前回記事の続き。
Canon AL-1と自作レンズを持って、上野の東京国立博物館で館内の展示物のフィルム撮影に向かった(8月18日)。フィルム現像が終わったので、さっそくビクセンのクリエールルーペPB60を使った自作レンズでの作例を掲載したい(スキャナはEPSON GT-X980、トリミングと明度補正以外エフェクトはかけていない)。
フィルムはFuji Superia Premium 400を使った。当然、館内はフラッシュや一脚・三脚の使用は厳禁。つまり手持ちで撮影するしかない。国宝クラスの展示物に当たる照明は保護の観点から暗い。絞り優先オートでカメラが指示するシャッタースピードは1/30より下だった。手持ちであれば必ずブレる。そこで、露出アンダー覚悟で1/125で撮り続けた。案の定、アンダー気味だが、そこはシングルレンズの強みで何とか切り抜けた。アウトフォーカスのボケ方も気に入った。百均の虫眼鏡レンズと比較すべくもなく、ビクセンのクリエールルーペPB60は良い結果を示してくれた。アクリルレンズのルーペであっても、眼鏡と同じマルチコートと非球面収差のお陰か?ビクセンもまさかルーペがこんな使われ方をするなどと思っていないだろう。
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先ずは、博物館(本館)のロビー。展示室よりは外光で数段明るい。人々が不思議な溶け込み方をしている。
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東洋館のシルクロード文化圏にあったエキゾチックな仏像などを撮影。
ギリシャ文化の文物も展示されていた。
石像は表面を光が反射し易いのか暗い照明下でもフィルムにきちんと収まっている。
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さて、本館に移動して撮影。
デジカメで撮影したら世の東西を問わず"ヘルメット"と訳されるものも、フィルムならおどろし気な兜飾りとなるのかもしれない。
ちなみに、前回、Exakta RTL1000と虫眼鏡レンズの組み合わせでのフィルム撮影(モノクローム・ローライRPX 400)は以下の通り。武具甲冑はモノクロームで撮ると迫力がある。
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これは青磁の器の角の部分。
仏像など撮ったのだが完全にアンダーとなって掲載できる絵ではなかった。石像と違って光を反射しないためか。その中で唯一そこそこフィルムに収まったのがこの上人の像。
雅楽(舞楽)面。前回、Exakta RTL1000と虫眼鏡レンズの組み合わせでのフィルム撮影(モノクローム・ローライRPX 400)は以下の通り。モノクロームの方が同じ感度でも許容度がある。
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法隆寺国宝館でも撮影を試みたが、ここは照明が本館よりも数段暗く満足な結果を得ることができなかった。
以上、ビクセンのクリエールルーペPB60を使った自作レンズでのフィルム撮影は私なりに及第点であった。ミラーレスカメラ(Sony NEX-3)にP-Rokkor 2.5/75mmを搭載してデジタル撮影した結果と以下比較。デジタルとは全く異なる雰囲気をフィルムは吸収していた。肉眼でものを見る場合と同じく、瞳に収まる範囲(つまり意識して見ようとするもの)以外は本来はっきり見えない筈だから、このアウトフォーカスが模糊とした自作レンズは人間の生理に合っているのかもしれない。
東京はこのところ天気に恵まれないが、いずれ天然光の下で試してみたい。
次回は、スライドプロジェクターのP-Rokkor 2.5/75mmレンズ(Chiyoko P-Rokkor 2.5/75と同じ)を使った自作レンズでの撮影結果を掲載。
(おわり)
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