9mmフィルムムービー・その2(Taro Okamoto, Short cinematography)の続き。
川崎の生田緑地にある川崎市岡本太郎美術館では連写カルディアと共に、9眼のlomography pop9も持ち歩いて試写してみた(Fuji Superia Venus800)。このpop9は所謂トイカメラである。

pop9は連写カルディアと異なり、9個のレンズに同時にシャッターが降りる。連写カルディア同様、タイル状に被写体が並んで写ることになるが、サブフレーム間に時差がない点で異なる。
(川崎市営バス・藤子・F・不二雄ミュージアム線車内は「しずかちゃん」一色だった)
pop9の使い方は通常はこういうものらしい。しかし、レンズが並んでいるということは互いに視差があるということだから、離れたフレームを並置すればステレオ写真となる。ビューアーを用いずとも多少訓練すれば裸眼でも奥行きのある写真を見ることができる(見方についてはHow to see 3D頁参照)。
(岡本太郎美術館のシンボルタワー「母の塔」)
岡本かの子と共にこの川崎の地に育った太郎。その地に母の勁さを表すかのごとく聳え立つ「母の塔」は圧巻だった。所詮トイカメラと期待していなかったが、なかなかしっかりと写っている。
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このpop9で撮影した写真は、上述のタイル写真やステレオ写真とは別に、視差のある9つのフレームを組み合わせてアニメーション(gif形式)に仕立てることができる。
gif作成にはフリーウェアのPicGIF Lite(Mac OS用)を用いた。Apple Storeからダウンロード可能。このアプリケーションはとても使いやすい。上掲の画像をCropMaster3(Mac OS用)で9つのサブフレームに切り出して、1→2→3→4→5→6→7→8→9の順番に並べて再生レートを設定しgifファイルに書き出すだけだ。Google ChromeやSafariなどウェブブラウザーで開けば再生できる。NimsloやNishikaといった4眼のアナログステレオカメラ(本来、フィルムメーカーがその昔サービスしていたレンチキュラープリント用途)で試している人は多い。

(Nimsloでの1→2→3→4アニメーション例)
垂直方向にも視差の生じるpop9なら1〜9の順番を1→2→3→6→9→8→7→4(5番目のフレームは使わない)にするとwobble(グラグラ)なアニメーションとなる(Pop9 Mega Wobble)。
以下がその例。
(太陽の塔・生命の樹のミニチュア模型)
(岡本太郎美術館の前庭)
(同美術館に向かう途中の生田緑地の池)
(同美術館内で数少ない撮影可能対象)
(同美術館「母の塔」・逆光が差し込む際を狙うと効果的)
遠景はレンズ間の視差が少なくなりステレオ感やwobble(グラグラ)感は低い。近景の奥行きのある被写体で光の陰影を取り入れるとwobble(グラグラ)感が強まる。遠景でも「母の塔」の例のように逆光がレンズの一部に入り込む際なら面白いかもしれない。
(おわり)
タグ:アニメーション 川崎 Lomography GIF 藤子・F・不二雄ミュージアム WOBBLE 9mmフィルムムービー 岡本太郎美術館 生田緑地 9眼 pop9 ステレオ写真 母の塔 Pop9 Mega Wobble
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