義」(戦争での正義)とは生命や財産の防衛の意味での「正義」であり、なされた行為(侵攻)を正すのに必要以上の力を行使してはならない。しかし、ウクライナが国際社会に呼びかけている対露経済・金融制裁も過ぎれば、ロシアの人々を貧困に陥れ、飢餓の苦しみから暴動さえ誘発し多分に暴力的であることに変わりはない。ゼレンスキー大統領は「交渉が失敗したら第3次世界大戦になる」旨の発言をし、国際社会をも自らの「盾」とし、アメリカおよびNATO諸国の参戦を含め、あらゆる制裁をロシアに下すよう呼びかけている。また、その結果が国際社会でのロシア人全般に向けたヘイトスクラム(スポーツ・芸能文化でのロシア人排斥)となることも構わないとするのなら、ウクライナも「正義」(戦争での正義)を捨てようとしているようだ。

結局、戦争の当事者のいずれにも「正義」を被せることは正しくなく、況して勝てば「正義」(勝てば官軍)は偽善である。だから戦争はすべきではない。また、メディアはそんな戦争に「正義」を語ってはならない。

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[社会的比較バイアス Social comparison bias]
自分の相対的な優位性を確保しようとする傾向。SNS=社会的比較増幅メディア

[作話 Confabulation]
騙す意図がないのに、偽の、あるいは誤った記憶を作り出すことで、「正直な嘘」と呼ばれることもある。純粋に真実の記憶を伝えていると信じている人が、記憶を改ざんする場合もある。自分自身や世界について捏造、歪曲、または誤った解釈をした記憶を作り出すと定義される記憶障害のことである。作話を起こす人は「微妙な改変から奇妙な捏造まで」不正確な記憶を示し、矛盾する証拠があるにもかかわらず、一般に自分の記憶について非常に自信を持っている。
関連記事:それでも「白い嘘」なのか?(ワクチン)

[動機に訴える論証 Appeal to motive]
状況対人論証(circumstantial ad hominem)の一種。 主張の動機を問題視し、主張を偽であるとする。「〇〇の手先だから」(外発的動機付け)、「〇〇主義者だから」(達成動機付け)、「人でなしだから」(内発的動機付け・人格攻撃)。

[バルヴァー主義 Bulverism]
論敵の主張を偽と仮定した上で、その根拠を人格に求めてその言説を否定するという循環論証を伴う対人論証を行う。相手がとてもばかげている理由を指摘することによってその言説を否定する。

[中庸に訴える論証 Argument to moderation]
中庸に訴える論証、あるいは偽の妥協(false compromise)、中間からの主張(rgument from middle ground)、中道の誤謬(golden mean fallacy)は、真実とは2つの対立する立場の間の妥協点にあるものだという誤謬である。中庸に訴える論証は二つの相反する主張に対して用いられる。例えば、ある人が空は青色だといい、またある人は空は黄色だと主張したとする。ここで真実の空の色は緑色だと主張するのがこの誤謬である。緑は青と黄色の混色であり2つの位置の妥協点ではあるが、空は明らかに緑ではない。この比喩のように、2つの位置の中間に立つことは必ずしも真実につながるとは限らないのである。ウラジーミル・ブコフスキーは、ソ連のプロパガンダの大きな嘘と真実の中間を取ったとしてもそれもまた嘘に過ぎず、情報と偽情報の中間を探るべきではないと主張した。

[人身攻撃 Ad hominem]
人身攻撃(ad hominem、argumentum ad hominem)は、ある論証や事実の主張に対して、その主張自体に具体的に反論するのではなく、主張した人の個性や信念を攻撃すること、またそのような論法。

[二つの間違いは正しくならない論法 Two wrongs make a right]
「二つの間違いは正しいことをする」は、関連性の誤謬。「二つの間違いは正しいことではない」というアンチテーゼは、他人の違反への対応として、不法行為を叱責または放棄するために使用される。例 A:トランプ大統領は議会への証言で嘘をついた。彼はそれをすべきではありません。B:しかし、あなたはオバマ大統領が議会の証言で嘘をついたという事実を無視しています!

