LPL Model 7451の続き(「サイアノタイプ - その113(引き伸ばし機)」)。
元にあったディフューザ・ボックス(散光箱)に代えてスポットライト用のフレネルレンズ、Aputure フレネル 2xを使い機能的にコンデンサレンズと同様の集散光となるようLPL Model 7451を改造し、4" x 5" 用のレンズ(4×5判 1.6〜5.8倍 大全紙)であるFujinon-EX 135mm f5.6で無理やり35mmフィルム(135フィルム)をプリントした迄は前回の記事の通り。ヘッドを最大に引き上げてB5の紙にプリントするのが精一杯だった。35mmフィルム(135フィルム)はやはり50mm焦点のレンズを用いるべきだろう。
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6x6(120フィルム)でさらにプリントを行った(vif Art / B5 H.P. surface) 。
いずれも1950年代の美国(積丹)で撮影された120ネガフィルムを用い、二時間と五時間それぞれ焼き付けを行いジャスミン茶でトーニングを施した。後者のプリントは銀塩写真に近い雰囲気を再現している。
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次にガラス乾板を使ってプリントを行った。LPL Model 7451は最大4" x 5"(インチ)迄対応するが、4" x 5"より大判の乾板も枠穴に収容可能ゆえ、5" x 7" の乾板でも部分を拡大するのであればプリントできる。昭和11年(1936)製乾板用ハンザ特許引き伸ばし機では枠穴に余裕がないので、5" x 7" を差し込むことはできても動かしてプリント範囲を調整できなかったが、LPL Model 7451ではそれが可能である。
全身または半身のポートレイトのバストアップからさらに拡大して顔だけをプリント(vif Art / A4 H.P. surface) 。
1880年代〜1920年代のガラス乾板を使い焼き付けは約五時間、ジャスミン茶でトーニングを行う。視線を合わせない被写体の物憂げさを表現できた。
比較(ハンザ特許引き伸ばし機/Anastigmat F=125でのプリント):
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5" x 7" サイズのガラス乾板で被写体の全身が4" x 5"内に収まっていれば、全身のプリントは可能。しかしFujinon-EX 135mm f5.6ではさすがにピントを合わせると四隅に光が回らずビネット調になるので、半身をプリントした(vif Art / B5 H.P. surface) 。
1920年代のガラス乾板、五時間焼き付けてジャスミン茶でトーニングを行う。このプリントでも銀塩写真に近い雰囲気が再現できた。光源を50Wから100Wに代えたことは(共に395nm)プリントの白抜けの良さに貢献しているように思える(焼き付け時間は然程短縮されない)。
(おわり)
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