ロール・フィルム写真以前の乾板の時代、1900年頃のオリジナルのネガ(感光乳剤をガラスに塗ったドライ・プレート)を米国から入手し、スキャンした記事の続き。
白黒写真しかなかった時代のあるべき色を人工知能(AI)が見つけ出すという仕組みがある。ウエブ上で実際に自動色付けを試すことができる(ディープネットワークを用いた白黒写真の自動色付け)。<ディープネットワークを用いた大域特徴と局所特徴の学習による白黒写真の自動色付け>なる学術研究の成果であるそうだ。
拙稿『「AI本格稼動社会」への大いなる懸念』では、AIが社会経済といった人間が生きていく為の日々の糧を得る場に活用される場合の大いなる懸念を綴ってみた。しかし、学術文化の面で活用されるのであれば歓迎すべきことなのかもしれない。
以下、自動色付けの結果をオリジナルの写真と比較してみたい(乾板写真はセピアカラーだったが、一旦モノクロームに変換後に着色される)。



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乾板写真ではないが、昭和30年代の古写真でトライ。女性の肩に付いているものが砂粒であることまで判って着色されている。手に持っているスイカのパンチボールについては学習値がないようだ。


(昭和36年・道頓堀)
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1933年製の前期型Voigtländer Superbで撮影した写真(Kodak Tri-X 400)を意地悪にも試す。ほぼ正確。

(Voigtländer Superb 顛末記 - その11)
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ベルリンの壁を西ベルリン側から撮ったカラー写真(1984年筆者撮影):

白黒に変換した後、自動着色を試み元の写真(上)と比較:

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(ガブリエル・レイ(Gabrielle Ray)- その1(ポストカードの女性))
お試しあれ。
(おわり)