2019年07月13日

自由主義・民主主義



「国のあり方を決める権利は国民が持っている」からその国民が国のあり方を決めることができるとなる(選挙)。他からの強制・拘束・支配などを受けないで、自らの意思や本性に従って一票を投じることが、個々の国民の自由意思の表明ということになる。

他方、この国は国際社会に於いて「自由主義経済」の旗手だそうだ。「自由主義」はもっぱら「資本主義」に語られ、その「自由」は政治民主主義と紐つけられ解釈される。その「自由」は「危害原理(他者に危害を加えない)」にのみ制限される。

「自由主義」は経済や国家である以前に、個人の意思や本性に存在していれば、経済や国家にその「自由」を演繹しても構わないかもしれない。個人が「大人」であれば可能だろう。その「大人」の意思の総意を民主主義というなら、民主主義の上に資本主義を重ねることができる。

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個人が「子供」だったらどうだろうか?「子供」はわがままである。他者に危害を加えることによって自己都合を押し通すこともある。そのわがままを「自由」とは言わない。

他者に危害を加えることを良しとする風潮。それは積極的でなくとも消極的に「無視」したり「遠ざけたり」、「隠したり」「騙したり」「嘘をついたり」することが今の社会に蔓延している(陰湿ないじめに近い)。



(新聞社も国会議員も「子供化」)

子供の「自由」の上に資本主義が胡座をかくためには、「自由」は経済的自由主義や政治的イデオロギーの内に留めおき、決して個人の独立した思想の上にあってはならない(それらの「自由」を個人に帰納させる=強者はさらなる自由を求め、弱者は平等を叫ぶ「新自由主義」)。そのために集団的意識が必要とされる。日本古来の伝統や国粋ばかりを吹聴鼓舞し、国際社会に於いて日本の存在を神聖視する、危うさを含んだ幼い思考である(拙稿『安倍晋三首相・座右の銘「至誠」が意味するもの』)。その幼さは過去の歴史に於いて「(大)日本主義」となって立ち現れた。東亜の諸民族の帝国主義からの解放と言いながら、その上から目線は同様にそれらの人々の「日本化(同化)」でしかなかった。

「自由主義の埒外へ一歩でも踏み出した宗教意識は、やがて日本主義の埒内に収容される」(戸坂潤)となる。

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個人の独立した思想よりも集団の意識が再び今の日本を支配しつつある。個人の思想が国家によって制限されないこと(憲法第19条「内心の自由」)を倒置し、国家によって侵され支配される個人の内心を是とする意識はまさに「日本主義の埒内に収容される」ことである(共謀罪)。その「日本主義」は科学的考証に値する思想と言うべきものではなく、

”「国史」の日本主義的「認識」でしかない。だから結局、一切の日本主義は淘汰され統一されて、〔絶対〕主義にまで帰着しなければならず、又現にそうなりつつあるのである。(戸坂潤)”

「国史」の日本主義的「認識」は科学的「史学」さえ歪曲し「国論」として罷り通るようになる。日本の歴史を書いたとする『日本国紀』(百田尚樹)が「史学」と何らの接点も持たない所以である。しかし、そういった細かな日本主義は今や「日本国って凄い・日本人って素晴らしい」と呪文のようにメディアによってばら撒かれ、それらは束ねられると(大)日本主義的「認識」には十分になり得る。そんな「認識」程度に政治が動くゆえ「(大)日本主義」の徒花がまたその花芽を脹らましつつある。

「認識」は論理でも思想・哲学でもなく、子供のわがままや自己愛であって良い。「国のあり方を決める権利は国民が持っている」のその権利に縛られるべき為政者が逆にあり方を決め、国民を縛りにかかって、思想なき認識(私事)はやがて、絶対主義・独裁に陥るのである。「わたくしがそう思えば憲法」「恥ずかしい憲法」などと憲法すらその(私事)下に置く。

