2019年01月15日

清玄桜姫・飛び降り考(続き)



清玄桜姫・飛び降り考」の続き。

北方領土問題を含む日本とロシアとの平和条約交渉は今月21日にも開かれる(予定の)安倍総理大臣とプーチン大統領の会談に向け、交渉責任者である両国外相による会談が昨日(14日)終了。

「願いを叶えたかったら、飛び降りてみよ」とやはり繰り返し言われた。飛び降りて死んでしまえば願いが叶う可能性はゼロになる。単なる自殺行為である。死ななかったとしても、願いが叶うかは全く知れない。「死ぬ・死なない」は国内世論(来たる参院選)および米国次第(後述の通り)。要するに、死ぬかもしれないつもりで飛び降りなければ、良くも悪くもその先の展望は展けないと、ロシア側は日本側に迫っている。

第2次大戦の結果を日本が完全に認めること、日本は今後、南クリル諸島(国後・択捉・歯舞・色丹を含む)を北方領土と呼ばないこと、南クリル諸島のロシアの主権を認めること、が「飛び降りる」ことである。

----

飛び降りなければ、実質的な平和条約交渉は始まらないと、いつまでも「とうざいとうざい」と口上挨拶ばかりで表向き幕を上げない日本側に圧力をかけている。国境の線引きをする際に、歯舞・色丹の二島をロシアの主権を残したまま(ロシア領として)「引き渡す(貸す)」のか、主権ごと割譲するのか、はわからない。さらに、その条件たる、それらの島に日米安全保障下での米軍の駐留が将来に亘って及ばない(ロシア側の要求)と日本が米国に言質を取れるのかもわからない。

したがって、平和条約を締結したとしても、将来の割譲があるやいなや曖昧にしたまま、ロシアは今後、日本から多額の経済援助を引き出すことができれば、ロシア政府の願いが叶うことになる。

「第2次大戦の結果を日本が完全に認めること」、を認めれば、日露間だけでなく、日韓、日中間の領土問題を含む歴史問題に等しく被さってくるだろう。ロシアだけに認め、中国や韓国には認めないとは言えなくなる。「第2次大戦の結果を日本が完全に認めること」の上で、ロシア領土の割譲を粘り強く求めるという補項的交渉は、従軍慰安婦・徴用工問題で、韓国側が日本に求めるスタンスと同じことにもなる。米軍の駐留云々についても、この問題で日本政府が米国と交渉しようものなら、辺野古の基地問題とのスタンスの違い(矛盾)が鮮明となりかねない。要するに、あちらを立てればこちらが立たないという状況に追い込まれる。

----

「領土問題を解決して、平和条約を締結する。この戦後70年以上残されてきた課題を、次の世代に先送りすることなく、私とプーチン大統領の手で必ずや終止符を打つという、その強い意思を大統領と完全に共有いたしました」と、2018年11月のシンガポールでの日ロ首脳会談後、安倍首相は言い「必ず」「完全に」と大見得を切った。

ロシア側の主張を全て認めるという「飛び降り」を日本政府がロシアとの間で密約でもしなければ、こんな見得は切れない。河野外相が<東京宣言>の有効性について野党から問われても「お答えは差し控える」とダンマリを決め、その後も日露間の交渉について悉くコメントを行うことを避けてきた。表向きはそうせざるを得ないのだろう。日韓問題では血気盛んなマスコミの論調も日露問題ではそうではない。

「功名心にはやるあまり、巧を弄して拙を成す」と安倍総理大臣はプーチン大統領にその心を読まれているのではないか?その成す拙こそプーチンにとっては巧となる。

21日の日露首脳会談が行われるのか、・・舞台は続く。

(おわり)

追記:日露首脳会談は1月22日開催と決まった。

posted by ihagee at 03:33| 政治