
電柱の看板に「カメラ成光堂」の広告。ちょっとしたスナップ写真でもレンズの向こうに奥行きのある絵があった時代。そう感じさせる一枚。今はどこにレンズ(私以外はスマホか?)を振っても、小綺麗で気取っているが人間味がない街並みばかり。撮ったところで絵にならないことが多い。
《カメラ成光堂》は2000年頃まで新宿区新宿3-8-4にあったようだ。
その場所はグーグルマップで見ると、今は飲食店。新宿・丸井の近く。

新宿はふた昔前までは、カメラ用品の店がひしめいていた。
駅前のヨドバシカメラから、中古カメラ店まで。使い捨てカメラや小型軽量のコンパクトカメラの出現で重く大きな金属製カメラは時代の遺物となり、デジタルカメラが普及し始めるとアナログ(フィルム)カメラは凋落した。
そんなアナログ(フィルム)カメラは長らく不遇をかこっていたが、ミラーレスカメラの出現で中古カメラレンズの需要が復活し、最盛期の賑わいはないものの今も中古カメラ店は新宿に多い。そして、アナログ(フィルム)カメラにも最近リバイバルの兆しがある。
《カメラ成光堂》はそんな時代の間で消えてしまったのだろう。
そして、その近くにあった《ヤングの溜まり場》であった新宿丸井本館は今月末に売却される。《ヤング》という言葉も《カメラ小僧》という言葉とともに今は死語である。
(おわり)
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