好天に恵まれた昨日(11/10)、群馬県赤城高原にある赤城クローネンベルク(クローネンベルクドイツ村)を訪れた。前回訪れてから16年ぶりだった。
Zeiss Ikon (VEB) Tenax 1にKodak T-MAX 400フィルム(モノクローム)を詰めて園内を撮影。クローズアップレンズを装着した接写(前回報告)ではケラれが生じたが、外してYフィルターを被せた状態だと目立たない。
以下がその結果(スキャナ:EPSON GT-X980 / トリミング以外修正無):
木々に鬱蒼とする葉はアナログフィルムで撮ると粒々とした "実在感" がある。その粒の一つづつは光と実際に"感応" した結果で、デジタル写真の電子計算上の "変換" と比較できる点だろう。アナログが<連続>であるのに対して、デジタルのビットは<離散(非連続)>であることの比較かもしれない。光と色の移ろいがアナログフィルムでは自然なのもノイズ(雑味)がそのまま残されているからだろう(アナログレコード・真空管ラジオなど、このノイズに自然さを感じ取ることができる)。デジタル写真では鮮明感(雑味のなさ・ピュア感)は容易に得られるがそれは<離散>の結果とも言える。国会での野党(国民)の質問を雑味かのように排除しようとする安倍政治や何かと人間を篩にかけたがるファースト思考の小池都知事は<離散>なる「排除」「選別」を是とするデジタル的思考の持ち主かもしれない。雑たる私は到底ついていけません(拙稿「ピュアは毒なり」)。
観光で実際に私も訪れたことがある、ドイツ南部の中世城壁都市・ローテンブルク(ローテンブルク・オプ・デア・タウバー)の城門を模した建物。
ローテンブルクでは搦手にあったと同じくこの門もその位置に建てられている。
(本家の門・Flickrからの画像をリンク)
"何となくドイツ風" ではなく、建物の配置でもドイツをできるだけ忠実に再現しようとした結果だろうか。千葉の東京ドイツ村が "何となくドイツ風" なのに比べて、ここは真面目(商売っ気が少ない)で良かったのに。
建物の間を縫うガッセもドイツのそれを思い出す。前回訪れたときは、この奥にバッケン(パン屋)があって香ばしい煙が立っていた。
ブルスト(ソーセージ)の手作り工房も"跡"になり、虚ろな入り口の窓に城門がぼんやりと映っていた。
裏にまわっても建物の造りが本物志向であったことがわかる。逆光だがTessarは耐えた。
入り口の壁絵となっていた表札も自然に消えるにまかせ、閉園を意識していたのだろうか。
子供たちに背を貸していたポニーが厩舎から出てきた。「老馬なんですよ」とスタッフの女性が明るく話しかける。その先に人影はなくポニーの悲し気な目が見えたような気がした。
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今月末(2017年11月30日)で閉園。一般客が動物たちと会えるのもこれが最後になるかもしれない。今さらではあるが、多くの観光客が訪れて欲しいものだ。
(おわり)
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