[嘘と欺瞞 Lying and deception]
意図的に偽情報を流したり、重要な事実を伝えない事により人々に疑問を持たせない技術。 この技術の一種として非常に重要な「事実」や「仮説の存在」を意図的に伝えない「省略による嘘」(Lying by omission)もある。

[感情に訴える論証 Appeal to emotion]
確証の検証や論証ではなく、例えば「このような主張をして恥ずかしくないのか?」(Appeal to shame)などのような「感情による理由付け」に基づいて真偽を判断する論証。 この誤謬の一種として、本来ならば検証すべき重要な前提を「感情に訴えて」当然の事として誤魔化す「前提のごまかし」(Hand-waving)もある。 「集団思考」に陥って誤った前提が「イデオロギー」として神聖化された場合、 その社会におけるその前提を用いた論証は全て無意味であり、不毛論争の原因となる。「宣伝効果のほとんどは人々の感情に訴えかけるべきであり、いわゆる知性に対して訴えかける部分は最小にしなければならない(ヒトラー)」

[大きな嘘 Big Lie]
「大衆は小さなウソについては自分でもつくので騙されないが、大きなウソは怖くてつけないので騙されやすい(ヒトラー)」

[ミリューコントロール Milieu control]
社会的同調圧力等によるマインドコントロール

[燻製ニシンの虚偽 Red herring]
意図的に論点をすり替えたり、故意に議論を発散させる行為を指した批判的な用語である。この奇妙な用語について、猟犬の訓練に燻製ニシンを使い、猟犬が燻製ニシンの臭いに惑わされないようにしたことに由来すると説明される。

[罵倒の誤謬 Abusive fallacy]
主張に反論するのではなく、相手を罵る。 この誤謬の一種として、根拠もなく「このXXXXめ」などと悪口を言う「誹謗中傷」(Name calling)もある。「集団思考」に陥った場合、 強い「われわれ感情」が現れ、 集団外部に対して「邪悪」や「間抜け」等と罵倒する傾向がある。

[身元のわかる犠牲者効果 Identifiable victim effect]
誰だかわからない人の危機よりも、誰だかわかっている人の危機に対して、より強く反応する傾向を、身元のわかる(顔のわかる)犠牲者効果と言う。「この難病で苦しんでいる子どもは翔太くんという名前で、まだ2歳になったばかりです。」一人の子供が井戸に落ちたら世界は救出のために大騒ぎするが、大気汚染で数万人が死んでも大して騒ぎにならない。

[多重質問の誤謬 Fallacy of many questions]
関係するすべての人々によって証明または受け入れられていない何かを前提とする質問を行うと、回答者はコミットしてしまう誤謬。この誤謬はしばしば修辞的に使用されるため、質問は質問者の議題に役立つものへの直接の回答を制限する。例:「あなたはまだあなたの妻を殴っていますか?」「君はもう詐欺から足を洗ったのかい?」
関連記事:マデレーン・オルブライトの後悔

[同情論証 Appeal to pity]
詭弁の一種。論者が聴衆の哀れみや罪悪感などの感情へ直接訴えかける弁論をすることにより、話題の論点を捻じ曲げ、且つ聴衆の同情による支持を受けようとする推論である。「子供たちのことを考えろ Think of the children」誤謬もその一つ。換言すれば、論者にとって聴衆から支持を受ける必要のない話題であれば、同情を買うことはしない。
関連記事:同情の度合いは目の色に応じてはならない

[偏見 Prejudice]
十分な根拠がないのに、特定の集団や個人に対して抱く信念であり、その見方を基にして取られる態度、表明される意見や暴力などの行為をいう。ステレオタイプともいい、差別と密接な関係を持つ。一般的に悪い意味として使われる。

[錯誤相関 Illusory correlation]
相関がないデータに相関があると思い込んでしまう現象。暴力をその実行者の人種に見る傾向(人種差別)

[合接の誤謬 Conjunction fallacy]
合接の誤謬(conjunction fallacy)もしくは連言錯誤とは、一般的な状況よりも、特殊な状況の方が、蓋然性(確からしさや発生確率)が高いと誤判断することである。リンダ問題としても知られている。形式的誤謬(formal fallacy)の一つである。

[可能性に訴える論証 Appeal to probability]
可能性に訴える論証とは「ある言説の出来事(事象)が起こる可能性が存在する」を「ある言説の出来事(事象)が起こる可能性が高い」と混同して結論を導くもの。「可能性の有無」と「可能性の程度」とは異なる概念だが、「不可能性の証明」(Proof of impossibility, Negative proof)が極めて困難である事を利用し、前提を意図的に解釈することで自分にとって好都合な結論を導くこと。

