2019年03月06日

サイアノタイプ - その66(UV コンタクトプリンタ)



UV光源についてチップオンボード(COB)LEDはどうも相性が悪いと、前回記事で書いた。

引き伸ばし機の光源として用いるにしては、という意味であって、コンタクトプリントの光源としては有効である。例えば、パーティ演出用UVブラックライトはこのCOBであるが、ハガキ大のプリントを密着焼きするには丁度手頃。引き伸ばし機用光源にと試しに買ってその目的では失敗したSignstek紫外線UVブラックライト LED投光器で(中華製で3千円程の安物)、コンタクトプリントを試みた。開口部はガラスでシールドされており凹凸のない平面なので、印画紙とネガに上乗せするだけでコンタクトプリントができる(密着させられるだけの自重もある)。ジェルネイルやUV樹脂加工用として市販されているような御釜型のLEDライトよりもコンタクトプリントに向いている。

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(Signstek紫外線UVブラックライト LED投光器)

ネガはおよそ百年前の大名刺判 (6.5×9cm)のガラス乾板で乳剤面を印画紙に密着させ、光源を少し浮かせて焼いてみた。上述の通り、パーティ演出用UVブラックライトは引き伸ばし機の光源としては役に立たない。ライトハウスから印画紙までの十数センチの距離だと紫外線が全く届かないからだ。しかし、コンタクトプリントの距離ならばあっという間に感光させるだけの紫外線(395nm辺り)を放つ。

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(十分焼き付け・水洗オキシドール漬・乾燥中)

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光源を浮かせるために使ったクリップの影まで映り込んでいるが、しっかりとガラス乾板の像が浮かび上がった。コンタクトプリンタとしてパーティ演出用UVブラックライト投光器を用いるのは最適かもしれない。

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中華製懐中電灯タイプのブラックライト(FOCUSPET 100 LED)から取り外したユニットが寿命を迎えたようだ。最後の一枚と、引き伸ばし機(Lucky II-C )でサイアノタイプを試みる。レンズはNikon EK-Nikkor 1:2.8 f=50mm。ネガは同じくおよそ百年前の大名刺判 のガラス乾板(6.5×9cm)を用いた。

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(四時間焼き付け・水洗・オキシドール浴後、ジャスミン茶でトーニング)

焼きが浅くなった。このユニットでのプリントはこれが最後。今週末にはスペクトロライトSPL-100-CCが届く予定。実装可能なφ5mm砲弾型LEDも手配した。引き伸ばし機でのプリントもこの光源なら安定するのではないかと期待している。


(おわり)


posted by ihagee at 04:19| サイアノタイプ