2017年08月19日

偏光フィルター(PLフィルター)への工夫



光線の「向き」を揃えるための偏光フィルター(PLフィルター)はガラスや水面の反射を無くしたり、花や空の色を鮮明にする効果がある。角度によって効果が変わるのでフィルターは二枚重ねで、外側のフィルターが自由に回せるような仕組みになっている。カメラの初心者でも使っている人は多いだろう。

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(PLフィルターを使った撮影例・Rolleiflex SL66+虫眼鏡レンズ+FUJICOLOR PRO 160NS)

私は円(サーキュラー)偏光タイプを愛用している。さて、撮影時に実際に変化の加減をファインダー内で視認しながらフィルターを回すことが多かった。しかしファインダー像で確認するのは以外と大変だ。

回す側のフィルターには白いマークが一箇所外周にある。太陽の方向に対して直交方向の被写体だとマークを基本的に太陽の方向にあわせると効果が最大になる。しかし撮影時に一々ファインダーから目を離してその小さなマークの位置を確認するのは難儀(私の場合、近くを見る場合は眼鏡を外さないと見えない)。そこで、ちらっと見ても判るように、マークのあるフィルターに細い結束バンドを巻くことを思いついた。結束部がマーク位置に来るようにすれば良いわけだ。

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ホームセンターで幅3.6mmの結束バンドを購入・マーク位置に結束部が来るようにする。回さない側のフィルターにバンドが被らないようにする。

CIMG4577.JPG


その位置で結束。

CIMG4579.JPG


フィルターを使う場合はフードを併用するので、フードと上述の結束したフィルターを螺合すれば、フードを回転するとフィルターも結束部ごと回転する。

CIMG4580.JPG


結束部が上に来る状態で、液晶モニター上のパターンをレンズ側から眺めると遮光されているのが確認できる。

CIMG4581.JPG


お試しあれ。

(おわり)


posted by ihagee at 20:49| Accessory

2015年11月18日

Prontorのケーブル・レリーズ

Stitzのケーブル・レリーズが壊れてしまったので、ドイツ・プロンターの中古品に取り換えた。レリーズで百年の間トップブランド・バリューを確立してきたメーカーだけのことはある。カメラ本体のシャッターボタンの重さや操作感をケーブルと押釦を介して指先にそのまま感じることができるから大したものだ。

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(Prontorケーブル・レリーズ)

電子部品の塊りである今どきのカメラにあっても、ギミックでそれら機械的なフィーリングをあれこれ再現しているが所詮はバーチャルである。リアリティに乏しい。機械的カメラに馴れた指先はうるさいのである。そんな指がこの世に存在し続ける限り、プロンターのレリーズは評価され続けるのであろう。50年前とさほど設計を変えなくとも「どうあるべきか」が最初からコンセプトが明確なので「同じものを作り続ける」ことができる。

日本ではさしずめ、<亀の子束子>(西尾商店)だろう。戦前からの建物で今も営業している。時流に流されていないのだ。

スマホのように移り気な市場のニーズに合わせて設計をどんどん変えていては、「同じものを作り続ける」ことができない。50年前の設計が50年先に通用するようなモノを作り続ける企業は少なくなっている。
posted by ihagee at 18:16| Accessory