2021年10月04日

「あなたたちどうして自分たちの言葉を大事にしないんですか!(三木氏)」



「IOCを相手取った」IOC登録商標『五輪』無効審判について、同無効審判の請求人でもある三木義一氏(弁護士、前青山学院大学学長)主宰のYouTubeチャンネル『庶民大学TV Japan』に以下最新動画がアップロードされた(ゲストは同じく請求人である柴大介弁理士)。


(「五輪」無効審判)


動画の終段での三木氏の言葉は重い(以下)。



「日本語の問題をこういう形で軽々しく外国のこういう団体が商標登録するということの是非を今回問いたいわけです。これは本来は私たちがやることではなく日本のマスコミがやんなきゃいけないんですよ。自分たちが作った言葉じゃないですか!あなたたちどうして自分たちの言葉を大事にしないんですか!」

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「自分たちの言葉を大事にしないんですか!」は、マスコミだけでなく日本語(および文字文化)を共有する日本人全てに投げかけている。この問いを投げかける上でIOCを相手取って無効審判を提起した意義は大きい。

是非とも上掲の動画を視聴され問題意識の輪を周囲に広めて頂きたい。

(おわり)

参照記事:IOC登録商標『五輪』無効審判:YouTube『庶民大学TV Japan』で現状報告(2021年10月3日)

posted by ihagee at 07:29| 東京オリンピック

2021年09月30日

"IOCを相手取った" 審判請求書が受理された



"IOCを相手取った" 2021年9月13日付無効審判請求( IOCの登録商標『五輪』(商標登録第6118624号))が方式審理を通過し、特許庁に受理された。

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出願記事
商標 2017-166105
登録記事
6118624 (2019/02/01)
審判記事
2021-890047 (2021/09/13)審判(判定含む)
被請求人・代理人記事
被請求人CH- スイス国法人コミテ アンテルナショナル オリンピック
審判細項目記事
通常併合審理でない
更新日付
(2021/09/22)

以上、J-PlatPat(特許情報プラットフォームから)

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受理を以って、IOCは本無効審判事件の当事者(被請求人)となる。
つまり、「IOCを相手取った」審判の実体審理が開始されるということである(柴大介氏など請求人の適格性、つまり利害関係人であるかについて、被請求人=IOCは争う可能性があるが、審決時までに請求人は適格要件を具備すれば良いとされるので、たとえ争ったとしても実体審理自体は進められるであろう)。

登録商標『五輪』(商標登録第6118624号)の手続代理を行なった中村合同特許法律事務所を通じてIOCは無効審判請求の具体的理由を知ることになる。その「寝耳に水」の理由にIOCの驚天動地は想像に難くない。

「知的財産権の保護に極めて効果的な法令を既に整備し」登録された筈の文字標章『五輪』に、今になって違法性やら公序良俗違反が問われるわけで、万全の法的保護についてIOCに誓約し保証した日本政府に対しIOCは激怒するに違いない。

そもそもIOCが知る由も無い(また自ら使ってもいない)『五輪』なる日本語文字をIOCが自ずと商標登録するとは到底考えられず、IOCに忖度して誰かが登録を謀ったのだろう。しかし、その結果はIOCを喜ばすどころか「IOCを相手取った」審判事件に発展したわけであるから、これ以上のIOCの面汚しはなく、その誰かは今頃血の気が引いていると思われる。

だからと、IOCは口が裂けても自ら与り知らぬところで『五輪』が登録されたなどとは言えない。

言えば最後「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標(商標法第3条1項柱書・商標登録の要件)」に違反することになる(無効理由)。

さりとて、出願時に『五輪』を使用している又は使用する意志があったこと、また、登録に係る夥しい数の商品・役務(例: 「菓子」「ビール」)について使用意思を有することをIOCは客観的に証明することはできない。他の無効理由についても同様で、審理を通じIOCは二進も三進もいかない論理膠着に陥ることだろう。


(おわり)

<忖度>:元々の意味とは正反対の、目下の者が目上の言葉なき命令を読み取って先回りして行動するという、わが国特有のコミュニケーション手段。

関連記事:上に立つべき者はいずれか(安倍首相と前川氏)〜忖度の意味の違い


posted by ihagee at 09:27| 東京オリンピック

2021年09月27日

" 「五輪」も商標 IOCの愚!?" 東京新聞朝刊に記事掲載



"IOCを相手取った" 2021年9月13日付無効審判請求( IOCの登録商標『五輪』(商標登録第6118624号))に関連して、本日付(2021年9月27日)東京新聞朝刊「こちら特報部」(第22〜23面見開き)で " 「五輪」も商標 IOCの愚!?" と題した記事が掲載された。

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” コロナ禍の中で強行開催された東京五輪。閉幕後も積み残されたままの問題があると、知的財産を専門に扱う弁理士らが声を上げた。国際オリンピック委員会(IOC)が「五輪」の文字を商標登録したことを問題視して今月、登録の無効を求める審判を特許庁に請求したのだ。一体、どういうことなのか。(中山岳)"

" 「菓子」「ビール」も届け出 弁理士ら反発「取り消しを」 "

" スポンサーの使用料「選手育成支援に」と言うが・・・ "

" ライセンス契約 違法の疑いも "

" 「自らの利益のため規制 見直すべき "

等々、見出しが躍る。

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" 歴史を踏まえ、柴さんは「五輪は八十年以上も日本人が自由に使い、わが国独自の言語、文化として定着している。いわば公有のものだ。IOCの登録商標はそうした言語の私物化を許し、表現の自由を妨げることになり『公序良俗』に反する」と危ぶむ。" (同上記事より引用・下線は筆者)

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この「表現の自由を妨げる」行為に毅然としたメッセージを発すべき、言葉・文字こそ命である筈の文筆家、ジャーナリスト。彼らはいつまで沈黙しているのだろうか?

特に「表現の自由に対するあらゆる形の抑圧に反対することを誓う(「国際ペン憲章」)」に基づき行動するとその「基本理念」で謳っている日本ペンクラブには沈黙は許されない筈だ。

(おわり)

posted by ihagee at 06:38| 東京オリンピック