2018年07月22日

サイアノタイプ - その47(引き伸ばし機)



昭和11年(1933)製の乾板用のハンザの引き伸ばし機(ハンザ特許引き伸ばし機 / Anastigmat F=105, 1:6.3)を用いたサイアノタイプ・プリント(水彩画用のvif Art (B5 H.P. surface)に薬剤塗布) の続き。

DSC01845.JPG


先ずは、ニューヨークのModern Photography Schoolの学生(MAXWELL)が1940年代に撮影した7" X 5”(約18cm x 13cm相当)大のネガフィルムを用いた。原板枠には入らないので、下部コンデンサーレンズ下の空隙にネガを差し込みUV LEDユニットで焼いた。

Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from a photographic dry plate (glass plate) without using a conventional contact printer and digital negative processing

(二時間焼き付け・水洗オキシドール漬後、ジャスミン茶でトーニング)

モデルのポーズ、構図やライティングは教官の指導を受けたとネガ袋に記載がある。

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次にMaurice Couvrat(Maurice Adolphe Eugène Couvrat)の撮影したガラス乾板を使ってプリントを試みた。

Couvatは1888年にヴィエンヌ県ポワチエに生まれ、1900〜1930年代、主にポストカード用(風景/人物主体)の写真を撮影したプロの写真家だったようだ(没年不明)。私の手元にある乾板もこの時期に撮影されたものらしい。ポストカード用(風景主体)の写真を撮影したWalter Hahnは別稿で取り上げた(「写真家・ヴァルター・ハーン(Walter Hahn)とドレスデン」)。二人とも生年がほぼ同じである。

二枚の乾板(10.5 x 8cm大)を使い、トーニング(ジャスミン茶)の前後を以下比較してみたい。

Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from a photographic dry plate (glass plate) without using a conventional contact printer and digital negative processing

(二時間焼き付け・水洗オキシドール漬後トーニング無)

Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from a photographic dry plate (glass plate) without using a conventional contact printer and digital negative processing

(同上プリントをジャスミン茶でトーニング)

アンニュイな表情の女の子だが、トーニングの有無で随分と印象が変わる。この不思議な雰囲気の写真には対がある。

Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from a photographic dry plate (glass plate) without using a conventional contact printer and digital negative processing

(二時間焼き付け・水洗オキシドール漬後トーニング無)

Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from a photographic dry plate (glass plate) without using a conventional contact printer and digital negative processing

(同上プリントをジャスミン茶でトーニング)

女の子と男のオバサン(ごっつい顔の喉仏をリボンで隠している)の組写真だった。

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もう一枚、Couvatの乾板をプリントしてみた。猫をあやす女性を中心に構図した集合写真である。

Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from a photographic dry plate (glass plate) without using a conventional contact printer and digital negative processing

(二時間焼き付け・水洗オキシドール漬後ジャスミン茶でトーニング)

ジャスミン茶に浸し、太陽光下で乾燥させたらセピア色になっていた。過度にトーニングを施すと、ネガから直接焼き付けたおかげでサイアノタイプでも表現できた微妙な階調が潰れてしまう。もう少し控えめにしておくべきだったかもしれない。

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1900年頃の乾板(5" x 7"(インチ)=10.5 x 16cm)を用いた作例はすでに「サイアノタイプ - その45(引き伸ばし機)」で紹介したが、再度、同じ乾板にてプリントを試みた。

Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from a photographic dry plate (glass plate) without using a conventional contact printer and digital negative processing

(二時間焼き付け・水洗オキシドール漬・トーニング無)

瞳の虹彩までプルシアンブルー(Prussian blue)で表すことができた。

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さて、他人様の写真ばかりプリントしていても面白くない。随分前にオークション出品物の撮影用に買っておいたライトボックスを押入れから出した。炎天下では当分野外での撮影は無理だろうから、ライトボックスは重宝しそうだ。静物をフィルム撮影(モノクロ)し、ネガから直接サイアノタイプでのプリントを試みたい。

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DSC01831.JPG

(SONY NEX-3にCarl Zeiss Flektogon 25mm/F4を搭載しモノクロモードでデジタル撮影)

(おわり)

posted by ihagee at 06:54| サイアノタイプ