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自らの思想が国家によって制限されないこと(憲法第19条「内心の自由」)に「危害原理」を当てて制限しようとする国家とは一体何なのだろうか?「修身(国民道徳・国家道徳)」を国民全体に涵養することが『日本を取り戻す』(教育勅語の復権)などと、個人と国家の関係を転倒させようとする者に「棄権」を以って、フリーハンドを持たせてはならない。個人の内心の覚醒を阻み、覚醒自体に「恥を知れ」と一蹴する者は八紘一宇なる幼さを含んだ危うい思考を振りまいている。それが徒花で終わったことを歴史に学ぼうとしない。その「恥」の「恥」たるが何かも知らない者が、恥部を晒したままの裸の王様と共にテレビに映し出される。

古色蒼然とした日本主義的「認識」に巻かれることなく、憲法に保証された内心の自由に従って一票を投じることでしか「民主主義」は達成できない。「こんな人たち」と国民に指をさす子供が「棄権」によって選ばれて良い筈がない。

大人ならば自己の良心に従って必ず投票されたし。

(おわり)

posted by ihagee at 07:28| 政治

2019年07月06日

並ぶべきはどちらか?



第25回参院選の選挙活動が始まった。
まだ二日しか経っていないというのに、共同通信をはじめ朝日、毎日などマスコミ各社は参院選序盤情勢を報道している。

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(毎日新聞 2019/7/6 朝刊第一面)

なんと「自公が改選議席の過半数を上回る勢い」だそうだ。有権者にとってまだ選挙候補の顔ぶれも定かでなく、ましてそれぞれの候補の訴えも演説も知らないのになぜか情勢判断を真っ先に行うマスコミ。何なのだろうか?

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「みんなあっちに行くようですよ。」と行列の先頭に賑やかな楽団がいるかに思わせて「多勢はこちら・勝ち馬はこっち」と人心を誘導する。いわゆる「バンドワゴン効果」をマスコミは狙っているのだろうか?

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情報弱者たる高齢者層と今しか自分の視点が持てない若者たちはこの流れにヨロヨロと乗ってしまう。



選挙前、こう約束していた筈なのに、そうと思って一票を投じたらあっさりと嘘をつかれてしまった。

この行列の先では自家撞着は当たり前のようだ。



昨日も・・



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地元(朝霞)には、飯時になると行列して賑わう店がある。与党がマスコミを使って自らに忖度させ仕立てているかの行列に比べればちっぽけなものだ。行列の先に「みんなに忖度!」とピンクのポスターが貼ってあった(先週)。こっちはしっかり仕事をし、行列する人々に嘘をつかない。ゆえにちっぽけながらも行列が絶えない。

我々庶民が並ぶべきはこっちだろう。




(おわり)




posted by ihagee at 18:06| 政治

2019年07月04日

GATT第21条を以て無理筋な主張をしてはならない



GATT第21条 安全保障のための例外

この協定のいかなる規定も、次のいずれかのことを定めるものと解してはならない。
(a)​締約国に対し、発表すれば自国の安全保障上の重大な利益に反するとその締約国が認める情報の提供を要求すること。
(b)​締約国が自国の安全保障上の重大な利益の保護のために必要であると認める次のいずれかの措置を執ることを妨げること。
(i)​ 核分裂性物質又はその生産原料である物質に関する措置
(ii)​ 武器、弾薬及び軍需品の取引並びに軍事施設に供給するため直接又は間接に行なわれるその他の貨物及び原料の取引に関する措置
(iii) ​戦時その他の国際関係の緊急時に執る措置
(c)​締約国が国際の平和及び安全の維持のため国際連合憲章に基く義務に従う措置を執ることを妨げること。

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[認められた主張]
世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は5日、輸出品の通過ルートを制限するのは不当としてウクライナがロシアを提訴していた問題で、ウクライナの主張を退けた。安全保障上、正当な措置としていたロシアの訴えを認めた格好だ。WTOが安保を理由にした紛争案件で判断を下したのは今回が初のケースとなる。安保上の脅威を理由に18年の鉄鋼・アルミニウムに続き、自動車への追加関税を各国対象に検討するトランプ米政権にとって、今回の判断が追い風となる可能性はある。(日本経済新聞 2019/4/6)

