2019年04月14日

サイアノタイプ - その73(Fujica Birdie Kit3)



銀塩写真用の引き伸ばし機のように吊るせば、水平面上で小穴式ピーク・引伸用ピント・ルーぺI型(No. 2000)を使うことができるが・・と前回ブログ

そこで思い切って今まで使ってきた引き伸ばし機(Lucky II-C)を分解し、Fujica Birdie Kit3を組み合わせてみた。水平に使うスライドプロジェクターが垂直に吊るされて何とも奇妙な姿である。ネジで組み込むようなことはせず、プロジェクターの脚部にフェライト磁石を取り付けて鉄製の引き伸ばし機のアームに磁力でくっつけただけだが軽量なプロジェクターゆえにしっかりと固定された。

ネガとなるフィルムはガラスキャリアで、ガラス乾板の場合はそのまま、フェライトよりも強力なネオジム磁石を仕込んだフェルトの抑えでプロジェクターに装填可能。さっそく1910年代の古いガラス乾板をネガとして使ってプリントを試みた。元来、120フィルムまでしか掛からないプロジェクターゆえに、それよりの大きな乾板であるから一部しかプロジェクションできない。スタジオで撮影されたと思われる母娘の写真の娘の顔が中心にくるように乾板をセットした。

印画紙上でピント・ルーペで焦点合わせを行う(光源が紫外線ゆえに、ルーペにセットしたiTouchのカメラ画像を介し液晶越しに焦点を確認)。引き伸ばし機の専用レンズと比較にならないほど解像度の甘いプロジェクター用レンズなので程々にしか合わせることはできないが。

Collage_Fotor4443.jpg


焼き付け二時間、洗浄後オキシドール浴、乾燥後さらにジャスミン茶でトーニングを施した。

47599144831_fa852f694f_k.jpg


----

さらにもう二枚、同じく1910年代のガラス乾板を使ってプリント。焼き時間、仕上げは上述と同じ。

46872737104_80f22b2c25_k (1).jpg


32654367637_223ff4e7a9_k.jpg


----

引き伸ばし機のレンズならば、以下の程度まで細部を表現できるので、このスライドプロジェクターならではの表現を少し考える必要があるかもしれない。

43830797031_490ffdb264_o.jpg

(今回用いたネガを1933年製のハンザ引き伸ばし機を使ってプリントしたもの)

43974191981_56665c0d94_k.jpg


47236364551_1f042ecfe3_o (1).jpg


(おわり)

posted by ihagee at 09:30| サイアノタイプ