2018年02月03日

8mm フィルムスキャナー 最新情報




8mmフィルムデジタルコンバーター「スーパーダビング8」については拙稿でも取り上げた。サンコーレアモノショップばかりでなくケンコーやその他メーカーから同一機種が販売されているが、元は中華製のOEMである。一般紙の広告にも度々登場するようになって話題を呼んでいる。

米国Wolferine社のようなスキャナー専門メーカーが定番商品として出して欲しいものだと前回記事で書いたが、その後、サンコーと同じ機種が同社から販売された。



(Wolverine 8mm/Super 8 MovieMaker)


従来のテレシネ(壁に投影した映像を間接的にデジタルカメラで撮影する)よりも簡易且つ鮮明に光学8mmフィルムをフレーム・バイ・フレーム(テレシネと異なりフリッカーはない)でデジタル化するに「スーパーダビング8」や「Wolverine 8mm/Super 8 MovieMaker」は当を得た製品であるが、以下の問題点がユーザから報告されているようだ。

1) 5号(12.5cm)リールまでしか懸架できない。
2)フレームレートが30fpsなのでデジタル化した映像は早回しとなる。
3) 初期モデルではスキャン解像度 720Pと低い(Anytyという商品名でのモデルでは1080P)。
4) フィルムが読み取りゲージで閊えたり巻き取り側のトルクが強くなって読み取り位置がずれる場合がある。
5) 小型モーターゆえに加熱して(特にリールの巻き取り時)不具合が起きやすい。機械部分の強度が弱い。


従来品での処理例:上下に細かくフレームが動いている(4)の問題)。YouTube上や画像処理ソフトでブレを除くことが可能だがフレームをある範囲でトリミングする必要がある。

米国Wolferine社からついに対策品が登場した。


(Wolverine Data Film2Digital MovieMaker-PRO)


1) 9号(27cm)リールまで本体にて懸架可能となった。9号は再生約1時間分に相当する。
2)フレームレートが20fpsとなった(18fpsと24fpsの中をとるレートで合理的)。
3) スキャン解像度 1080Pとなった。
4) フィルム搬送経路や読み取りゲージが改良されて上掲の問題の軽減が図られている。
5) 不明
なお、露出とシャープネスについてはマニュアルで調節可能(従来品と同じ)で、ホワイトバランスは自動調整される。SDカードスロットに最大32GBのカードを挿入可能(従来品と同じ)。 3.53 Mega pixels (2304 x 1536) 1/3" CMOS を読み取りに用いている(従来品と同じ)。



Wolverine MovieMaker-Proは国内では未販売だがWolverineのサイトから購入することができそうだ(米国仕様だが、電源・コンセントの仕様が同じなので日本でも使うことができるだろう)。

Wolverine MovieMaker-Proを用いたデジタル化例はYouTubeなど動画投稿サイトを検索したが見当たらなかった(販売して日が浅いためか?)

画像処理ソフトでブレを除くなどの後処理を行えば以下の程度までそこそこ鮮明な(拡大するとアラが見える)映像を得ることができるようだ(Wolverine 8mm/Super 8 MovieMaker:従来品での例)。しかし、シャープネスを上げればエッジが立ち、圧縮フォーマットゆえに背景にディザ(ザラザラ感)が現れ、不自然な色調・階調(べたっとした塗り絵調)や透明感や抜けの悪さ(全体に映像が眠い)は致し方ない。だからか8mmフィルムを映写機でスクリーンに投影し感じ取るイメージとはかなり異なる(映写機で投影したことのない人には比較のしようもない・8mmフィルムなんてこんなもんかと誤解を与える)。

8mmフィルムに記録されている情報を最大限拾い上げてデジタル化することを目的とするプロユースの数百万円のコンバーターと比べるのは酷なことだろうが、是非進化を続けてもらいたい(特にセンサとレンズ系)。なぜなら、この程度のレベルでユーザに妥協を求め元のフィルム(元情報)はもはや不要と捨てさせてしまうことになるからだ。電子化すれば「捨てられる」という誤ったメッセージをユーザに発信することになりはしまいか「(拙稿『「捨てるに捨てられなくて」!?』)?もっと鮮明にデジタル化できるに違いない・それまでフィルムは捨てないでおこう、と期待させる製品を是非メーカー側は出し続けて欲しい(フィルムを売るだけ売った富士フィルムならその社名「フィルム」の沽券にかけて真剣にコンバータを開発すれば、Wolverine MovieMaker-Proを超えるコンシューマ向け製品を作ることができる筈だ・アナログ時代の大量の情報=眠った資源を漏らさずデジタル化できればそれこそ「クールジャパン」と世界から賞賛されることだろう)。




(おわり)

posted by ihagee at 09:16| 8mmフィルム