SMDのUV光源を使ったサイアノタイプの続き(引き伸ばし機:昭和11年(1936)製の乾板用ハンザ特許引き伸ばし機 / Anastigmat F=125, 1:6.3)。
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(Pickerling一族の乾板(1880年〜1890年代撮影)使用)
ウィンザー&ニュートン コットマン パッド 細目(B5)での作例。豆乳を薄めず下引きし乾燥後、サイアノ液を塗布し長めに露光(約六時間露光)。水洗・オキシドール浴後、ミョウバン液に浸けて仕上げた(トーニング無)。プルシャンブルーのサイアノらしいプリントとなっている。
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同じくPickerling一族の乾板(1880年〜1890年代撮影)を使って、コーヒーでトーニングした。一枚目はPickerling House(建物は歴史的建造物として現存)のおよそ130年前の子供達。二枚目、鼻眼鏡に水玉のカラーの好男子は弁護士一家の惣領か?
同じく、Pickerling一族の乾板(1880年〜1890年代撮影)でのプリント。前掲の一人のポートレイトと異なり、集合写真の場合はトーニングによって顔の部分が一様になって案外つまらない。絵柄によって相応しいものとそうでないものがあるようだ。
(露光中・室内の照明下で露光面を視認できる。)
オキシドール浴をせず水洗のみで仕上げた例。1900年頃の乾板(場所:米国フィンガーレイクス)。プルシャンブルー(濃紺)になる手前のペールブルー(水色)で絵柄に相応しい。
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ネガを乾板から120フィルムにし、引き伸ばし機を35mmフィルム用のLucky Attache-35(30WSMDのUV光源)に替えてみた。Lucky Attache-35の35mm用フィルムキャリヤーを外し、ガラスに120フィルムを挟んで挿入すれば、部分的にせよ120フィルムを引き伸ばすことができる。
Voigtländer Superb (Skopar 75mm F/3.5)とクローズアップレンズ(Voigtländer W/w FOCAR 30)で撮影したコスモス(フィルム:Kodak Kodak TRI-X 400 & Y-filter)をプリントしてみる(拙稿「Voigtländer Superb 顛末記 - その15」)。ウィンザー&ニュートン コットマン パッド 細目(B5)を使う(条件は好男子のプリントと同様)。
コーヒー・トーニングによって妙にドラマチックになる。
爽やかなコスモスらしく、絵手紙(ポストカード)用の vif Art (細目)にシンプルにプリントし、百均のフレームに飾ってみた。
(露光中)
(作家気分にオリーヴと鳩のエンボスを右下に施した)
サイアノ感光剤を部分的に塗布しただけ、三十分程度の露光、水洗(オキシドール浴無)でペールブルー(水色)に仕上がる。
(おわり)
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