WTOは2017年3月にパネルを設置し、ウクライナの主張を審議した結果、ロシアがとった措置は、緊急状況にある国際関係下における安全保障上の利益保護に不可欠で、GATT第21条(b)(iii)「戦時その他の国際関係の緊急時にとる措置」およびロシアのWTO加盟議定書に合致するとの結論を出し、主張を退けた。今後は当事者のどちらか一方が上級委員会へ控訴しない場合、WTO紛争解決機関の採択後に発効する。

ロシア経済発展省は、WTOはこれまでGATT第21条について解釈を行ってこなかったため、今回の紛争は非常に大きな意義を持つとコメント。同相のマクシム・オレシキン氏は「現在、米国政府は鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税賦課(2018年3月27日記事参照)に関して、国家安全保障を理由とする正当な措置と説明しようとしているが、今回の採択によって、(安全保障の基準が明確化されたことで)米国との貿易紛争における、より重要な論拠となる」と語り、自国産業保護のため、国家安全保障を名目とする貿易制限を課す米国政府を牽制している。(JETRO 2019/4/9)

WTOルールはモノの通過の自由を保障するが、安全保障を理由に規制できる「例外規定」(GATT第21条)がある。ロシアは2014年に軍事力でウクライナ領クリミア半島の併合を宣言。軍事物資が混入しないようカザフスタンなどに輸出されるウクライナ製品のルートを制限した。WTO紛争処理小委員会(パネル)は、かかる状況に於いて安保上の利益を守るためロシアが採った措置は必要と判断し、貿易秩序に於ける例外規定を認めた。

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[無理筋な主張をする米国]
トランプ大統領は3月1日、鉄鋼には25%、アルミニウムには10%の輸入関税を課すと発言した。戦闘機や軍艦の製造に使われる鉄鋼やアルミニウムが、中国で過剰に生産されて国際的に価格が下落し、各国から不当に安く輸入されているとして、アメリカの国内法(通商拡大法第232条)を根拠として、安全保障への脅威を理由に、大統領権限で行う異例の輸入制限措置を発動すると言うのだ。安く輸入されることが安全保障を脅かすとはわかりにくいが、中国等からの安い輸入によってアメリカの鉄鋼業界が衰退すれば、軍事産業への鉄鋼等の供給ができなくなると言っているのだ。(キャノングローバル戦略研究所 研究主幹山下一仁氏 2018/3/22)

「自国産業保護」理由に貿易相手国に一方的に輸入関税を課せば、貿易秩序の破壊としてWTO上正当化されないが、それを「国家安全保障への脅威」と言い換えれば「例外規定」として認められるのだとするのが、トランプ政権である。しかし、ロシア=ウクライナのWTOパネルで認められた「安全保障の基準」は緊急状況にある国際関係下における安全保障上の利益保護に不可欠で、GATT第21条(b)(iii)「戦時その他の国際関係の緊急時にとる措置」に合致するものであって、自国産業保護のため、国家安全保障を名目に貿易制限を課すことには合致していない。ゆえに、トランプ大統領の鉄鋼・アルミニウムへの輸入関税は「無理筋」として、EUなどは係る米国の関税措置は明らかなWTO違反として、WTOに提訴している。

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[対米WTO提訴を躊躇する日本]
鉄鋼についてはEU、カナダ、メキシコは一斉に報復関税を課すとともに、世界貿易機関(WTO)違反だとしてWTOへ提訴する方針を明確に打ち出した。WTO協定は安全保障を理由とした輸入制限を例外として認めるが、鉄鋼製品にまで安全保障を口実にするのは明らかに無理筋だ。当然WTO違反としてWTOへ提訴すべきである。米国の口実を許せば、WTOの貿易秩序自体を揺るがすことになる。ところが日本はどうだろうか。EUなどのように適用猶予もされずに4月から適用されているにもかかわらず、未だWTOへの提訴をしていない。… しかもEU、カナダ、メキシコがWTOに提訴するのだから、日本は何の躊躇も必要ない。むしろWTOの貿易秩序を守ることが極めて大きな国益につながる日本が、唯一WTOに提訴しないことの方が奇異だ。本気で貿易秩序を守るつもりがあるのか、世界からその姿勢を疑われる。EUはWTO提訴を「国際ルールに基づく貿易システムを守るためだ」と強調している。これこそ日本が率先して言うべきセリフではないか
(日経ビジネス 細川 昌彦中部大学特任教授(元・経済産業省貿易管理部長)2018/6/8)

