脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)のちらしをもらった。
「自分の頭で考えて行動することの大切さ(広瀬隆氏)」を改めて自分に言い聞かせた。最初から安全なる神話があって、それを我々はただ盲信すれば良いという構図こそ疑ってかかるべきだろう。
東京電力福島第一原子力発電所の未曾有の産業事故に由来する放射線公害は収束の目処一つなく今も間断なく続いている。「アンダーコントロール(安倍総理)」どころか、8000 ベクレル/kg以下の放射能汚染土壌を農地などに利用する・680基の放射能タンク汚染水を海に放出する、といった計画を国は着々と進めようとする。どこが「アンダーコントロール」なのだろうか?生活環境にばら撒いてしまった後はコントロールのしようもない。つまり、ばら撒いた後の挙動については「知り得ません」は管理と言えるのだろうか?ただ単に「管理し切れないのでばら撒きます」と同じことなのではないのか?
いずれにせよ「自分の頭で考える」ことだ。
我々の生活環境とは完全に隔離された閉鎖系で厳重に管理されるべき放射能汚染廃棄物(閉鎖系の管理基準は厳しい)。今、国が行おうとしていることはそれとは真逆の無管理の拡散かもしれない(基準が有って無いに等しい)、と「自分の頭で考える」ことだ。
トリチウム以外は「浄化処理した」と言われてきた、680基の放射能タンク汚染水だが、トリチウム以外の放射線核種については最初から判っていたことだが「残っていた」。今さら、そっと事実を明かし「何とかなる」と誤魔化すが、このどこが「アンダーコントロール」なのだろうか?いずれは「薄めれば安全(「放射線自体が薄まる」かの表現は正しくない)」と流してしまうかもしれない。
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私も含め日本人はとかく上から降ってくる「○○神話」に弱い。「長きに巻かれろ(目上の者や勢力の強い相手とは争わないで、それに従った方が得策だという意。)」は先祖から受け継いだDNAなのかもしれない。運命とばかりに許容してしまう(拙稿『「運命でかたづける国民性」』)。従わなければ「村八分」という掟である。「村八分」とは今なりに言えば「差別主義」だろう。ゆえに「原発安全神話」を振りまく人々・そこで長きに巻かれる人々は「原発ムラ」となる。
この性向は国際社会では共有されない。これこそ、悲しいかな「日本国・日本人」らしさなのだろう。共有されないからこそ、歴史的に長く鎖国していたのも道理である。ある意味で世界の中でも最も異質で特異な社会を作り上げてきたのかもしれない(ガラパゴスの生き物と同じ)。
「村(ムラ)」社会がそのまま国家観となり、村の住人がそのまま国民となって、差別主義的発言を与党国会議員が口にしようが不問とされる、それどころか差別を訴える者(詩織さん)を社会から排除しようとする「村八分」が法律よりも上位で社会を支配する。法治主義よりも人なりの掟主義がまかり通る。
フェイクサイト(南馬宿村役場)に「村八分にされてしまったら」というまとめがある。この村自体架空なのだが、書かれていることは案外現実社会(村に限らずこの国全般)と照合し得る点が多いのである意味面白い。「NOと答えずYESと答えよ」「行事やイベントには絶対参加すべし」「押し付けられた、引きずり出されたと思うべからず」「他人優先と考えよ」「新しい文化や価値観を持ち込むべからず」
しかし、そのようなDNAなど元から持ち合わせない外国人(欧米人)は、上から降ってくる「○○神話」なぞ最初から疑ってかかる。NETFLIXの「世界の現実旅行」という番組の第二話では神話探訪ツアーは、神話ならぬ現実を知るに及んで中断する事態となった(以下の通り)。
ツアーを中止し這々の体で逃げ出す外国人たち。しかし、そこに普通に生活している人々が我々である。2020東京オリンピックで安全(アンダーコントロール)の旗を振らされる人々がそこにいる。おそらく、この番組を視聴する外国の人々はそうとしか受け取らないだろう。
(おわり)
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