引き伸ばし機(UV光源)でのヴァンダイク・プリントの続き(Polaroid Digital Palette HR 6000で作成したアナログネガ=35mmフィルム & Lucky Attache-35 (EL-Nikkor 1:2.8 f=50mm))。
およそ百年前のリアルフォトカードを元に HR 6000を介してFuji AcrosIIに焼き付けたアナログネガをUV光源の引き伸ばし機(Lucky Attache-35 (EL-Nikkor 1:2.8 f=50mm))でCotman Water Colour Paper B5 (fine)にダイレクトプリントした作例(露光時間約2〜3時間):
(少女)
----
(露光直後)
(いずれもGladys Cooper)
(Effir Hamilton)
----
トーニングを試みたくなって、米Bostick & Sullivanからゴールド=チオ尿素トナーキットを購入した。

以下作例:
ヴァンダイクプリントの金調色(ゴールドトーニング)は難しい。
ヴァンダイクのプリントプロセスではコントラストを実質的に制御できないため、プロセスとUV光源に正確に一致するようにコンタクトプリンタに用いるデジタルネガのコントラストをあらかじめ調整しておく必要がある(調整した画像をOHPフィルムにインクジェットプリンタで印刷しデジタルネガを作成する)。本稿はアナログネガ(35mm ネガフィルム)を用いるが元はデジタルデータなのでPhotoshop上で同様の調整を行うべきであった。次回の課題としたい。
----
この点、サイアノタイプの方がプリントプロセスでコントラストを制御し易いのかもしれない。しかしヴァンダイク程のプリント階調はないので奥行き感に於いて若干劣る。
以下作例(露光時間は5〜7時間 / ジャスミン茶でトーニング):
(いずれもGladys Cooper)
----
Gladys Cooperと言えば、オードリー・ヘプバーン主演のミュージカル映画『マイ・フェア・レディ』(1964年)でヒギンズ教授の母親役(アカデミー助演女優賞ノミネート)として知られているが、作例は若い頃のポートレイトである。そして同映画の舞台版でイライザを演じた神田沙也加さんが先般惜しくも亡くなられた。
イライザの華やかなコスチュームはセシル・ビートンが「英連邦で最も美しい女性」ガブリエル・レイをイメージして作り上げたことを知る人は少ないだろう(ガブリエル・レイ(Gabrielle Ray)- その6(在りし日の事ども))。
(Gabrielle Ray / ヴァンダイクプリント)
(おわり)