2018年04月03日

Kaizen から Kaizan の国に



我が国において、年平均10%前後の経済成長率(実質)を保っていた時期を総称して高度経済成長期と言う。戦後1955〜73年の約20年を主に指す。

製造業の品質管理の著しい向上が今日に至るジャパンブランドを築き上げたとも言えるだろう。その管理メソードはトヨタ生産方式に始まり、体系化され「カイゼン」として知られる。日本国外でも通用する言葉でありKaizenとして知られる。そのKaizenから生み出される製品・サービスは事実、Kaizen=ジャパンブランドとの国際的なステレオタイプな概念を作り上げるに十分な内実を伴っていた。

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ファクト(事実)に立って、誤りや欠陥を是正し、より良い状態にする事(Kaizen)を価値化していたわが国。

ところが、森友学園問題を端緒として次々と発覚する公文書改竄。今や 「カイザン Kaizan」 が一般用語化し日本国外でも通用する言葉となりつつある。

誤りが欠陥が元からなかったことにする。ファクト(事実)は有耶無耶にする。そのために真正に成立した文書に変更を加えることも良しとする。

安倍政権になってから「製品の品質データ改竄問題」が引きも切らない。大企業が、KaizenからKaizanに転んでいる。先人が営々と築いたジャパンブランドも一夜にして崩壊する信用の失墜である。

企業にとどまらず、遂には、官庁に於いても 「カイザン Kaizan」が罷り通り、その責任を負うべき政権が責任を放棄し保身に走るばかりか、「カイザン Kaizan」の上に尚も保身を図ろうとしている。官庁の公文書「カイザン Kaizan」は明らかに政治の教唆がある唆したことを有耶無耶にするためにも、官庁・官僚が勝手に「カイザン Kaizan」したことにする

森友学園問題で官庁・官僚が「忖度した」などと野党もマスコミも言うが、改竄による利得者は忖度する側ではない。つまり、利得者に改竄の動機も目的もある。利得者とは誰か?官庁・官僚に改竄を唆すだけの圧力を加える仕組み(直接指示せずともそうせざるを得ない立場に追い込む・「妻か私が関与していたら、首相も議員も辞める」と一言が作用点となって圧力が伝わる仕組み)を作り上げた者=安倍政権であることは誰の目にも明らかだろう。

南スーダン日報問題も陸自がそれを隠匿するに至る経緯で「イラク日報は存在しない」と稲田防衛大臣(当時)が国会で明言し(昨年2月)、辻褄を合わせて陸自が隠匿したとみるのが自然で、不都合の隠匿による利得者は自衛隊の海外派遣を推し進める政権であるのは明らか。これも現場に圧力を加える仕組みが働いた。すなわち、教唆があると見るのが自然。森本学園問題と構図は全く同じだ。「シビリアンコントロールが働いていない」とマスコミも野党も言うが、否、「政局がらみで完全にコントールが働いていた」と見るべきだ。表沙汰になる時期には政局は終わっている(稲田問題終了)ことからも明らか。「アンダーコントロール」の言葉から始まる安倍政権である。憲法の恣意的な政治解釈(俺がルールブックだ)に始まり、言論・表現の自由にタガをはめ、「こんな人たち」と国民に指を突き立て、マスコミを懐柔するなど、徹底したコントロールぶりに、いまさら腰をかがめ「アンコントロール」に逃げて、陸自が勝手にやったことと言い募っても誰が信じよう。財政・経済・外交・環境において本当はズタズタボロボロの日本を「アンダーコントロール」と言い放って、粉飾・虚飾して見せなければならないのだろう。「日本凄い・日本人素晴らしい」と夜郎自大に「美しい国」を妄想させるのもそう。先の戦争すら、個の悲惨に立ち返らず(品川正治・「手記 反戦への道」)、全体に括って美化賞賛する(百田尚樹・「永遠の0」)。

『戦争は兵隊の目で見る。将校ではない。政治は国民の目で見る。この信条はすべて戦争体験に根ざしているんだね。』(品川正治)

今はこの信条の反対を進んでいる。圧力(軍事)を政権が軽々に口にする・「こんな人たち」と政権が国民の目に指を突き立てる。歴史に学ぶ(体験)世代が消え、歴史に学ばないどころか改竄する(歴史修正主義)連中が上に立つとこうなる。

ズタズタボロボロが初めから無かったことにする。改竄・隠匿とはそういうことだ。事実に立つことを嫌う。否、その能力がない世襲政治家が上に立つとこうなる。そのツケが一気に噴出している。

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斯くしてKaizan=ジャパンブランドとの国際的なステレオタイプな概念を作り上げるに十分な内実を伴うに至った。総じて「美しい国」という。西から昇ったお日様が東に沈む・・これでいぃのだ。とあらゆる価値観を倒錯すれば、黒も白に見えるだろう。放射能は笑っていれば取り憑かない。いや、原発事故すら根も葉もない風評で実害の一つも存在せず、安倍首相は稀代の名宰相に見えるのかもしれない。「まさに」「いわば」「いわゆるしっかり考えて」「 わけでありますから」が論旨明快な話ぶりに聞こえるのかもしれない。

しかし、少なくとも我が家の近くではお日様は西に沈むし、今はもっとも「醜い国」にしか見えないし、安倍首相の答弁は「タリラリラ〜ン」「コニャニャチハ」「はんたいのさんせい」「さんせいのはんたい」「これでいいのだ!」にしか聞こえない。原発事故はこの国の宿痾(治らない病)であり続けるし、近い将来この国が滅びるとすれば原発事故がその最大要因となり得ると確信している。

マールアラーゴにゴルフをしに行くのも悪いジョークか何かのギャクだろう。まともな精神の持ち主であれば、こんな時局にクラブを握ろうと思わないだろう。

国際社会がはっきりと今度は認識するだろう。あの方はまともな精神の持ち主ではないと。自分の顔までイースター・バニーばりのKaizanを許して(ひょっとしたら Kaizenなのかもしれない)、その相手(キャパ嬢)を花見に招くそうだ。冗談にも程があるというものだ(いや、呼んだ方が良いかもしれない / 以下の理由より)。


(理由:「至誠」の扇子を掲げ、その「至誠」を座右の銘とする人物の顔をいじって素敵でしょ!と世間に公開するところは、立派なアイロニー。只ならぬキャパ嬢だ / 拙稿『安倍晋三首相・座右の銘「至誠」が意味するもの』)

トランプ米大統領はイースター・バニーと写り、恒例の玉転がしの合図の笛を吹いた。





マールアラーゴであの方もこの子供たちと同様に玉を転がさなければならない。何と気心が通じ合っていることか・・どれだけ手土産を持参することか・・またバンカーに転ぶのか・・そして世界の知性から嘲笑される。

暗澹たる気分である。

(おわり)

posted by ihagee at 04:19| 政治