2019年05月13日

サイアノタイプ - その75(引き伸ばし機)


UV光源(SMDユニット)の組み込みはハンザ特許引き伸ばし機 (レンズ:Anastigmat F=125, 1:6.3)とFujica Birdie Kit3 スライドプロジェクター(レンズ:Fuji Film P-Acular/1:3/f=50mm)で終え、ガラス乾板と120フィルムを用いたサイアノ・タイプを各々に於いて出来るようになった。

残りは35mmフィルム(135フィルム)。パーティ演出用UVブラックライト(30W)をアマゾンで購入し、UV光源(SMDユニット)とレギュレータを取り外し、PC用のクーラーと組み合わせて、35mmフィルム専用Lucky Attache-35(レンズ:Nikon EL-NIKKOR/1:4/f=50mm)に組み込んだ。

Lucky Attache-35に元から付いているレンズは分散(拡散)型で、点光源のSMDを組み合わせるには不向きなので、旧ソ連製の口径の小さなコンデンサーレンズと組み合わせた。このレンズはジャンクとしてeBayで売られていたもの。ディフューザーまで付いていたが、これは外した。

s-l1600.jpg


46946089834_f296a70228_k.jpg


----

純正の35mmフィルム(135フィルム)用フィルムキャリアーでなく、ガラスのキャリアーを使えば部分的にせよ120フィルムもプリント可能。古い120フィルムを用いて早速プリントを試みる。焼き付け時間は約二時間。ジャスミン茶でトーニングを施した。

フィルムには約60年前(1957年)の北海道積丹美国の景色が収まっている。

47607534882_775cac1434_k.jpg

神威岬灯台・昭和35年に現在の姿に改修されたが改修直前の姿。明治から大正へ改元された日に灯台守の夫人と子供が祝いの品を買いに出たところ荒波に攫われるという悲劇もこの改修前の灯台は知っていた。)

40694565993_82838dd5f4_k.jpg


47694513081_130526bb79_k.jpg

(手前の朽木の部分をジャスミン茶で濃くトーニングし、背景とのコントラストで奥行き感を表してみた。)

47786261181_175514db8d_k.jpg

(これは「さくら赤外線フィルム」。上述と同じトーニングを施す)

47734545092_5fe2e0c896_k.jpg


----

トーニングを部分的に重ねることで奥行き感を得ることができる。赤外線フィルムはデジタルネガでのプリントのようなコントラスト感を元々備えているので、部分的なトーニングに向いているのかもしれない。

(おわり)

posted by ihagee at 04:11| サイアノタイプ