2016年11月27日

Carl Zeiss Jena Pancolar 50mm f2.0の作例 その2



ゼブラのグリッド柄のCarl Zeiss Jena Pancolar 50mm f2。製造年度は1966年頃。

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(Exakta VX1000 & Carl Zeiss Jena Pancolar 2/50)

その先祖は1930年代に登場しZeiss Contaxや Kine Exakta, Night-Exaktaでも用いられていた6枚レンズ群Biotarである。第二次大戦の戦禍を免れたレンズストックがかなりあったようで、1946年に早くもそれらレンズを用いたBiotarが復活している。Meyer Görlitz Primo 58mm f1.9のような明るいガウス型が市場の要求となると、Biotar 75mm f1.5を元にZeiss Jenaは1950年代後半にPancolar 50mm f2を登場させた。当初はFlektogonの銘であったようだ。私の所有するレンズは自動絞り機構を持ったf2の後期型である。なお、Carl Zeiss Jenaとの銘のない、Pancolar 2/50、Exaktar 2/50が存在するがこれらの殆どがCosina(韓国製)のレプリカで1970年代に主に米国のExaktaショップの量販品として売られたようだ。米国EbayでPancolarを物色するとこれらレプリカも混ざっているので注意されたい。

さて、Carl Zeiss Jena Pancolar 50mm f2は開放で50mmまで寄れるので使い勝手が良い。以下作例を上げる。カメラはExakta VX1000、フィルムはFujicolor 100で2015年4月21日の撮影である(場所:自宅)。ネガフィルムからのスキャンにはEPSON GT-9700Fを用いた(このスキャナーでのフィルムスキャンは性能的にピントが甘くなるので、手持ちのGT-X980で再スキャンしたいところだが・・後述)。被写体はペットのセキセイインコ(ピーちゃん)。10年前に三鷹の小鳥店で800円で買ったオスのインコ。目も鮮やかな青色のインコを買おうとしたら、ご店主が有無も言わさずにカゴの中に群れていた幼鳥の中からさっとこのインコを掴んで「これにしなさい」と勧めた。つがいにしたら喋らないので、一羽で買うようにとも言われた。

目利きの通りとても丈夫でいろんな言葉を覚えて今も喋る。桃太郎はさすがにいい加減な話になってきたが。800円だったのはその小鳥店が店じまいをする為だったと後で知った。病気で羽が抜けて売り物にならないインコも店の奥で大切に飼われていたから、きっと店じまいしても売れ残った小鳥たちは大切に飼われたことだと思う。

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GT-9700FとGT-X980のスキャン画像(ネガフィルム)の比較。GT-X980では全く画像が別物と言えるほどピントが改善される。(ともに無修正)。ピントの甘さはカメラの操作ばかりでなく、フィルムスキャナーの精度にも関わっていると知る。

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(EPSON GT-9700F, Fujicolor 100, Carl Zeiss Jena Flektogon 2.8/35, Exaka RTL 1000)

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(EPSON GT-X980, Fujicolor 100, Carl Zeiss Jena Flektogon 2.8/35, Exaka RTL 1000)

(おわり)
posted by ihagee at 18:41| Carl Zeiss

2015年11月21日

Carl Zeiss Jena Flektogon 2.8/35

Carl Zeiss Jena Flektogon 2.8/35。白鏡胴の第一世代。シリアル番号の前に赤い文字でTとある。第一世代では珍しいコーティングが中玉にされているようである。

この世代のレンズは当然ながらモノクロームを前提に設計されている。埼玉難波田城公園の秋の景色をFuji Acros 100で撮影してみた。撮影日は今年の9/24、カメラはExakta RTL1000である。最初の3枚はZeissのオレンジフィルターを被せて露出を2段程調整。Acrosは赤外線フィルムではないが、フィルターを付けた分多少なりともコントラストがあるようだ。なお、翌月に同じ場所をIlford Delta400でも撮影した(作例はすでにブログに掲載済)。

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(この一枚のみレンズはCarl Zeiss Jena Pancolar 50mm f2.0 & Ihagee's extension tube)
posted by ihagee at 01:00| Carl Zeiss

2015年11月15日

Carl Zeiss Jena Pancolar 50mm f2.0の作例(マクロ)

Carl Zeiss Jena Pancolar 50mm f2.0にihageeのエクステンションチューブ(2段)を噛ませてのマクロ撮影。埼玉鴻巣市役所での「鴻巣びっくり雛祭り」で昭和初めの人形たちを被写体にしてみた(今年2/27撮影)。チューブを装着したExakta VX1000はさらに強面になった。

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(Ihagee Zwischenringe und Tuben)

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(全5段装着時のExakta VX1000)

フィルムはKodak Gold 200である。人混みがありモノポッドも使えず手持ち撮影でピンが合わせづらい。カメラのわずかな傾きも焦点をずらしてしまう。しかしあえて部分を写し込むことで主を失った人形たちに辿った歴史を語らせようと思った。彼らは芥子(けし)人形。座して薬指程の身の丈のその顔を寄せて見る。デジカメやスマホには素っ気ない人形たちも、露出計片手に真剣に向かいあう私には素顔を見せてくれたようである。

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posted by ihagee at 08:39| Carl Zeiss