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[無理筋な主張を始めた日本]
「WTOの貿易秩序を守ることが極めて大きな国益につながる日本が、唯一WTOに提訴しないことの方が奇異だ。」との理由が、貿易秩序(=国益)をかなぐり捨ててまでも、韓国に政治的報復を与えたいとする偏狭なナショナリズムだということが、今般の韓国に対する貿易制限ではっきりわかった。

スマートフォンに使われるフッ化ポリイミドなど3品目の輸出管理強化(実質は輸出制限)は、我が国の産業保護の為ではなく、もっぱら韓国側のサプライチェーンを破壊し同国の産業にダメージを与えることにあるから、トランプ大統領の鉄鋼・アルミへの輸入関税(自国産業保護)とも異なる。「輸出先として信頼できない国」というその口実は、トランプ以上に「無理筋」なのである。韓日間の企業同士では信頼で確立されたサプライチェーンが厳然と存在しているのに、何を以って「輸出先として信頼できない国」となるのか?信頼できないのは政治だけではないのか?

安倍政権が「無理筋」な米国の口実に口を噤んでいたのも、「輸出先として信頼できない国」だからと国家安全保障を名目として、「例外規定」(GATT第21条)をトランプ流に対韓関係でフリーハンドに使ってやろうと企んでいたからか?その通り、「国家安全保障への脅威」との整合から「輸出先として信頼できない国」としか表向き言わないが、韓国人元徴用工らへの損害賠償問題への事実上の対抗措置であることを与党幹部は隠そうとしない。

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[すでに見抜かれている日本の無理筋]
第二次世界大戦中、日本は鉱山や重工業で、特に韓国人を強制労働者にした。数百万人がいると推定された。2018年 12月以来、韓国の最高裁判所は、新日鐵と三菱を含むいくつかの日本企業に、以前の強制労働者またはその子孫を補償するよう命じた。日本政府は、この問題は1965年に締結の日韓基本条約で金銭的に解決(3億ドル賠償金支払い)していて、個別補償請求は受け入れられないとする。しかし、1965年当時日本はすでに経済成長の只中にあったが、他方、その元植民地である韓国は当時最も貧しい国の一つであり、戦争中、日本の将校であった独裁者(朴正煕、日本名では高木正雄)によって統治されていた(軍事政権)。その後、韓国は文民政権となり、ゆえに(民意が一切反映されなかった)軍事政権下の1965年条約について改正を望んでいるのである。
(独Deutsche Zeitung誌2019/7/2)

1965年条約では、被害者の手に渡らないことを承知で賠償金を支払って(韓国の経済政策に使われた)、日韓政府間で手打ちをしたことは却って、徴用工問題、従軍慰安婦問題における、個別具体的な請求権を残す結果となり、事実、債務者側の自発的な対応を妨げないと最高裁は判例で示している。

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朝日新聞報 2018/12/4

当事者同士(日本企業と元徴用工の間)が交渉で解決するしかないことなのに、日本政府はこの解決は受け入れられないとして、「輸出先として信頼できない国」という無理筋な口実にすり替え、韓国に政治的報復を加えようとすることは、ドイツですら知っていることである。また、安倍晋三首相がG20サミットで「自由で公正なルールに基づく世界貿易」を表明してから2日後、日本はこの原則に大きく違反する行動を取ったことに、貿易秩序を壊そうとするトランプ政権に安倍政権が追随した、とEU諸国では驚愕を以て報道されている。

