2020年06月16日

サイアノタイプ - その107(引き伸ばし機)



銀塩プリントの代替手段としてサイアノタイプの可能性を本稿ではテーマとしている。

アナログのデータソース(アナログフィルム・乾板)に記録されている情報をそのまま紙に焼き付けること、一般的なコンタクトプリントでは難しい階調や細部の表現にチャレンジすること、その過程はシンプルで且つ費用がかからないこと、そして過去の資源(フィルムなど記録媒体・引き伸ばし機など暗室用品)を再利用できることに理があると勝手に思っている。

感光剤を紙に塗布する段階でいくつか工夫を施すことでプリントに深みと奥行きを与えることができるということも次第に判ってきた。

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拙稿「乾板写真の美」で紹介した乾板を使ったプリント。さらに上述の工夫を施すと、
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少し焼き過ぎて暗部が潰れ気味となったがだいぶ先のプリントと趣が異なってくる。

同様に以下比較。
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普通にプリントした場合も、
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となる。
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以上は乾板用引き伸ばし機でのプリント結果だが、フィルム用引き伸ばし機でも同様の表現が可能。

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(おわり)

posted by ihagee at 03:08| サイアノタイプ