特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(平成28年12月26日法律第115号)は、カジノを含む統合型リゾート(英称:Integrated Resort、略称:IR)、いわゆる「IR整備法」。
その中でも「カジノ」が、我が国の経済活性化の “起爆剤” であると安倍首相は位置付けている。
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「カジノ」とは”賭博を行う施設の一つ。ルーレットやブラックジャックなどのゲームで金銭を賭ける場所。日本で言う賭場”。「賭場」とは ”賭博を行う場所のこと”。「賭博」とは ”負けた方は賭けた財物を失” うことを前提とし ”人の射倖心をくすぐり、時に中毒的な依存状態を招き、破産や人格崩壊に至り、果てには自殺、殺人に及ぶ場合もある” (以上 wikipediaから抜粋)
これが安倍首相に言わせれば「(我が国の)経済成長の柱 / 経済活性化の “起爆剤” 」だそうだ。
「賭博」は古来より法度。チンチロリンと賭け事にうつつを抜かすは自堕落。およそ真っ当なことではない、が我々の大多数が共有する道徳観である。”賭博を行う施設" である「カジノ」は、その開帳もそこでの賭け事も、刑法の賭博罪及び賭博場開帳罪との関係で言えば本来犯罪。しかし、「IR整備法」ではなぜか合法化されている。
合法化されようとも、人の不幸(破滅に至らしめる)を前提に成り立つことに変わりはない。ゆえに、人の不幸を前提に成り立つカジノ(”賭博を行う施設")およびカジノ産業を「(我が国の)経済成長の柱」などと言うは、「人を不幸にさせることが経済であり産業である」と言うに等しい。つまりは、アベノミクスの三本目の矢「成長戦略」の柱がこの「人の不幸を前提に成り立つカジノ」。
本来なら法度であり犯罪である「カジノ(国内3箇所)」のために内閣府の外局に新たな役所が新設された(「カジノ管理委員会」、特定複合観光施設区域整備法に基づく)。「人を不幸にさせる」ことで成り立つ経済・産業に、役所を作り国家公務員をあて税金を投入し「推進」する。
いつから、こんな情けない国に落ちぶれてしまったのだろうか?
国民一人一人の生き方や幸せに直結すべき国家の大計をその真逆の破滅や不幸に求める。反社会勢力・犯罪の定義すら一つとして持ち合わせない政権ゆえむべなるかな。不幸にさせ破滅させる側にのみカネが集まる。それはカジノに参入しようとする海外事業者に限らず、その働きかけに応じる政権中枢も同じ。IR法推進の担当副大臣だった者などによる汚職は、経済活性化の “起爆剤” たるカジノ(安倍首相弁)が事の始まりからしていかに筋悪であるかを示している。
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「桜はもう散った。早くこの問題から次の建設的な議論に移していかないといけない」(二階自民党幹事長)
その建設的議論に「カジノ」はあるそうだ。
”背中に見事に咲いた金さんのお目付け桜夜桜を、よもやてめえら忘れはしまい。散らせるものなら散らして見やがれ”
お目付け役はわれわれ国民一人一人。犯罪が経済成長の柱であって良いはずなどなし。
(おわり)
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