2020年04月25日

旅気分 / Train Driver's View



件の「自粛」要請で日本は幕藩体制に戻ったかの如く、国境(くにざかい)を越えることもままならない時勢となった。5月の連休明けまでとされる「自粛」はさらに続く可能性が高い。

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いまどきの若者のようにバーチャリティを肌感覚で受け入れる世代ではないが、運転席の前の景色(一等席)だけを延々と流すビデオは多少なりとも出かけた気分になれるが故に案外気に入っている。YouTubeには "Carview" として各国の鉄道の一等席がアップロードされているが、それらの中でバルカン半島の鉄道網を中心にしたdulevozチャンネルのCarviewはなかなか楽しめる。

以下私なりの楽しみ方:
・コーヒーを淹れる。
・パソコンの画面に"Carview"を映す(できれば全画面)。
・"Carview" の音声は消して、バックグラウンドでRadio Swiss Classicのストリーミングの音楽を被せる(Apple iTunes の "インターネットラジオ"でも "Classical" のジャンルで "Radio Swiss Classic" をバックグラウンドで再生可能)。
・興味を引く景色には一旦動画を止めて、画面左下にクレジットされている地名を確認。
・Google Mapで地名検索しストリートビュー上で "途中下車して辺りを徘徊する"。
・バーやレストランを "訪ねたり"、名所史跡を "見学する"。

例:

ベオグラード=バール鉄道:セルビアの首都ベオグラードとモンテネグロの主要港湾都市バール(Bar)を結ぶ鉄道路線。海抜3mのバールから海抜1,032mのコラシン(Kolašin)の間の急峻な山岳路線には、102のトンネル(長さ6kmを超えるトンネル2つ)と92の橋梁(鉄道橋としては世界一の高さを誇るマラ・リイェカ橋梁を含む)、5~10億年前の地殻変動に由来する折り重なった断層など、鉄道ファンならずとも感興が沸くことだろう。

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(バールのレストランでバーチャルに食事する)


モンテネグロとアルバニアの国境にあるバルカン半島最大のシュコダル湖。湖畔のレストランでワインを味わう。
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(ストリートビューで "マラ・リイェカ橋梁"を俯瞰する)



(近くのレストランに立ち寄る・辺りを徘徊する)


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インバウンド消費などと鳴り物や喧騒(今振り返ると作り物の観感興起だった)とは無縁のマッタリとした時の流れは人々の生活感が景観と織りあって心が癒される。態とらしい(わざとらしい)とは反対の何気なさにこそ旅情は育まれる。

(おわり)

posted by ihagee at 21:33| 日記