[すべり坂論法 Slippery slope(ex. ドミノ理論)]
比較的小さな最初のステップが関連する一連の出来事につながり、最終的に何らかの重大な(通常は否定的な)効果をもたらすと当事者が主張する議論。例:「脅迫に屈すれば日本国民はいたる所でテロリストのターゲットとなり、 際限のない譲歩を余儀なくされてしまう(テロリストの脅迫に屈すれば(産経新聞社説)。」

[内集団バイアス In-group bias]
自分のグループに属している人を無意識のうちにひいきしてしまうという心理現象。自分の集団のメンバーを集団外のメンバーより優遇するパターン。これは、他者への評価、資源の配分、その他多くの方法で表現されることがある。

[妥当性の錯覚 Illusion of validity(ex. バーナム効果)]
妥当性の錯覚とは、あるデータを分析する際、特に分析したデータが非常に一貫したパターンを示している場合、つまりデータが首尾一貫したストーリーを「語っている」場合に、結果を正確に解釈し予測する能力を過大評価する認知バイアスのことである。例:イラク戦争ではサダム・フセインの「大量破壊兵器」のストーリーから戦争が始まった(実際には発見されなかった)。

[道徳主義の誤謬 Moralistic fallacy]
なぜ戦争は起こるのか?に係る。
社会的に問題のある結論を偽とする論証。 社会常識に訴えるが、ある社会における常識が別の社会でも常識であるとは限らない。 何が道徳であるかは、証明する必要のないアプリオリとされる。 道徳主義的誤謬は、実在する社会活動が自然でない事を批判するために使われる。 「集団思考」に陥った場合、 「代替案を充分に精査しない」という現象が現れ、社会的に問題のある仮説が検討されない傾向がある。
関連記事:国連での民族的不寛容非難決議に唯一反対票を投じた米国とウクライナ(2020年)

[論点先取 Begging the question]
論点先取とは、証明すべき命題が暗黙または明示的に前提の1つとして使われるという誤謬の一種。論点先取の虚偽とも言われる。論点先取は、循環論法の誤謬と関連している。「私にとっての"真実"とは、あなたにとっての"真実"とは異なる」と主張する者は、「"客観的真実"という概念は存在しない」、即ち「無矛盾律は成立しない」という主張を暗黙の前提としている。戦争の当事者同士は論点先取を行う。

[プープーの誤謬 Pooh-pooh(ex. 嫌悪の知恵 Wisdom of repugnance、悪魔への制裁 Sanctioning the devil)]
「主張自体に議論するべき価値が無い」、「俗説は相手にしても仕方がない」などとして論証しない。 ダーウィンが「種の起源」を発表した時に社会に蔓延したのがこのプープーだった。 生理的に受け付けない主張や証拠に接した時の拒否反応を「嫌悪の知恵」(Wisdom of repugnance)と呼ぶ。 この「嫌悪の知恵」が生じた時に人間が犯しやすい誤謬がこのプープーである。 「pooh」は元々「嫌気がさす」という意味があった言葉で、現在の「pooh-pooh」は「鼻であしらう、蔑む」という動詞である。この誤謬の一種として、議論する事自体が論敵に対して承認を与える行為として議論しない「悪魔への制裁」(Sanctioning the devil)もある。「集団思考」に陥った場合、 「自己検閲」という現象が現れ、 波風を立てるような仮説は話題にしなくなる傾向がある。

[敵を悪魔化する Demonizing the enemy]
敵が破壊的な目的のみを持つ脅威的で邪悪な侵略者であるという考えを促進するプロパガンダ手法。悪魔化は、敵をより簡単に傷つけ、味方を維持して動員し、敵の士気をくじくために必要な敵への憎悪を刺激することを目的とした最も古いプロパガンダ手法。

・・・等々。

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以下の認知バイアスマップを以ってメディアの報道を照らす一助となれば幸いである。(MindMeister

認知バイアスマップ Cognitive bias map(Re nomor 2022 コピーライトマーク️ ver.1.0):


(Re nomor 2022 コピーライトマーク️)


(おわり)









posted by ihagee at 03:06| 政治

ほぼ全ての戦争がメディアの嘘の結果である



(Julian Assange: "Nearly every war has been a result of media lies")

Julian Assange: オーストラリアのジャーナリスト/内部告発サイト「ウィキリークス」創始者

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私が発見した希望の持てることの一つは
過去50年間に始まったほぼ全ての戦争が
メディアの嘘の結果であった
ということです。

