2018年05月03日

サイアノタイプ - その11(引き伸ばし機)



前回からの続き。

UV LED (100球)を光源として組み込んだ引き伸ばし機(Lucky II-C)を用いた、サイアノタイプ・プリントを試みている。用いているネガフィルムはいずれも1950年代のもの。

焼き時間に応じて結果の色味が変わってくる。一時間〜一時間半だとやはり焼き足りていない。淡い色合いのプリントであればこれで良いと思うが、オキシドールに浸しても変化が少ないところをみると、塗布した感光材が感応し足りていなかったのだろう。

以下はその時間での出来具合:

Cyanotype print successfully made on an old enlarger (Lucky II-C ) >> directly from a 120 negative film <<. This was made without conventional contact printing and digital processing.


Cyanotype print successfully made on an old enlarger (Lucky II-C ) >> directly from a 120 negative film <<. This was made without conventional contact printing and digital processing.


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思い切って、焼き付け時間を三時間半としてみた。水洗する前の印画紙の焼き目はコンタクトプリンターで目にしていたと同じ濃いオリーブ色となっている。水洗しオキシドールに浸すと藍色が鮮やかに出た。やはり、この時間辺りが最適なのだろう。

DSC01688.JPG


DSC01687.JPG


Cyanotype print successfully made on an old enlarger (Lucky II-C ) >> directly from a 120 negative film <<. This was made without conventional contact printing and digital processing.


グラデーションも豊かで満足のいく仕上りとなった。コンタクトプリンターに最適化したデジタルネガを作成する時間を考えば(最適化は案外難しい)、オリジナルのネガフィルムを引き伸ばし機に装填するだけのこの方式なら手間としてはずっと楽である。三時間半という時間をどう考えるかだが、引き伸ばし機を用いながら暗室を必要とせず、減光した室内光下であれば時折焼き目を視認しながら、他の用事を並行して行えるのだからまぁ許容範囲だと言えるだろう。

中古で購入したこの引き伸ばし機には元々フィルムキャリアーが付いていなかったので、それなりに厚みのあるガラス(二枚)にネガフィルムを挟んで装填しているが、このガラスで光量が損じているのかもしれない。フィルムキャリアーはさらに考慮の余地がある。

いずれにせよ、これでデジタルネガを作成したりコンタクトプリンターを使う理由がなくなった。
数分でサイアノタイプの印画紙を焼いてしまうだけの紫外線が太陽から降り注いでいるということだ。焼き加減を調整するにも分秒単位と慌ただしい(ちょっと目を外すと焼き過ぎたりする)。UV LED球ではそれが三時間半ということであれば、かなり弱い紫外線だとも言え(光源を直視さえしなければ、目を痛めることはないだろう)、却って気長に焼き加減を調整することもでき精神的にも良い。また、それなりに高価なOHPフィルムを買わなくて済むし、インクジェットプリンターのインク代もかからない(デジタルネガは黒色をカラーインクで出力する。ブラック以外のインクに遮光性があるからだそうだ。だから、ブラックインクだけ消費するわけではない)。

そして、繰り返すようだが、何よりもアナログで出力(印画紙に焼き付け)ができる点はその過程にデジタル処理を介在させるコンタクトプリンターより真性な「アナログ写真」である。

安定した光源ゆえに天気にも左右されないから、事前に焼き時間さえ決められるのであればタイマーでオフ設定することも可能だろう。

さらに続きを報告したい。

(おわり)
posted by ihagee at 16:48| サイアノタイプ