GATT第21条に無理筋な主張をしてはならない。貿易秩序を破壊することは結果として国益を損なうことに他ならないからだ。繰り返すが、貿易秩序をかなぐり捨ててまでも、韓国に政治的報復を加えたいとする偏狭なナショナリズムに(ひとえに国内向け)、国際社会は一切理解を示さないだろう。「貿易秩序を破壊する国」=WTO違反(GATT第21条の恣意解釈)としてアメリカに続き、やがては日本が提訴されることになる。

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トランプ米大統領は1日のツイッターで、大阪市で開かれた主要20か国・地域(G20)首脳会議に関して「欠けているものや失敗は何もなかった。完璧だった!」と絶賛した。「このように素晴らしく、良く運営されたG20を主催した安倍首相に祝意を伝える。日本国民は首相をとても誇りに思うだろう」とも書き込んだ。(読売新聞 2019/7/2)

G20首脳声明では「反保護主義」、「WTO協定整合的な貿易措置」、「多角主義(マルチラテラリズム)の重視」といった米国にとっての『NGワード』は盛り込まれなかった(Wedge報 2019/7/3)。米国に最大限の忖度をし、トランプ大統領から褒めちぎられた安倍首相は、他の首脳からはパッシングされた。そして、「自由で公正なルールに基づく世界貿易」を表明したG20議長国が、その二日後に安全保障上の同盟国たる韓国に「輸出先として信頼できない国」という無理筋な口実(韓国人元徴用工らへの損害賠償問題への事実上の対抗措置)で経済制裁を加える。須らくトランプ流儀であるがトランプよりも数倍筋が悪い。

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[絶妙の一枚?]
今井氏と彼の出身部署である経済産業省は緻密なシナリオを整えた。韓国にとって最大の急所である半導体とスマートフォンを精密打撃地点に選んだ。名分として掲げたのは「安全保障」だった。安全保障上、必要なら例外的に貿易規制を許容しているWTO(世界貿易機関)の協定上の隙間に食い込んだ。安保友好国に貿易審査に関連した特恵を提供する「ホワイト国」から韓国を除外する措置も巧妙だった。日本が前面に出した「安全保障」という名分にも合い、今後、韓国企業の対応によって輸出規制対象を無尽蔵に拡大することも減らすこともできる。駆け引きとアメとムチを手に、韓国を意のままに圧迫できる絶妙の一枚を見つけ出した。(中央日報 2019/7/3)

安倍首相の懐刀たるその今井秘書官はG7伊勢志摩サミット(2016年)で「現在の世界経済は、リーマン・ショック直前のような危機にある」と安倍首相に吹聴させ、各国首脳を騙そうとしたストーリーメイカーでもある。またぞろ調子に乗ってWTO(世界貿易機関)の協定上の隙間を見つけて喜んだのかもしれないが「無理筋」であることは上に述べた通り。その筋の悪さは2016年に証明済み。

元徴用工問題で関係が悪化する韓国に対し科す経済制裁は第二弾三弾と続くようだ。国際協調、貿易秩序に背を向けても安倍政権が固執するのは精神的ナショナリズムである。それは他者を差別し排除し蔑視しその相対で自らを良くみせる偏執性ゆえに経済さえも顧みず最後は国益までも捨てる。国益に背く政権に対して我々はその恥を知らしむために一票を投じなければならない。

粗暴に見えてもトランプは国益は捨てない。彼の口癖「判断は後だ・様子を見よう」という言葉の底には「具体的な行動につながらないものは無意味」とするプラグマティズムがある。それが無意味なうちは「何を実行していくのか注目される」とコメントするに留めることが政治的胆力である。

翻って、安倍晋三首相にはこの胆力がない。意味があろうと無かろうと自らを良くみせるためであれば、堪え性もなくキレてしまう。外交も自分本位にあっちを齧ってはヤメ、こっちを齧ってはヤメと汚く食い散らかし、挙句は国益も捨ててまわる。北方領土問題然り。プライドさえそれなりに満たしてやれば国富を気前よく差し出す者として、トランプやプーチンは手玉に取っているのだろう。トランプから板門店でそっと耳打ちされたのか、北の首領も加わりそうな雰囲気である。

(おわり)


posted by ihagee at 04:10| 政治