2019年02月16日

サイアノタイプ - その64(引き伸ばし機)



1950年代のネガフィルム(ブローニー・1950年代積丹美国)を用いたサイアノタイプ・プリント(vif Art (B5 H.P. surface) 。引き伸ばし機はLucky II-C (Fujinar-E75mm F4.5 / 光源: UV LED)。

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(四時間焼き付け・水洗オキシドール漬後、ジャスミン茶でトーニング)

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昭和11年(1936)製乾板用引き伸ばし機(近江屋写真用品=ハンザ特許引き伸ばし機 / Anastigmat F=105, 1:6.3)を使って、ガラス乾板からプリント。

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百年以上前のガラス乾板(大手札判 9×12cm)をプリント。「モナリザの微笑」を浮かべるこの少女のポートレイトは何度かサイアノタイプを試している。プリントごとに微笑みが異なる不思議な写真でもある。(拙稿「乾板写真の美」「乾板写真の美(続き)」)

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(四時間焼き付け・水洗・オキシドール浴のみ)

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(同上プリントをジャスミン茶でトーニング)

トーニングすると大分印象が変わる。

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同様におよそ百年前の大名刺判 (6.5×9cm)のガラス乾板からプリント。ジゴ袖のオールドファッションは女性が社会で貞節を求められていた時代を表している。ライズで撮影された鼻眼鏡の女性。

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(四時間焼き付け・水洗・オキシドール浴後、ジャスミン茶でトーニング)

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以上は、中華製懐中電灯タイプのブラックライト(FOCUSPET 100 LED)から取り外したユニットを電池の代わりにAC/DC adaptor (9V/350mA)で駆動したUV光源を使っている。B5版(vif Art H.P. surface)20枚程度(4時間/枚)プリントするとさすがに光が弱くなるが、ブラックライト自体は3000円以下でアマゾンで購入可能な品物なのでコスパは悪いとは言えないだろう。

さて、UV光源を取り替えてみた。
アマゾンで取り寄せた演出用のステージライト(ブラックライト)である。

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商品名「TECKEPIC ブラックライト」は 「高品質な36個ハイパワーLED光源を採用して、高輝度、少ない電力を消費し、安定した性能を保証し、寿命が20000時間を超えています」と説明文にあった。AC電源で駆動し放熱用のファンが内臓され18X18X12 cmの大きさゆえに、ハンザ特許引き伸ばし機のライトハウスにそのままポン乗せできる。波長は400-435nmとだいぶ可視光寄り(従来用いてきたFOCUSPET 100 LEDユニットは395nm辺り)ゆえか、明るい。値段は4000円程度。

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手札判 (8×10.5cm)のガラス乾板を使った。この乾板の写真もおよそ百年前に撮影されたものだが、場所はアメリカ。『大草原の小さな家』に出てくるような開拓民のおじいさんとその孫らしき子供が真剣な眼差しをこちらに向けている。子供たちの射込むような表情には驚かされる。

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(四時間焼き付け・水洗・オキシドール浴後、ジャスミン茶でトーニング)

設定でランダム明滅・部分点灯・全点灯を選択できる。さっそく、全点灯で焼き付けてみたが結果は紫外線光量不足でプリントは失敗。ところが、ランダム明滅設定で焼くと上手くいった(上掲の作例の通り)。LEDの特性か、通電した瞬間にUV波長領域の光が出るようだ。ステージライト用途なので光量も落ちず使えそうだ。

(おわり)

追記:
「TECKEPIC ブラックライト」でその後、ランダム明滅設定でプリントを何回か試みたが失敗。従来のUV光源に戻ることにした。

再追記:
「TECKEPIC ブラックライト」を分解。アクリル製のリフレクター(反射レンズ)を取り除き、UV LEDを露出させた。アクリルは紫外線を遮る性質がある為。この状態で全点灯でサイアノタイプを試みるつもり。引き伸ばし機の集光レンズにLEDからまっすぐに光が入射しているので上手くいきそうな雰囲気である。
posted by ihagee at 10:33| サイアノタイプ