引き伸ばし機(UV光源)でのヴァンダイク・プリントの続き(Polaroid Digital Palette HR 6000で作成したアナログネガ=35mmフィルム & Lucky Attache-35 (EL-Nikkor 1:2.8 f=50mm))。
(左:露光中の引き伸ばし機、中:印画紙の様子、右:露光直後)
ガラスロッド(昔の温度計代用)での薬液(ソリューション)引きにもコツがいるようだ。水彩画紙(Cotman Water Colour Paper B5 Fine)上、線状に3箇所スポイトで液を滴下しロッドを紙の長手方向に往復して引くのだが、ロッドの引きの折り返しで薬液が溜まったまま乾かすと露光後にその跡が残る。
上掲の作例では線状にうっすらと跡が残っている。
そこで溜まりが生じたらすぐにティッシュペーパーで拭き取ってさらに一枚作成した。
露光時間は約2時間。サイアノタイプが4〜6時間程度なので半分以下の時間で仕上がる。サイアノタイプの場合、露光を始めてすぐに(5分程度で)像が紙に顕れその後は徐(おもむろ)に焼き目がつくが、ヴァンダイクは始めてから30分程経ってから像が顕れその後は急速に焼き目がつく。露光時間を多少オーバーしても結果に大差がないサイアノタイプとは異なり、ヴァンダイクでは最終濃度の半分になるよう目視で露光を加減する必要があり、電源管理をタイマーに任せ寝ている間に仕上がるサイアノタイプのようなズボラは許されないようだ。
比較例(サイアノタイプ/トーニング無):
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同じアナログネガを使いながらヴァンダイクとサイアノタイプとの間では随分と結果に違いがある。サイアノタイプには明暗のコントラストがあるように見え、ヴァンダイクには奥行きが感じられる。この奥行き感はトーニング(特に、ゴールド=チオ尿素トナー)を施すことによって写真らしさに変わる。
(トーニングの模様/YouTubeから引用)
ヴァンダイクはトーニングによって表現力を増すということ。いよいよトーニング(特に、ゴールド=チオ尿素トナー)を試したくなる。
(おわり)