2018年05月19日

サイアノタイプ - その20(引き伸ばし機)



熱対策を施した光源(UV LEDs)を引き伸ばし機に搭載しサイアノタイプ・プリントを再開し気づいたことがある。三時間が露光の目安ということだ(以前は六〜七時間)。そしてこの時間以上はオーバープリントの傾向がある。ネガフィルムの元の画像が人物だけの場合であれば多少焼き過ぎであっても構わないが、細かな背景を含む場合は潰れる傾向にある。二時間半にタイマーを設定し、一度焼き加減を視認するのが良いのかもしれない。

Cyanotype print successfully made on an old enlarger (Lucky II-C ) >> directly from a 120 negative film <<. This was made without conventional contact printing and digital processing.


Cyanotype print successfully made on an old enlarger (Lucky II-C ) >> directly from a 120 negative film <<. This was made without conventional contact printing and digital processing.

(1950年代ブローニー(ハーフ版)・ネガフィルム・タイマー設定で六時間焼き付け、水洗後濃いめのジャスミン茶でトーニング / コンタクトプリンターの上がりと似てきたが、少し焼き過ぎた)

Cyanotype print successfully made on an old enlarger (Lucky II-C ) >> directly from a 35mm negative film <<. This was made without conventional contact printing and digital processing.

(1950年代 35mmネガフィルム・一時間焼き付け、水洗後オキシドール浴 / 元々コントラストの低い画像だったので一時間程度で浅く仕上げた)

UV LEDsを冷やしたことで紫外線が強く出るようになったのかはわからないが、これまでの淡い色調の上がりが濃くなった。そして不思議なことにネガの画像を拡大しようとして引き伸ばし機のレンズと印画紙との距離をあけると、印画紙面の露光が強く出る傾向にある。近づけた方が強くなると思っていたがそうでもないようだ。通常の可視光と異なる紫外線域の光の特性があるのかもしれない。しかしこれは都合が良い。引き伸ばし機であれば、引き伸ばしが自由な程、表現が広がるからだ。

(おわり)

posted by ihagee at 05:13| サイアノタイプ