2019年07月09日

サイアノタイプ - その83(引き伸ばし機)



SMDのUV光源を使ったサイアノタイプの続き。

タンスの中で眠っていた二年前の感光剤(Jacquard Products社:Jacquard Cyanotype Sensitizer Set A剤、B剤)を豆乳(無添加)に混ぜ、ウィンザー&ニュートン コットマン パッド 細目(B5)にスポンジ刷毛で塗布しての作例は前回の通り。刷毛塗りの刷毛目や泡立ちは感光剤が古い場合、露光に影響し汚れとして現れやすい。

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大判のアナログフィルム((MAXWELL - A student at the School of Modern Photography NYC, 1940s photo negative (approx. 7" X 5”) )を昭和11年(1936)製の乾板用ハンザ特許引き伸ばし機 (Anastigmat F=125, 1:6.3)にかけた。

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(露光中)

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(露光=約二時間・完了した状態)

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露光(約二時間)後、コーヒーでトーニングしミョウバン液で定着、水性ニスで仕上げた。深みのある像となったが刷毛目や泡立ちがシミのように残っている。

そこで、刷毛目や泡立ちを起こさないように豆乳の感光剤をスポンジ刷毛にたっぷり含ませて塗布した。面に液溜まりができるが構わずそのまま乾燥。

乾板(Pickerling一族の乾板(1880年〜1890年代撮影))を使う。

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(露光=約二時間、水洗・オキシドール浴後、ミョウバン水に漬け乾燥・水性ニスで仕上げ)

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露光を三時間にして同じ条件でもう一枚プリント。

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ほぼ同じ仕上がりだが、二枚目の方が良い。アナログの乾板に記録されていた情報をグラデーション(階調)の最大範囲で紙面に再現できた。


(Kansas, OlatheのPickering Houseは現在修復中)

(おわり)

posted by ihagee at 04:01| サイアノタイプ