「かつて命が輝いていた町は、死の町になった・・」
チェルノブイリ事故被災者の言葉。
そして、我々はこれを見ても、何度でも同じ過ちを繰り返すのだろうか? (お役立ち情報の杜サイト)

(図(原発事故の避難基準) 出典:阿部憲一氏のフェイスブック投稿資料)
そして、ヒアリの大騒動は国民の耳目を政権醜聞から逸らすためのフェイク(ウソ)、稲田朋美防衛相の答弁は虚偽(ウソ)だった。
ウソを振りまきウソをつくことが、この政権の常套手段となっている。この政権のウソの本源は原発事故にあり、「アンダーコントロール」なる虚飾・粉飾(ウソ)でこの国はすっかり汚染された。ウソの主体が首相と取り巻きであることは言うまでもないだろう。正確には首相個人の性状(性質と行状)に由来する。もうホトホト、ウソにはうんざりした。
「この様に息を吐くようにウソをつかれたら、やってられません!国民は。」と西尾氏。
以下、拙稿を再度掲載したい。
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2016年12月2日、北海道がんセンター名誉院長の西尾正道氏が参議院のTPP特別委員会で意見陳述を行なった。
医療の現場を統括する立場からTPPによって生ずる看過することができない問題点を鋭く指摘している。
TPPについての意見陳述であったが、放射線治療の専門家として最後に東京電力福島第一原子力発電所の事故についてこう述べて締めくくっている。
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「最後に、大変深刻なのは、今、福島から出ている放射性物質、これは微粒子として浮遊してます。残念ながら。そういうものと、農薬も含めた化学物質が人間の身体に入った場合、相乗的に発ガンするって事が動物実験で分かってます。こういう多重複合汚染の社会になって来て、恐らく2人に1人がガンになるっていわれてますけども、多分20〜30年経ったら3人のうち2人はガンになります。僕はとっくに死んでますから、若い議員さんは是非確かめてください。この場で西尾が嘘を言ったかどうか確かめて欲しい。本当にガンがどんどん増える社会になります。自分たちの国でキチッと法律で、ある程度規制出来る様な体制を作る為には、決してTPPに加入すべきではないと私は思っております。」
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TPPを容認すれば「多重複合汚染の社会」が到来すると警告する。
原発事故が招来した(し続けている)内部被曝という「国家の宿痾(治らない病)」を直視すれば、食品を含めた放射線防護が政治の最優先の課題であるにも関わらず、内部被曝と相乗する要因を市場の原理に委ねて敢えて取り込むTPPには断固反対するという意見陳述である。
対米関係で医療・食品という国民の生命に関わる分野で国家としての自主性を発揮できない経済協定はTPPに限らない。TPPに代わる日米間のFTAでも同じだ。
2011年あの原発事故の後、4ヶ月ほど経過した梅雨明けの頃、首相官邸下三宅坂(私の通勤経路)の道路脇の植栽が一斉に赤く枯死した。あまりに異様な光景だったので写真に撮った。撮影後、一週間ほどでおおぜいの道路作業員が枯死した植栽を撤去していた。その一人にこんなことはいつもあるのか?とたずねると、経験したことがないとのことだった。生まれてこのかた経験のない突然の大量の鼻血に見舞われたのもこの頃だった。半日ベッドで仰向けになっても止まらず、喉の奥に黒い血餅がべったり貼りついた。指の関節がキリキリと痛み、咳が止まらなかったことなど、身体中が異常を感知していた。そして今、駅の階段を降りる際に以前は早足で降りていたのに、蹴つまずきはしないかと足元を気にしながら降りるようになった。
そんな身体の警告すら「風評被害」やら「放射脳」とあざ笑って、なおも「福島の影響は及ばない」などとウソをつき、その影響がさらに深刻になるような要因を一部の富裕層の金儲け目当てに招き入れようとする政治に対して、西尾氏は「(政治家以前に)一人の人間として、共に生きる社会をどう作るかっていう事を本当に真剣に考えて頂きたい。」と憤っているのだろう。


「この様に息を吐くようにウソをつかれたら、やってられません!国民は。」と西尾氏。
いつまでも「うそつきロボット」で良いのか、東京オリンピックでもカジノでも万博でもなく、この国の喫緊の課題は放射線防護でしかない筈だ。原発事故なる国家の宿痾(治らない病)を正しく診立て、政治を糾す西尾氏の言葉は重い。
(おわり)
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