サイアノタイプ・プリントに引き伸ばし機 (Lucky II-C)が使えるとすっかり気を良くしていたが、光源としている中華製のUV LEDの劣化が思いも寄らぬほど早く、プリントを始めてから一週間で再考を余儀なくされている。もうワンセット同上のLEDが手元にあるので、長時間使わずに済むようスライドプロジェクター(Minolta Mini 35)を利用したホームメイドの引き伸ばし機でプリントを行った。
このスライドプロジェクターを利用したホームメイドの引き伸ばし機を再び使うにあたって、ランプハウスには元々コンデンサーレンズ(二枚)を含みレンズが四枚組み込まれていたが、コンデンサーレンズ以外は取り外して少しでも印画紙面上に光が届くようにした。また、35mmフィルムキャリアーとして、ミノルタ純正のStrip Film Carrierを装填した。フィルムの前面の繰り出しレンズは元々プロジェクターに付属していたP-Rokkor 2.5/75mmレンズ(Chiyoko P-Rokkor 2.5/75と同じ)にBushnellテレスコープ(日本製)から頂戴した単玉レンズ(前玉)を重ねて焦点距離を調整した。このスライドプロジェクターは底部にネジ穴があり、都合良く三脚に据えることができる。三脚の足が邪魔するので、引き伸ばし機と印画紙は水平に置いて焼き付けを行った。
(UV光源が当たった状態のネガフィルム表面・焼き付け中)
(印画紙面・焼き付け中)
さて、この引き伸ばし機の場合は、Lucky II-Cの場合と異なり、焼き付け時間は二十分〜三十分で足りるので、LEDの劣化は少ないと思う。光が一点に集まりやすいのでネガフィルムも構図が同じものを選んで以下焼いてみた。
(1962年カリフォルニアのオフィス風景・35mmハーフのオリンパスペンで父撮影)
(1962年 ロサンゼルス・日本人ビジネスマン・35mmハーフのオリンパスペンで父撮影)
さすがに、本物の引き伸ばし機(Lucky II-C)に比べればピントがとても甘いが雰囲気はあるかもしれない。
Lucky II-Cに組み合わせることができる別のUV LED光源を入手するまではしばらくこの引き伸ばし機でプリントを続けてみたい。
(おわり)
追記:
中華製のUV LED(砲弾型 LED 100個使用)を使用中、LEDをハンダ付けしている基板に手を触れても然程熱いと感じなかったが、それでも密集させて一定の時間継続して使う場合はやはり熱対策をしなければならないようだ。簡単な措置の方法としては、チップセット上に直接貼り付ける目的で販売されているセラミックヒートシンクを基盤の上に熱伝導両面テープ(非導電性テープ)で貼り付けることだろう。ファンを付けたりするまでは必要ない筈だ。たとえば、こんなもので済むと思う。

それでもすぐに劣化するのなら、使われているLEDそのものが質の悪いものだからかもしれない。短時間の使用目的でしかない上述の中華製(Focuspet)のライト(懐中電灯型)で熱対策をしていないのもある意味で当たり前だ。
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