2020年04月05日

サイアノタイプ - その104(引き伸ばし機)



ウィルス禍で仕事や日用品の買い物以外は外出自粛。

書斎の殺菌(気休め)を兼ね紫外線光源の引き伸ばし機を使ってサイアノタイプ・プリントをする。SMDのUV光源(395nm, UVA / 50W)は以前用いていた砲弾型UV LEDと比較にならない程、高寿命且つ光源として安定している。一枚当たり約五時間、百枚近くプリントしても光量が落ちずコスパは高い。最初のユニットはすでに一年使い続けているが未だ使用可能(関連記事:サイアノタイプ - その71(引き伸ばし機))。

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1880年〜1890年代に撮影された写真乾板(6.5 "x 4.25")を使ってプリント。被写体はオレイサ(Olathe / 米国カンザス州)の名士(I.O. Pickering)の一族。一枚目はジャスミン茶で軽くトーニングを施し、二枚目はトーニングはせずプルシャンブルー本来の持ち味を生かした(用紙:Cotman Water Colour Paper (B5 / Medium))。

平滑性に優れた乾板(ガラス)はそれ自体引き伸ばし機のネガキャリアとなるのでフィルムよりも扱いが良い。但し、引き伸ばし機はフィルムではなく乾板用でなければならない。

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(昭和11年(1936)製の乾板用ハンザ特許引き伸ばし機(Anastigmat F=125, 1:6.3))

乾板用引き伸ばし機は同上のような博物館級の骨董を探すしかないが、ヤフオクではたまに「使用目的不明」なガラクタとして出品される。私のような酔狂な者しか関心を寄せないので博物館級であっても値段が安いのが取り柄ということ。

(おわり)


posted by ihagee at 08:10| サイアノタイプ