
(Wolverine MovieMaker Pro)
Wolverine MovieMaker Proの続き。
「フィルム位置を確認してください」と突然エラーメッセージが表示されてスキャニングが止まる現象が頻発。フィルムがジャミング(詰まっている)しているわけではない。フィルム自体はマイクロファイバーで事前に清掃を行い、本体側のフィルムガイドやスプロケットはエアダスターで埃を払っている。したがって、フィルム搬送に物理的問題が生じて停止したということではなさそうだ。
同じ問題が報告されていないかYouTubeを当たったところ、旧型のWolverine MovieMakerで構造上熱問題があるとの動画がアップされていた。
フィルムをフレーム毎に送り出す機構にはステッピングモータが使用されている。高トルクで頻繁な起動・停止を行うため、モータのコイルが高温になり、その上に配置されている制御基板やSDカードのスロットが熱を帯びてパルス制御やデータ書き込みにエラーが生じ、結果としてスキャニングが停止するということが想定された。旧型ではテイクアップリールを回すためのベルトがこの高温で溶ける現象があるそうだ。
最新型ではこのベルトはダイレクトドライブのモータに置換されたが、その他の部品構成はほぼ旧型と同一なので、熱暴走を疑って対策を講じる必要があると判断し、別稿のサイアノタイププリントで、ハイパワーUV LED 光源の熱対策でCPU冷却用のヒートシンクとファンが極めて効果的だったので、今回も熱源たるステッピングモータに集中して対策を講じることにした。
ステッピングモータのコイル部の面積に合わせてW22.5×D22.5×H5mm大のアルミ製ヒートシンクと、W40×D40×H10mm大でUSB電源駆動(三段階の風力調整機能付)のファンをAmazonで購入。


ヒートシンクをステッピングモータの側面(コイル面)と軸受部(金属)およびSDカードスロットの天板に貼り付ける。

これら熱源に外気を当てて強制的に冷却するため、裏蓋の下部に穴を開けて対抗する内側にファンを配置した。





(穴部のベンチレータは35mmフィルム容器の蓋を細工して利用・雑な細工だが効果重視)
さらに、帯電防止(防塵)効果があるFCJ製の帯電防止剤スプレーREP7を樹脂部に薄く施した(発光板は避けた方が良い。わずかな塗布ムラも影として映り込んでしまうゆえ)。
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上述の施工後、スキャニングが何度も止まったレギュラー8のフィルムを使って、同じ症状が再現されるかテストを行うが、今度は何の問題も起きない。心なしかスキャンされる画像も綺麗に見える。ファンの風量は最大(H)にし、裏蓋上部のスリットに指をかざすと熱を帯びた空気が排出されているのが判る。ファンが外気を取り入れてヒートシンクから熱を逃し、結果として制御基板の熱暴走を防止しているのだろう。
Wolverine MovieMaker Proを使っていてエラー表示が頻発するようであれば、上述の措置を施すことを強くお勧めしたい。アナログ映写機ではフィルムが詰まるとたちまち溶けるなど光源の高熱に悩まされた。このアナ=デジ変換機はLED光源だからと熱対策を油断していた。ステッピングモータが熱問題のただならぬ伏兵であることを今般気付かされた次第である。
(おわり)
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