2018年06月03日

サイアノタイプ - その29(引き伸ばし機)



サイアノタイプ・プリントの記事が続いて恐縮。私のプリントは時間がかかるのでかえって忙しくない。仕掛けておけば出来上がっているという安直さにかまけているのかもしれない。感光剤としてのサイアノの欠点を逆に利用しコントラストなど演出をデジタル処理で加えたデジタルネガを使えば深みのある作品になるが、私のはアナログ・ネガの素のまま。その種の演出は加えようがない(アナログの銀塩プリントならまさに腕の見せ所だろうが)。トリミングとレンズの絞りと焼き時間+トーニングだけで、感光剤としてのサイアノの欠点を生かすこともしていない。ただ焼いているというのが実感。面白みはネガの元の情報に負っているが、それも良いと思う。

Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from 120 negative film without using a conventional contact printer and digital processing

(1950年代ブローニー・六時間焼き付け、水洗後オキシドール浴)


しかし、引き伸ばし機のレンズは選択肢がある。120 ブローニー・ネガフィルムを引き伸ばす用にFujinar-E75mm F4.5を使ってきた。このレンズは昭和30年代の富士フィルム小田原工場製。私の祖父は同じ頃その工場の工場長をしていたので、そのレンズを孫の私が使うとは因果なものだ。




このレンズは35mmネガフィルムには使いづらい。そこで、NIKON EL-NIKKOR 50mm F2.8(旧型)をヤフオクで購入した。

cannon.jpg


米国製のUV LED(Hi Power UV Resin Cure Bulb Circuit Board Etch 9W COB LED 395nm 110V E27)を光源に、今後はフィルムに応じてレンズを使い分けてみたい。

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さて、プリントの工程について言葉よりも映像の方が解りやすいと判じて、以下動画を作成してみた。



ここで実際に作成したプリントは以下。

Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from 35mm negative film without using a conventional contact printer and digital processing


Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from 35mm negative film without using a conventional contact printer and digital processing


Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from 35mm negative film without using a conventional contact printer and digital processing


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NIKON EL-NIKKOR 50mm F2.8(旧型)を使って焼いてみた。二段絞ってF5.6で試す。擦り傷が多く夕暮れ時の明暗の乏しい絵の1950年代の35mmフィルムを用いた(撮影場所:おそらく名古屋港)がそれなりに感じは出ているように思える。やはり絞り込むと繊細さが追えるが、光量は減るのでその分焼き付け時間は長くなる。定評のあるEL-NIKKORを使うのであれば、印画紙面のピントも目測ではなく専用のピントスコープが欲しくなってきた。困ったものだ。

Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from 35mm negative film without using a conventional contact printer and digital processing

(七時間焼き付け、水洗後オキシドール浴)


これも1950年代の35mmフィルムを用いた(撮影場所は北海道積丹町美国)。

Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from 120 negative film without using a conventional contact printer and digital processing

(五時間焼き付け、水洗後オキシドール浴)


これらも含め、最近は無印良品の再生紙スケッチブック(F1)を用いている。再生紙ゆえに表面はそれなりに荒れているので、さらにピントや階調を追うのであれば少し値が張るがやはり定評のある水彩画用のvif Art (H.P. surface)を用いるべきだろう。

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Cyanotype print successfully made on an old enlarger (Lucky II-C ) >> directly from a 120 negative film <<. This was made without conventional contact printing and digital processing.

(vif Art F2 H.P. surfaceを用い、中華製光源で焼き付けた例・荒れ感がなく実にスムースにグラデーションが表されている)

(おわり)

posted by ihagee at 08:20| サイアノタイプ