
「自由は血でのみ勝つことができます。あなたは私に血を与えます、私はあなたに自由を与えます」
ネタージの言葉を身近な人に送ってください。彼は、イギリスからインドを救うために血を望んでいました。
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マハートマーは、イギリスからインドを救うために一滴の血も望みませんでした。以下のエピソードを身近な人に伝えて下さい。
ガンディーは生涯で一度だけ肉を口にしました。その夜、ガンディーは一晩中お腹の中でヤギが話しているように感じました。それ以来、ガンディーは生涯を通じて肉を口にするばかりか触れることすらなく、非暴力に従うことを決心しました。
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「我々自由インド仮政府並びにその指導下にある全ての者は、米英帝国主義に対し、最後の決戦を開始しようとしており、我々の背後には無敵の強さを持つ日本の力だけでなく、東亜の解放を目指す各国民の総意と決意の自覚の下に、今や我々は不倶載天の仇敵撃滅という目的に向かおうとしています。」(1943年11月5-6日に東京で開催された大東亜会議での自由インド仮政府首班のチャンドラ・ボース演説から)

(演説を行うチャンドラ・ボース)
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" 私たちは彼らを改心させようとしているのです。私たちのものは、英国支配への非暴力の抵抗です。我々の党は、外国の支配者との間に、真剣でありつつ、しかも親しさのある論争を展開しています。しかしながら、この運動に、外国勢力の支援は必要ないのです。(中略)あなた方が「インドから歓迎をもって迎え入れられる」などという悲しい幻想に惑わされ、過ちを犯さないようにお願いしたいのです。”(ガンディー・「すべての日本の人々へ」と題する手紙(1942年))
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ネタージ(チャンドラ・ボース)の「気迫と祖国愛」に衝き動かされた日本は自由インド仮政府の決戦に軍事支援(派兵)を行なった。その当時の日本国・日本人一般が描いていた「大東亜共栄圏」なるアジア主義と軍事派遣主義(アジアの平和を西洋文明の暴力から守るための戦争)という「アジア幻想」である。しかし、その幻想の果てがインパールだった。
“英国領インド帝国北東部の都市であるインパール攻略は、作戦に参加した殆どの日本兵が死亡したため(公称7万2,000人)、現在では『史上最悪の作戦』と言われている。・・・インパールでは当時の戦闘を「日本戦争」と呼んでおり、巻き込まれて死亡した住民が237人いる(wikipedia)”
1947年8月15日、ジャワハルラール・ネルー(Jawaharlal Nehru)は英国からのインド独立を宣言した。「あなた方」ではなく、インド人自身の手による「運動」で勝ち得た独立である。
偉大な魂「マハートマー(महात्मा)」は「アマン(平和)」を希求し実践する者にだけ与えられる尊称をインド人はガンディーに与えた。インド人にとって今も「偉大な魂」であり続けている。
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書斎の壁に掛けていた二人の偉大な科学者の肖像(アイザック・ニュートンとジェームズ・マクスウェル)を或る日、アルバート・アインシュタインは別の二人の肖像(アルベルト・シュヴァイツァーとマハートマー・ガンディー)に掛け変えた。世界のさまざまな恐ろしい暴力的なできごとを耳にした後のことだった。
アインシュタインは科学の謎を解きながら、宗教、精神性、自然、想像力などの主題について熟考し、科学に乗るエゴイズムという一方的な合理主義が人類全体の危機になると帰結した。その危機を克服したマハートマー・ガンディーに非暴力、謙虚さ、奉仕を見出し、また、西側の人々の中でマハートマーの考えを最も深く理解したシュヴァイツァーにそれらの正しさの完璧な例証を見出したのである。
(Albert Schweitzer: Reverence for Life - Documentary Preview)
「成功の絵を奉仕の絵に置き換える時が来た(アインシュタイン)」
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ウクライナのゼレンスキー大統領が、我が国の国会でビデオ演説を行うようだ。そのウイッシュ・カードはどうやらネタージ(チャンドラ・ボース)の言葉のようである。
ネタージがかつて我々にも血を求めたように、その求めに応じるが如く、「日本・ウクライナ友好推進議員連盟会長」兼「自民党憲法改正推進本部長」森英介氏(元法相)は、緊急事態条項を含む憲法改正議論を加速化させている(「ロシア軍と戦うウクライナ人の気迫と祖国愛」(森英介氏・2022年3月11日付毎日新聞記事)
「愛国者は常に祖国のために死ぬことを口にするが、祖国のために殺すことについては決して語らない(バートランド・ラッセル)」
殺す相手は他国民ばかりではない。自国民にも当たり前のように血を求め、血は血をさらに求め合う。その先には必ず戦争がある。
「蹶然起て」と敵愾心を煽り、独立解放の美辞美名の下、軍事・経済派遣を進めた嘗ての「アジア幻想」の再現ともなり兼ねない。ウクライナでの戦争をあたかも奇貨としようとする緊急事態条項、「愛国者」を気取る者たちの「アジア幻想」の再現を以って、一般市民ばかりが死と塗炭の苦しみを味わったあの過去の歴史を繰り返してはならない。
「戦争をしない国と、絶えず戦争をする国の価値観が同じはずがない(日本経団連の元専務理事・品川正治氏:故人)」。ゆえに、後者の価値観を今様ボースのゼレンスキーに持ち込ませてはならないのである。
関連記事:「アマンとマハトマ(平和と偉大な魂)」
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『'ヒト'という'種'の一員として」の戦争放棄(憲法第9条)』
「憲法は戦死者の遺言(俳優 鈴木瑞穂氏)」
「私たちはどこまで階段を登っていますか?」
「戦中派財界人 品川正治氏の苦言(2007年)」
(おわり)
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