2018年05月25日

サイアノタイプ - その24(引き伸ばし機)



熱対策を施した中華製の砲弾型100球のUV LEDでサイアノタイプ・プリントを続けている。タイマーで間欠して(十五分おきに)焼き付けをしてから光量の低下(UV LEDの劣化)は見られなくなった。

デジタルネガの場合、デジタル的に明暗のコントラストを上げてサイアノで再現しやすい階調に整えることができるが、オリジナルのネガフィルムを用いたアナログネガの場合はその調整は一切できない。それがアナログたる所以である。

従って、コントラストの低いネガフィルムを用いた場合、サイアノでの再現はなかなか難しいということになる。元の情報を改竄せずにありのままを紙に焼き付けるので、結果は必ずしも期待通りとはならないが、それが何故かこころよい。安倍政権下、事の結果が気まずくなるとその本源(ファクト)を勝手にいじくり、政権に都合する結果にしてしまえと、「嘘」が蔓延しその嘘を上塗りする「嘘」でファクトをないがしろにする世の中となった。とても気持ち悪い。素顔のない百面相が次から次へと現れ「これが僕の本当の顔です」と言われてごらんなさい、こっちが精神的におかしくなる。ファクトに立ち返り平衡感覚を維持するためにも私はこのアナログのサイアノタイプ・プリントを行う。

結果から元を操作しないことの大切さは、アナログ時代には当たり前のことだった。訂正・修正するのあればその痕跡をしっかり残すしかできなかったのは技術上の制約(ペンと紙)だったのかもしれないが、それは人間の精神に適った所作である。習字然り、公文書の記載然り。この世の万物は全て存在した痕跡を有り体に残す。ところが人間だけがバーチャリティに生きようとし始めたようだ(そのこと自体、虚実である)。デジタル時代になって、元からなかったことにしたり、元を変えてしまうことが日常の所作となり、人間の精神まで影響し始めている。生まれたときから嘘をつき通してそのまま大人になりなぜかこの国の自称最高責任者に収まって、嘘をどんなについても周りから褒められ崇められる。西から日が昇ると言い張る天才バカボンの父がこの国の自称最高責任者に収まれば、誰もが西から日が昇ると言わざるを得ないギャク政治である。官邸前に抗議の座り込みを続ける過労死遺族と会うよりも、ザギトワ選手に犬を贈る方が大事だとは、人の命を軽んじるのも程があろう。

嘘つきは泥棒の始まりと、親から棒で殴られた私のような世代は、そんな自称最高責任者が息を吐く如くつく嘘に気がおかしくなりそうなわけである。

----

Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from 120 negative film without using a conventional contact printer and digital processing


Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from 120 negative film without using a conventional contact printer and digital processing

(ブローニーネガフィルム・タイマー設定で六時間焼き付け、水洗後濃いめのジャスミン茶でトーニング)

Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from 120 negative film without using a conventional contact printer and digital processing


Cyanotype print made on an old photographic enlarger directly from 120 negative film without using a conventional contact printer and digital processing

(1950年代ブローニー(ハーフ版)・ネガフィルム・タイマー設定で六時間焼き付け、水洗後濃いめのジャスミン茶でトーニング・デジタルのデの字もなかった素直な時代が撮し込まれていた。)

(おわり)

posted by ihagee at 03:32| サイアノタイプ