2021年11月28日

ヴァンダイク - その3(引き伸ばし機)



引き伸ばし機でのヴァンダイク・プリントの続き(Polaroid Digital Palette HR 6000で作成したアナログネガ=35mmフィルム & Lucky Attache-35 (EL-Nikkor 1:2.8 f=50mm))。

前回のムラばかりが目立ったスポンジ刷毛に代えてガラスロッドで水彩画紙(Cotman Water Colour Paper B5 Fine)にソリューションを塗布してみた。

金属のロッドはソリューション中の銀が反応してしまうので、アクリルかガラスのロッドが良い。押入れで眠っていた昔の温度計(ガラス製)を使ってみる。

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簡単綺麗に塗布できた。最終濃度の半分になるよう目視で露光を加減するが、コンタクトプリンタではこの目視ができないから引き伸ばし機は大いに理がある。

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(この程度で露光は終わり:約2時間)


結果は以下の通り。

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金地の賞状額に収め、自然光下でサイアノタイプと比較してみた。

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(左:サイアノタイプ=トーニング有、右:ヴァンダイク=トーニング無)


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サイアノタイプでは潰れたシャドー部もヴァンダイクでは表現されている。こうなるとトーニング(ゴールド=チオ尿素トナー)も更に試したくなる。塩化金(ゴールド)自体は毒物及び劇物取締法により劇物に指定されているので個人が扱えないが、希釈した製品であればその対象外となるので(おそらく)、ネットで探すと代替(オルタネーティブ)写真用品製造販売で有名な Bostick & Sullivan, Inc.のサイトで販売されている("Gold Toning Kit For Salted Paper, Vandyke, Kallitype and Albumen" )。海外への発送も可能(入管での判断は別として)とのこと。いずれ検討してみたい。

(おわり)

追記:
アナログネガ(フィルム)で使用頻度が高いコマはカットし、べた焼き風にサムネイルを添えポケット式切手帳に保管し、カットしないフィルムは壁に吊り下げていつでも引き伸ばせるようしている。
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写真乾板は防湿箱に保管。

posted by ihagee at 11:31| ヴァンダイク