2017年04月08日

Voigtländer Superb 顛末記 - その9





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Voigtländer Superbを二台(1933年と1935年製)分解修理して初めてわかったことは、ビューレンズ自体がパララックス補正(視差補正)するというRolleiflexすら実現しなかった機構を至極合理的且つ単純な仕組みで実現している点だった。そして、シャッター機構を除けば、いくつかのヘリコイドとギヤの組み合わせだけでできている点だ。そしてヘリコイドは2箇所、ギアは1箇所だけの噛み合わせでパララックス補正・レンズ繰り出し・距離表示を行う。フィルムカウンターすらフィルムの走行距離をそのまま利用するもので、Rolleiflexなど他のTLRでそれら目的のために採用した複雑な機構など何もないということだ。ネジも数えるほどしかない。


(Rolleiflexがいかに複雑な設計であるか)

二重露光防止やセルフコッキングなど設計や組み立てを複雑にする要素、レンズボードという面積全体に歪みがかかり易い機構がないだけ、他のどのTLRよりも堅牢な筐体を得たと言える。


(1929年製 Rolleiflex Original)


(Rolleiflex Originalのレンズボード)

Voigtländer Superbの勝負はレンズであり、テイクレンズのSkoparやHeliar、ビューレンズのHelomarは十分その期待に応えていることも、すでに試写してわかった。

(おわり)

posted by ihagee at 15:01| Voigtländer Superb