メディアはそれを阻止できたはずです、
もし充分、深く調べていれば。
政府のプロパガンダを増刷しなければ
それを阻止できたはず。

でも、それは何を意味するのでしょう?
つまりそれは、基本的に国民は
戦争を好まないということです。

そして国民が戦争をするには
騙される必要があるのです。
国民は状況をしっかり把握して
喜んで戦争に行くわけではありません。

ですから、もし私たちが良いメディア
環境を持てば、平和な環境を持つこと
ができるのです。

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マスメディア(大手新聞・テレビ)の論調:
ロシア軍の見境のない攻撃でウクライナの民間人が大勢犠牲になっている。目を背けたくなるような血塗れの子供や母親の映像。全てロシア軍が行なったウクライナの民間人への非道な攻撃。人道回廊の避難民をロシア軍が狙い撃ち。ジャーナリストもロシア軍の餌食になった。ロシアはウクライナを自国の領土にするばかりか、原発を人質にし核ミサイルのボタンで国際社会を恐怖のどん底に陥れようとしている。プーチンは狂人。対露経済政策は当たり前。ロシアを国連から追放せよ。国交を断絶せよ。国際社会からロシア人を追放せよ。ゼレンスキーは英雄だ。悪を懲らしめろウクライナ。今こそ義勇兵だ、義援金だ等々。

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ネット民たちの声:
当方も時折キエフ等のライブカメラ映像を見ていますが、今のところあくびが出る程平和な日常風景しか映っていませんね。まあ、キエフがロシアの戦車隊により包囲されているのは事実のようですが、敢えて正しく「牛歩戦術」に徹しているようです。寧ろ、人道回廊の安全を確保しつつ(ウ軍やアゾフによる住民の退避妨害…暴力や殺害も含めて、があるので難航しているようですが)市街に対するガードを固めているようですが。

米・欧州メデイアのウクライナ・キエフ侵攻攻撃報道があった場合は必ず各場所に備えてあるライブカメラ
をチェックしましょう。真実がわかります。

キエフ市内のライブカメラ:


ウクライナの内戦(ネオナチによる東ウクライナへのテロ)を含めるならその死者数はここ8年で1万数千人に達しています。更に、ついここ数日の間にあったドネツクのクラスター爆弾投下や、村への砲撃、アゾフ(ネオナチ)中心にした西側を含めた避難者への殺害を含めた妨害工作…。ひょっとすると既に全ウクライナ地域で同国軍による死者は、優に2万人(多数の子供含む負傷者、レイプ被害者、被略奪者、障害身障者などは、勿論その比ではない)を超えていると思われますが…民間人の巻き込みすら極力避けているロシアの比ではない

FacebookとInstagramが、ウクライナ侵攻についてロシア軍とロシア人への暴力を呼び掛けるヘイトスピーチを公式に許可。ヘイトスピーチの狙いはみんなを怒りの波動争いの波動に駆り立てる事にある。ロシアを相手に、みんなを憎しに誘うのが狙い強いて言うならば、憎悪は戦争に繋がる。ヘイトスピーチは人類にとって良い事など何もない。Facebook、Instagramは、完全にイカれたステージに入った。特定の民族に暴力 OKなどと煽るのはジェノサイドしてるのと一緒。

ホント思うんだけどさ。この戦時下で、よく片側の戦争当事者からの情報のみをあたかも真実のように取り上げられるよね。リテラシーゼロすぎと思うが、名だたる有識者やメディア関係者が軒並みその態度ってのがなんていうか不自然というか狂信的というかヤバいよね。

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メディアの嘘=プロパガンダ、こそが最大の戦争要因。ロシアにとってもウクライナにとってもそして我が国にとってもメディアの嘘は特定の民族への憎悪を増幅し暴力(言葉の暴力も含む)を肯定する。

メディアに嘘をつかせない、プロパガンダに乗らない、戦争(=所詮人殺し)に正義など重ねない、ことこそ我々ができる最大の戦争抑止であり、マスメディアの報道に対してはバイアス(歪み)が潜んでいないか常に意識を働かせるべきだと、今般の戦争報道でつくづく感じている。(例:戦争報道に潜む人種差別バイアス「同情の度合いは目の色に応じてはならない」)。

以下の認知バイアスマップがその意識の一助となれば幸いである。(MindMeister

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(Re nomor 2022 コピーライトマーク️)


(おわり)





posted by ihagee at 01:50| 政治