本ブログ(Film Photography)はさて今年フィルムでの撮影を行っていない。看板倒れは不本意なので、近場に秋の名残のコスモスを求めてカメラを連れ出した。
春のうららに惰眠を貪るかどことなく憂鬱なポピー(雛芥子)、高い空にすっと立って風に揺れるコスモス(秋桜)。薄く蝋を引いたような花びらが蕊に光を抱き込み花芽を倦んで垂れるポピー、他方、光に掌を翳すかに瓣を凛と広げるコスモス。開花の時期にコロナの緊急事態宣言が重なったポピーは撮りそびれた。
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例年、花畑が人で賑わうコスモス街道(新河岸川の木染橋付近・埼玉)は、一つと花が見当たらない。二年ぶりの再訪で、前回は10月の頭だったので遅きに失した。花を手入れする場所は季節を過ぎれば刈るのだろう。民家の庭先にちんまりとした花群を見つけた程度である。
ところを替えて向かったのは、難波田城公園(富士見)。その周辺はコスモスが自生している。この場所は前回もコスモス街道での撮影の続きだった。
自生が幸いし、撮影するに十分な名残を留めていた。
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連れ出したアナログカメラはIhagee Exakta VX1000(1966年頃製造・Carl Zeiss Jena Flektogon 2.8/35)とVoigtländer Superb(1933年製前期型・Skopar 75mm F/3.5 & クローズアップレンズ)の二台で、VX1000には富士フィルムの新装なった「NEOPAN 100 ACROS(アクロス)II」、SuperbにはKodak Tri-X 400を詰め、セコニックの露出計、モノクローム撮影用のYフィルター(VX1000にはオレンジフィルター)を携帯し、さらにSigma DP2Sも相伴させたので、カバンが重くてならなかった。
土日(10月24/25日)を撮影に当てるものの、土曜日はあいにくの曇天ゆえ、VX1000で数枚撮影したのみ、快晴の翌朝、難波田城公園の周辺で撮り切った。
(以上、Sigma DP2Sで撮影)
VX1000はSuperbと同様、ウエストレベルファインダー(アイレベルは今回用いなかった)なのでカメラを倒して撮影できず全て横長の構図となる。尚、Exaktaは夙に有名なExakta Varex IIaを2台所有するが実際の撮影には使っていない。シャッター布幕の経年劣化は実用に供するに厳しい状態だからで、より時代の新しいVX1000とペンタコンExakta RTL1000を使うことにしている。
(Exakta Varex IIaに負けず劣らず強面のVX1000)
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モノクロームのネガは別稿の「サイアノタイプ 」にある通り直接手製の印画紙に焼き付けることもできる。
(安価なマルマン画用紙を使った作例)
撮影の結果は現像後あらためて報告したい。
(おわり)
タグ:コスモス SIGMA DP2s Exakta VX1000 Kodak TRI-X 400 Voigtländer Superb 難波田城公園 Skopar Flektogon NEOPAN 100 ACROS
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