2018年06月13日

一国の総理のすることか?



「われわれにとって何よりも大事な拉致問題」(安倍総理)と、問題の当事者の一方でありながら、その解決の道筋を当事者でもない他者に預け果報を待っていた。これが一国の総理大臣のすることなのだろうか?

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「(金委員長に対して)拉致問題を明確に伝えてもらった」(安倍総理)そして、米朝首脳の共同声明には拉致問題などの人権問題の言及はない、で終わった。

ただ伝えただけ。これで外交が済むのであれば子供の使いと変わらない。安倍総理自身はこの五年間一体何をしていたのか?ただ徒らに北朝鮮の脅威を煽るだけ煽り、話し合いをすべきでない、国交断絶を国際社会に呼びかけ(河野外相)、拉致問題など真面目に扱う素振りもなかった。モリカケ問題などの政権絡みの不祥事で内閣支持率低下を挽回しようと、拉致問題を急に喫緊の課題と扱い始めたのが事実であり、内政の失態を外交で糊塗する悪筋の弥縫策とも言える。それぞれ別々に扱うべきことだ。

そして、今般の米朝会談の結果は拉致問題は日朝間で交渉すべき問題であることがより鮮明になった(当然)。拉致問題解決に安倍総理が自ら腰を上げようとしないのは、過去五年、日本政府は北朝鮮との交渉ルートすら築いて来なかったことがわかってしまうからかもしれない。米朝首脳会談でトランプ大統領がルートを築いてくれれば幸いと思っていたフシがある。

日本政府は6/14、15両日にモンゴル・ウランバートルで開かれる国際会議「ウランバートル対話」に外務省幹部を派遣し、日朝協議開始に向けて北朝鮮当局者との接触を模索する方針・・と、今になって慌てふためいている。

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安倍外交なるものを俯瞰すると、つまり、内政の数々の失態を覆い隠すために、外交を利用し続けてきた一面がはっきり判る。憲法解釈やら消費増税延期の口実を外因に求め過ぎた。そのために外因まで勝手に作り上げた感がある。ホルムズ海峡の機雷やら、リーマンショック級の経済危機の可能性やら・・今になってみるとどれもフェイクだったが、当時は散々と煽った。まるでバナナの皮で転んでみせる芸(スラップスティック)である。失態失策で政権への批判が高まると、北朝鮮の脅威を煽り、金袋を背負って外遊し「やってます感」を出かけた先で創出し、外遊先で落としたカネを財界に還流させ、ゴルフ外交なる奇手を繰り返し、挙句は恥も外聞もなくマリオに扮装しておどけてみせる(サーカス)。

このようにアリバイを勝手にこしらえ、政治の無能ぶりを、色物・際物で隠してきた。本芸で勝負できないからいつまでたっても国際政治では前座扱い(各国首脳がG7に向け入念に準備している間、安倍総理はゴルフで英気を養っていた=遊んでいた。G7では首脳同士の膝詰め協議に席すら与えられなかった)。そして誰かのかばん持ちばかりしてきた(幇間芸)。その拙い芸を何ら批判せず拍手喝采を続けてきたマスコミの罪は深い。この間、北の首領はめきめきと芸を磨き、前座から真打になりつつある。核兵器なる色物・際物を使わなくともこの先、外交が可能だと彼は自信を深めたかもしれない。

世人の不安を煽って政権への求心力を高める不安ファシズムを安倍政権は多用し過ぎた。上陸すれば途端に勢力が衰える台風のように、熱源である不安要因がなくなることがこの政権の最大の不安要素でもある。否、わが国の最大の不安要因は福島の原発事故であり、巨大地震の可能性であり、その上に五十数基建つ原発である。安倍政権が何をしてきたというのだろうか?原発再稼働を推し進め、真の不安要因をむしろ増大させようとしている。カジノだリニアだ五輪だ万博だ、とここでも色物・際物を繰り出し、内政の貧困から、世間の目を逸らそうとしている。北の核兵器やミサイルの脅威より、足元の脅威の方が数百倍大きい。

無芸大食に甘んじる前座は引っ込んで、そろそろ真打に登場してもらいたいものだ。

(おわり)
posted by ihagee at 03:08| 政治