前回からの続き。
UV LED (100球)を光源として組み込んだ引き伸ばし機(Lucky II-C)を用いた、サイアノタイプ・プリントを試みている。用いているネガフィルムはいずれも1950年代のもの。
前回の報告の通り、最適な焼き時間は三時間半辺りだということが判った。以下はその例。
(120フィルム・ハーフ版 / 1950年代室蘭)
印画紙に届くUV光がそれだけ微弱なのだろう。
以下は、同じく三時間半焼いたものだが、もう少し濃く焼きたい。しかし、これ以上の時間は引き伸ばし機に付き合えない。
(35mmフィルム / 1950年代積丹美国)
では、睡眠時間中焼いたらどうだろうか?と思った。それでは焼き過ぎるのか、実際に試してみた。以下がその例である。幸い私も昨日今日と連休なので、普段よりも睡眠時間は長めの7時間として、その間ずっと焼くことにした。結果は以下の通り。
(120フィルム・ハーフ版 / 1950年代室蘭)
焼き過ぎることもなく、程よいグラデーションが出ている。天沢小学校から見下ろす背景の先の室蘭港湾の工場のノコギリ屋根まで写り込んでいる。つまり、微弱な紫外線ゆえに感光も緩やかなのだろう。最初の一時間半までは時間と比例して焼き目がつくが、それを過ぎると緩やかな焼き目となる。おそらく塗布した感光材の表面が先に変化し光をある程度遮ってその下の感光材が徐々に光に感応するからかもしれない。強烈な紫外線を含む太陽光の下のように時間に比例してどんどん焼き目がついてしまうのとは異なり、その感応のカーブが一時間半を過ぎると緩やかになる。一つの発見であった。今晩も仕掛けてみよう。
(おわり)
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